46 / 100
~友愛編~
第四十六話……告白
しおりを挟む
今日の空は雨、外はまだ暗い。
最近おうち帰ってないな。
母上のチャーシュー麺が食べたくなったな。
──
「も……もう一度言え!」
ヘーデルホッヘ爺が、伝令兵の胸倉をつかみ激しくゆするでござる。
「で、ですから、港湾都市アーベルムより騎兵6000長弓4000歩兵30000が北上中であります」
爺が動揺するのも仕方なかったでござる。なにしろこの伝令兵は当方の南端で頑張っているハリコフ王国陪臣騎士爵【シュコー家】の者ではなく、はるか北の王都ルドミラに鎮座ましますドロー公爵の手の者でござった。
──30分後、別室にて。
「すべてはドロー公爵の差し金か!?」
伝令兵がいなくなると爺が喚き散らす。耳がキンキンするでござるな。
いつも爺と笑い合う骸骨騎士の【ザムエル】は、今は南方のシュコー家の軍務役。代わりにザムエルの薫陶よろしき鉄仮面こと【ヴェロヴェマ】が爺をなだめるでござる。
「家宰殿! 落ち着きなされ!」
「や……やかましいわ若造!」
(´・ω・`)
爺は若きハイオーク指揮官であるヴェロヴェマ相手に、ドロー公爵への悪態をひとしきりつくと落ち着いてきたでござる。
(`・ω・)b
Σ( ̄□ ̄|||) こ、こっち向いてそんなことしないで! 仮面で表情判らんし。
「でな、いまいくら動員できる?」
ハイオーク族族長アガートラムは話をかえ、トリグラフ帝国からの若き官僚たちに聞いたのでござる。
「アガートラム軍務役殿のご質問に関しまして、今の食糧事情を勘案しますに我が領の動員できる兵は6000が妥当であるかと」
「爺が売ってくれた食料の代金で、ウサが沢山お友達を連れてきてあげたウサ!」
Σ( ̄□ ̄|||) ウサちゃん、今それを言わないで……。
「いやいや、殿! 我の出番ですかな?」
鉄仮面を付けた赤き鎧に陣羽織を着こんできたヴェロヴェマが笑うでござる。
「おぬしの部隊? ん? たしか……、あ、全員スケルトンか!?」
爺も思わず納得、ヴェロヴェマがンホール司教に対抗して赤に統一した総勢3000名の部下は全員スケルトン。お日様が高いお昼間はあんまり強くないけど、彼らにご飯は特に要らないでござる。
……その後、編成において実務者で話は詰められていったでござる。
──その後、丸太小屋にて
「いやはや、あの程度のことで取り乱すとは、某も耄碌しておりますな! で、殿!
内密なお話とはいったい?」
爺を連れ出し、今は二人きりでござる。
「……実はね、この世界は【VRゲーム】って仮想世界なのでござるよ」
「は? なんですと? ぶいあるげむ?」
──
今まで、だましている気になっていたので爺にはすべて話したでござる。
「……」
「……」
「うわっはっは! 殿も敵が4万と聞いて動揺されておりますな?」
Σ( ̄□ ̄|||) 全然信じてもらえない。
「例えば、この自販機の【ステータス・情報】ってとこでボタンを押すとでござる」
【ブルー・アイスマン】
子爵
レベル69
STR6
VIT243
DEX26
INT6
「ほぉ……、この魔道具になにやら数字が出ていますが、それが何か?」
「でね、このボタンを押すと……、STRが増えるのでござる」
……(´・ω・`) ありゃりゃ? 増えない。故障かな?
「うわっはっは! 指でボタンを押してだけでメキメキ力が増えたら、さすがに誰も鍛錬しませぬぞ!」
……(´・ω・`) 信じてくれない。
「あ、そうそう、これはねSSRってレアな巻物アイテムで……」
「ほぉ……」
(´・ω・`)……ていうか初めて開いてみたでござる。
「ほぉ……これは古の魔道具の設計図ですな、これは船で、これは車で、これは飛び道具……」
(´・ω・`) 仕方なし。
「今から【ログアウト】します!」
「殿! 新しい魔法ですな?」
「ありゃ?何も起こらんでござるな?」
「殿! さては某を励まそうとして、ご冗談を? ……じ、爺はうれしゅうございます!」
……な、泣かれちゃったでござる。
(´・ω・`) てかさ? おうち帰れなくなったでござる?? どうしよう!?
