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~友愛編~

第五十八話……カウンター魔法

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今日の天気は晴れ。
ここ数日いい天気でござるよ。




──ビシィィィイイイ!!


 リーリヤに向けたポコのよわよわ火炎魔法が発動すると同時に、凄まじい閃光がほとばしり、炎が消えた。

 ポコはリーリヤ相手にコッソリと同じことを繰り返したが、同じく消えた。

 ……(´・ω・`)

 変だと思い、ポコは老騎士に相談するも、

「はいはい、あとでね。某は忙しいから」

 と、相手にしてもらえない。

 仕方がないので、いつもお昼間は暇そうなンホール司教のところへいった。



──

「ンホー!?」

「カウンター魔法の才能ンホ!!」

 やってきたンホール司教の話に、丸太小屋のみんなはびっくりする。

 ちなみにこの世界の魔法は才能である。才能がないものが長年必死に努力しても、到達できるのはポコのよわよわ火炎魔法といったところであった。
 よって、小さいころに適性がないと見るや、剣の道に進むものが多かった。

 ちなみに実用的な魔法適性がある者は、ハリコフ王国で言えば100人に3人くらいで、実に3%という希少な存在だった。
 ちなみに、老騎士は魔法を全く使えないし、ブタも狭義での魔法を一切使えない。

「カ……、カウンター!?」
「カウンター魔法ってなんなのです?」

 リーリヤの育児係であるナターシャ・ヘーデルホッヘが尋ねる。
 いつもは、司教のことを如何わしい人と思っている皆も、今回は興味深々である。


「今のところ、火炎魔法だけの対象のようンホけど、跳ね返したり消したりできる魔法ンホ!」

「今まで、リーリヤのカウンター魔法の才能は、なぜわからなかったのですか?」

 常識的な問いかけを、ナシャータが続けた。

「あくまでカウンターですンホ。周りに火炎魔法が発動していなければ使えないンホ」

「……ということは、危ない火炎魔法がリーリヤの周りになかったので、今まで判らなかったと仰るのですか?」

「ンホ!(肯定)」

 Σ( ̄□ ̄|||) なんか判らないけど、凄くない? でござる。


──バキッ!

 Σ( ̄□ ̄|||)

 皆が目を離したすきに、ブタの釣り竿が、か弱い悲鳴を上げた。

 そう、足取りおぼつかない四歳のリーリヤ姫の踵は、ブタの釣り竿の最も弱い部分にクリティカルヒットしたのだった。



──ぇ? 片付けが悪いって?
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