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【第一章】青い地球
第二十三話……衛星ガイアの開発
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――帝国暦849年11月。
岩肌がむき出しの衛星アトラスに大気はないので、いつも空は星空だ。
最近はスモッグも問題だけど……。
クリームヒルトさんを残し、羊族の戦闘班長であるバフォメットさんとタヌキ軍曹と共に惑星リーリヤに向かう。
大気圏への降下中も、落下している感じを受けさせない重力発生システムは凄いといつも思う。
私はジェットコースターが大嫌いだからだ。
ちなみにこの小型宇宙船は、我がハンニバル開発公社が運営する、惑星リーリヤと衛星アトラスを結ぶ定期航路だ。
こう聞けばカッコイイが、絶賛赤字経営中である。
リアル社会のバス事業者さんとか本当に凄いと思う。
「宇宙船の建造プラントが欲しいな……」
そのような蛮王様のご要請を受けて、惑星リーリヤに建造中の核融合宇宙船造船プラント。
帝国領内は概ね宇宙港が整備されているが、宇宙船の建造ドッグが備わっている惑星は少なかった。
よって慢性的に宇宙船が足りていない。
ちなみに惑星リーリヤは、自然エネルギーを愛する住民が多いため、核融合技術は低い。
しかも、この計画はあまり歓迎されていないようだった。
今回の造船プラント合弁会社は、ハンニバル開発公社は出資率を49%以下に抑えていた。
もとより、よそ者の新技術工場の進出は、なかなか感情的に受け入れてもらえない。
便利だからと押し付けると、たいてい政治的に失敗するだろう。
建造プラント自体よりも、住民への説明に多くの労力と時間を費やしたのだった。
港から響く槌の音が頼もしい。
人手も予算も潤沢にあるから、意外と早く完成するかもしれない……。
こののち惑星リーリヤは、ちょっとした造船景気に沸くことになる。
☆★☆★☆
お昼になったので、タヌキ軍曹と羊戦闘班長を連れて、人気レストランMAWOを訪れる。
タヌキ軍曹にハンバーグパスタを食べさせる約束があったからだ。
食べ物の恨みで、戦場で部下に背後から襲われるわけにはいかない……( ˘ω˘)
運ばれてきたメニューは……。
タヌキ軍曹が、ハンバーグスパゲティー大盛り。
私が、エビフライ定食。
――そして、羊戦闘班長は……、
「天然ステーキ6人前、ご飯少なめはコチラでよろしいでしょうか?」
ウエートレスの女性が運んできたものは、高級ステーキ6人前。しかも天然の高級肘川牛の北部産と来た。さらにサラダ抜き……。
あまりの凄さに隣のテーブルの視線が痛い。
「お肉と油と食塩の取りすぎは、食事の基本メェ~♪」
Σ( ̄□ ̄|||) 初めて聞いたよ! そんなこと!!
……でも、蛮王様も『トンカツ最高!』って言ってた気がする!?
「ヴェロヴェマ提督! 僕もアレがよかったなぁ……」
「いや、私も……」
レジでの清算が凄かった。
金額にして約金貨六枚。6000帝国ドルと76セントだった。
……当然に領収書を貰った。
――この案件は、我が家のメイド長で、ハンニバル開発公社財務担当役員のクリームヒルト様がメッチャ怖かった。
お土産を奮発しよう。
多分無駄だろうけど……。
☆★☆★☆
我がハンニバル開発公社は、資源価格高騰で手に入った資金を、惑星リーリヤのダム開発や植林事業、交通インフラなどに投資していた。
しかし、これといった収益の目玉はない。
みんなの為の公益事業は、収益性がわるいのだ。
きっとこのままだと、資金が尽きるだろう……。
お金は有限だからこそ、お金なのだ。
「何か良い開発案件はないかなぁ?」
と誰を相手にでもなくぼやいていたら……、
「衛星ガイアの開発は如何でしょうか!?」
「それがいいぽこ♪」
というクリームヒルトさんの鶴の一声で、衛星アトラスの兄弟星ともいえる衛星ガイアの開発に着手することになった。
衛星ガイアはアトラスと共に蛮王様にもらった惑星リーリヤの衛星である。
衛星アトラスは人口が増えてきたため、環境汚染なども深刻で、開発余地が少なくなっていたが、衛星ガイアも同じような開発にするかは悩みどころだった。
「食料生産に特化されては?」
「おいしいものだけ作るポコ」
「温泉入りたいメェ~♪」
というご要望で、鉱工業などを優先するのではなく、食料プラントと観光業に特化した開発を行うことにした。
幸い衛星ガイアは地殻変動があり、火山もあったために温泉が湧いた。
マルガレーテ嬢に、以前から彼女がやりたがっていたカジノ施設の設計を頼むと、
「任せてにゃ! ガンガン儲けますにゃ♪」
と言われた。
やりすぎてお客様を破産させないようにね……(´・ω・`)
「農場は任せるメェ~♪」
ということで、戦闘班長に食料プラントを任せ、
「リゾート施設を作りたいです!」
と仰るメイド長兼副官様にホテル建設などを任せたところ。
「出番がないぽこね」
「お互いにね……」
オシャレ感がゼロのタヌキ軍曹と私が取り残される結果になった。
結局、衛星ガイアの開発は、クリームヒルト・リゾートという新規子会社に任せることになった。
もちろん社長は私ではなく、なんだかさみしい。
その後、鉱業部門はポコリーヌ・マテリアルという新規子会社を設立。経営効率化を図り、私は宇宙船造船部門に注力することにした。
岩肌がむき出しの衛星アトラスに大気はないので、いつも空は星空だ。
最近はスモッグも問題だけど……。
クリームヒルトさんを残し、羊族の戦闘班長であるバフォメットさんとタヌキ軍曹と共に惑星リーリヤに向かう。
大気圏への降下中も、落下している感じを受けさせない重力発生システムは凄いといつも思う。
私はジェットコースターが大嫌いだからだ。
ちなみにこの小型宇宙船は、我がハンニバル開発公社が運営する、惑星リーリヤと衛星アトラスを結ぶ定期航路だ。
こう聞けばカッコイイが、絶賛赤字経営中である。
リアル社会のバス事業者さんとか本当に凄いと思う。
「宇宙船の建造プラントが欲しいな……」
そのような蛮王様のご要請を受けて、惑星リーリヤに建造中の核融合宇宙船造船プラント。
帝国領内は概ね宇宙港が整備されているが、宇宙船の建造ドッグが備わっている惑星は少なかった。
よって慢性的に宇宙船が足りていない。
ちなみに惑星リーリヤは、自然エネルギーを愛する住民が多いため、核融合技術は低い。
しかも、この計画はあまり歓迎されていないようだった。
今回の造船プラント合弁会社は、ハンニバル開発公社は出資率を49%以下に抑えていた。
もとより、よそ者の新技術工場の進出は、なかなか感情的に受け入れてもらえない。
便利だからと押し付けると、たいてい政治的に失敗するだろう。
建造プラント自体よりも、住民への説明に多くの労力と時間を費やしたのだった。
港から響く槌の音が頼もしい。
人手も予算も潤沢にあるから、意外と早く完成するかもしれない……。
こののち惑星リーリヤは、ちょっとした造船景気に沸くことになる。
☆★☆★☆
お昼になったので、タヌキ軍曹と羊戦闘班長を連れて、人気レストランMAWOを訪れる。
タヌキ軍曹にハンバーグパスタを食べさせる約束があったからだ。
食べ物の恨みで、戦場で部下に背後から襲われるわけにはいかない……( ˘ω˘)
運ばれてきたメニューは……。
タヌキ軍曹が、ハンバーグスパゲティー大盛り。
私が、エビフライ定食。
――そして、羊戦闘班長は……、
「天然ステーキ6人前、ご飯少なめはコチラでよろしいでしょうか?」
ウエートレスの女性が運んできたものは、高級ステーキ6人前。しかも天然の高級肘川牛の北部産と来た。さらにサラダ抜き……。
あまりの凄さに隣のテーブルの視線が痛い。
「お肉と油と食塩の取りすぎは、食事の基本メェ~♪」
Σ( ̄□ ̄|||) 初めて聞いたよ! そんなこと!!
……でも、蛮王様も『トンカツ最高!』って言ってた気がする!?
「ヴェロヴェマ提督! 僕もアレがよかったなぁ……」
「いや、私も……」
レジでの清算が凄かった。
金額にして約金貨六枚。6000帝国ドルと76セントだった。
……当然に領収書を貰った。
――この案件は、我が家のメイド長で、ハンニバル開発公社財務担当役員のクリームヒルト様がメッチャ怖かった。
お土産を奮発しよう。
多分無駄だろうけど……。
☆★☆★☆
我がハンニバル開発公社は、資源価格高騰で手に入った資金を、惑星リーリヤのダム開発や植林事業、交通インフラなどに投資していた。
しかし、これといった収益の目玉はない。
みんなの為の公益事業は、収益性がわるいのだ。
きっとこのままだと、資金が尽きるだろう……。
お金は有限だからこそ、お金なのだ。
「何か良い開発案件はないかなぁ?」
と誰を相手にでもなくぼやいていたら……、
「衛星ガイアの開発は如何でしょうか!?」
「それがいいぽこ♪」
というクリームヒルトさんの鶴の一声で、衛星アトラスの兄弟星ともいえる衛星ガイアの開発に着手することになった。
衛星ガイアはアトラスと共に蛮王様にもらった惑星リーリヤの衛星である。
衛星アトラスは人口が増えてきたため、環境汚染なども深刻で、開発余地が少なくなっていたが、衛星ガイアも同じような開発にするかは悩みどころだった。
「食料生産に特化されては?」
「おいしいものだけ作るポコ」
「温泉入りたいメェ~♪」
というご要望で、鉱工業などを優先するのではなく、食料プラントと観光業に特化した開発を行うことにした。
幸い衛星ガイアは地殻変動があり、火山もあったために温泉が湧いた。
マルガレーテ嬢に、以前から彼女がやりたがっていたカジノ施設の設計を頼むと、
「任せてにゃ! ガンガン儲けますにゃ♪」
と言われた。
やりすぎてお客様を破産させないようにね……(´・ω・`)
「農場は任せるメェ~♪」
ということで、戦闘班長に食料プラントを任せ、
「リゾート施設を作りたいです!」
と仰るメイド長兼副官様にホテル建設などを任せたところ。
「出番がないぽこね」
「お互いにね……」
オシャレ感がゼロのタヌキ軍曹と私が取り残される結果になった。
結局、衛星ガイアの開発は、クリームヒルト・リゾートという新規子会社に任せることになった。
もちろん社長は私ではなく、なんだかさみしい。
その後、鉱業部門はポコリーヌ・マテリアルという新規子会社を設立。経営効率化を図り、私は宇宙船造船部門に注力することにした。
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