最近おうち帰ってないな。
母上のチャーシュー麺が食べたくなったな。
──
「も……もう一度言え!」
ヘーデルホッヘ爺が、伝令兵の胸倉をつかみ激しくゆするでござる。
「で、ですから、港湾都市アーベルムより騎兵6000長弓4000歩兵30000が北上中であります」
爺が動揺するのも仕方なかったでござる。なにしろこの伝令兵は当方の南端で頑張っているハリコフ王国陪臣騎士爵【シュコー家】の者ではなく、はるか北の王都ルドミラに鎮座ましますドロー公爵の手の者でござった。
──30分後、別室にて。
「すべてはドロー公爵の差し金か!?」
伝令兵がいなくなると爺が喚き散らす。耳がキンキンするでござるな。
いつも爺と笑い合う骸骨騎士の【ザムエル】は、今は南方のシュコー家の軍務役。代わりにザムエルの薫陶よろしき鉄仮面こと【ヴェロヴェマ】が爺をなだめるでござる。
「家宰殿! 落ち着きなされ!」
「や……やかましいわ若造!」
(´・ω・`)
爺は若きハイオーク指揮官であるヴェロヴェマ相手に、ドロー公爵への悪態をひとしきりつくと落ち着いてきたでござる。
(`・ω・)b
Σ( ̄□ ̄|||) こ、こっち向いてそんなことしないで! 仮面で表情判らんし。
「でな、いまいくら動員できる?」
ハイオーク族族長アガートラムは話をかえ、トリグラフ帝国からの若き官僚たちに聞いたのでござる。
「アガートラム軍務役殿のご質問に関しまして、今の食糧事情を勘案しますに我が領の動員できる兵は6000が妥当であるかと」
「爺が売ってくれた食料の代金で、ウサが沢山お友達を連れてきてあげたウサ!」
Σ( ̄□ ̄|||) ウサちゃん、今それを言わないで……。
「いやいや、殿! 我の出番ですかな?」
鉄仮面を付けた赤き鎧に陣羽織を着こんできたヴェロヴェマが笑うでござる。
「おぬしの部隊? ん? たしか……、あ、全員スケルトンか!?」
爺も思わず納得、ヴェロヴェマがンホール司教に対抗して赤に統一した総勢3000名の部下は全員スケルトン。お日様が高いお昼間はあんまり強くないけど、彼らにご飯は特に要らないでござる。
……その後、編成において実務者で話は詰められていったでござる。
──その後、丸太小屋にて
「いやはや、あの程度のことで取り乱すとは、某も耄碌しておりますな! で、殿!
内密なお話とはいったい?」
爺を連れ出し、今は二人きりでござる。
「……実はね、この世界は【VRゲーム】って仮想世界なのでござるよ」
「は? なんですと? ぶいあるげむ?」
──
今まで、だましている気になっていたので爺にはすべて話したでござる。
「……」
「……」
「うわっはっは! 殿も敵が4万と聞いて動揺されておりますな?」
Σ( ̄□ ̄|||) 全然信じてもらえない。
「例えば、この自販機の【ステータス・情報】ってとこでボタンを押すとでござる」
【ブルー・アイスマン】
子爵
レベル69
STR6
VIT243
DEX26
INT6
「ほぉ……、この魔道具になにやら数字が出ていますが、それが何か?」
「でね、このボタンを押すと……、STRが増えるのでござる」
……(´・ω・`) ありゃりゃ? 増えない。故障かな?
「うわっはっは! 指でボタンを押してだけでメキメキ力が増えたら、さすがに誰も鍛錬しませぬぞ!」
……(´・ω・`) 信じてくれない。
「あ、そうそう、これはねSSRってレアな巻物アイテムで……」
「ほぉ……」
(´・ω・`)……ていうか初めて開いてみたでござる。
「ほぉ……これは古の魔道具の設計図ですな、これは船で、これは車で、これは飛び道具……」
(´・ω・`) 仕方なし。
「今から【ログアウト】します!」
「殿! 新しい魔法ですな?」
「ありゃ?何も起こらんでござるな?」
「殿! さては某を励まそうとして、ご冗談を? ……じ、爺はうれしゅうございます!」
……な、泣かれちゃったでござる。
(´・ω・`) てかさ? おうち帰れなくなったでござる?? どうしよう!?
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる