SA・ピエンス・ブタ史 ~第八惑星創造戦記~

黒鯛の刺身♪

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~友愛編~

第四十六話……告白

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今日の空は雨、外はまだ暗い。
最近おうち帰ってないな。
母上のチャーシュー麺が食べたくなったな。



──
「も……もう一度言え!」
 ヘーデルホッヘ爺が、伝令兵の胸倉をつかみ激しくゆするでござる。

「で、ですから、港湾都市アーベルムより騎兵6000長弓4000歩兵30000が北上中であります」

 爺が動揺するのも仕方なかったでござる。なにしろこの伝令兵は当方の南端で頑張っているハリコフ王国陪臣騎士爵【シュコー家】の者ではなく、はるか北の王都ルドミラに鎮座ましますドロー公爵の手の者でござった。


──30分後、別室にて。

「すべてはドロー公爵の差し金か!?」

 伝令兵がいなくなると爺が喚き散らす。耳がキンキンするでござるな。

 いつも爺と笑い合う骸骨騎士の【ザムエル】は、今は南方のシュコー家の軍務役。代わりにザムエルの薫陶よろしき鉄仮面こと【ヴェロヴェマ】が爺をなだめるでござる。


「家宰殿! 落ち着きなされ!」
「や……やかましいわ若造!」

 (´・ω・`)

 爺は若きハイオーク指揮官であるヴェロヴェマ相手に、ドロー公爵への悪態をひとしきりつくと落ち着いてきたでござる。

 (`・ω・)b

 Σ( ̄□ ̄|||) こ、こっち向いてそんなことしないで! 仮面で表情判らんし。


「でな、いまいくら動員できる?」

 ハイオーク族族長アガートラムは話をかえ、トリグラフ帝国からの若き官僚たちに聞いたのでござる。

「アガートラム軍務役殿のご質問に関しまして、今の食糧事情を勘案しますに我が領の動員できる兵は6000が妥当であるかと」

「爺が売ってくれた食料の代金で、ウサが沢山お友達を連れてきてあげたウサ!」

 Σ( ̄□ ̄|||) ウサちゃん、今それを言わないで……。


「いやいや、殿! 我の出番ですかな?」

 鉄仮面を付けた赤き鎧に陣羽織を着こんできたヴェロヴェマが笑うでござる。


「おぬしの部隊? ん? たしか……、あ、全員スケルトンか!?」

 爺も思わず納得、ヴェロヴェマがンホール司教に対抗して赤に統一した総勢3000名の部下は全員スケルトン。お日様が高いお昼間はあんまり強くないけど、彼らにご飯は特に要らないでござる。

 ……その後、編成において実務者で話は詰められていったでござる。



──その後、丸太小屋にて

「いやはや、あの程度のことで取り乱すとは、某も耄碌しておりますな! で、殿!
内密なお話とはいったい?」

 爺を連れ出し、今は二人きりでござる。


「……実はね、この世界は【VRゲーム】って仮想世界なのでござるよ」

「は? なんですと? ぶいあるげむ?」

──
 今まで、だましている気になっていたので爺にはすべて話したでござる。


「……」

「……」

「うわっはっは! 殿も敵が4万と聞いて動揺されておりますな?」

 Σ( ̄□ ̄|||) 全然信じてもらえない。


「例えば、この自販機の【ステータス・情報】ってとこでボタンを押すとでござる」


【ブルー・アイスマン】
子爵
レベル69
STR6
VIT243
DEX26
INT6

「ほぉ……、この魔道具になにやら数字が出ていますが、それが何か?」

「でね、このボタンを押すと……、STRが増えるのでござる」


 ……(´・ω・`) ありゃりゃ? 増えない。故障かな?

「うわっはっは! 指でボタンを押してだけでメキメキ力が増えたら、さすがに誰も鍛錬しませぬぞ!」


 ……(´・ω・`) 信じてくれない。


「あ、そうそう、これはねSSRってレアな巻物アイテムで……」
「ほぉ……」

 (´・ω・`)……ていうか初めて開いてみたでござる。

「ほぉ……これは古の魔道具の設計図ですな、これは船で、これは車で、これは飛び道具……」


 (´・ω・`) 仕方なし。


「今から【ログアウト】します!」
「殿! 新しい魔法ですな?」

「ありゃ?何も起こらんでござるな?」
「殿! さては某を励まそうとして、ご冗談を? ……じ、爺はうれしゅうございます!」


 ……な、泣かれちゃったでござる。




 (´・ω・`) てかさ? おうち帰れなくなったでござる?? どうしよう!?
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