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第二話……山賊くらい軽く倒せてこそ真の女!?
しおりを挟む空には心地よさそうに鳥が舞う、ポコポカとした陽気の中。
私はハリコフ王国南東部のボロンフ辺境伯爵様の城下町を歩いていた。
私の名はアーデルハイト・フーデマン。
志は良き婿を取り、フーデマン家の再興をすることだ。
良き夫を守るため、わが剣は強くならねばならぬ。
そのために私は武者修行に来ていた。
「あ、ごめんね」
「いや、こちらこそすまない」
雑踏の中、人とぶつかることも多い。
ここは駅馬車もよく走る都会だ。
我が故郷の農村が少し懐かしく感じる。
「そこのお嬢さん、私とお茶をしませんか!?」
大通りを歩いていると、艶のあるダークブラウンの髪をもつ若い殿方が唐突に話しかけてきた。
「ん? お主はどなただ?」
「これは失礼、わたくしはボロンフ辺境伯爵様の下で内務官を務めているドゥーニ=アベラルド男爵と申します」
「わかった。お茶だな!? 一緒に飲もう!」
「ぇ!?」
アベラルド男爵は一瞬面食らった様子だったが、我々は小さな料理店に入った。
……。
この男爵殿は我々の前に紅茶が運ばれてからというものの、やれ王都のファッションがどうだだの、今年の収穫祭はどの領地が良いだろうとかしか言わぬ。
…… (´・ω・`) ひ ま だ。
しかし、わたしは武人としてこの男爵殿に雇われるはずだ。雇われる以上つまらぬ話でも聞くしかあるまい。
「ところでアーデルハイトさんは何しにこの街においでで!?」
Σ( ̄□ ̄|||) 来た!! 本題だ!!
「武人としての仕事を探しております!」
「あっはっは! そんな可愛い顔をして! 武人だなんて」
「侮辱なさるおつもりか!?」
私が怒った顔をすると、彼は肩をすくめある提案をしてきた。
それは彼の領内の『山賊を3日のうちに捕まえてほしい』とのことだった。それを私が出来た場合には彼が私の望むことを何でも一つ叶え、逆に私がそれを出来ない場合は私が彼の言うことを一つだけなんでも叶えるということだった。
「ふむ……」
私が思案していると、
「領民が困っているのです、是非にも!!」
彼は懇願するようなまなざしを向けてきたので思わず、
「任せてください!」
と言ってしまった。
その言葉を聞くと男爵は一瞬下卑た笑みを見せた気がするのだが、きっとそれは私の気のせいだろう。きっとそうに違いない (´・ω・`)
彼の案内のもと、彼の領地まで街道を馬でひた走り、夕方までには着いた。
「今日はもう日が暮れかかっているので、わが屋敷でゆっくりしていってください」
「いえ、領民の皆さんが困っているのです。今からでも山賊を倒しましょう」
私がそう言うと、彼は一瞬怪訝な顔した。
「ちっ……」
「え? 何か?」
「いえいえ、何でもありません」
彼はそう応え、再び笑顔に戻った。
きっと男爵にもなると、いろいろなことが頭をめぐるのだろう。
領主とはきっとても大変なのだな。
きっとそうに違いない (´・ω・`)
男爵に案内され、彼はある山頂の古城を指さした。
「あそこが賊どものねぐらです」
彼の指先が示す方向には、小高い山に松明の明かりがうっすら見える建造物が見えた。
「ええと、私はこれから重要な会議がありますので……」
「お気に召されるな! 私一人でなんとか致しましょう!!」
日頃の武人としての修行の成果が試される時が来た。
この男爵殿の領地で我が名声を轟かせ、フーデマン家の再興の足掛かりにしてくれん!!
(`・ω・´)シャキーン
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