上 下
28 / 100
~烈風編~

第二十八話……-COPY-

しおりを挟む
 今日は避難訓練の日。
 担任のマーチャン・アサイ先生は大慌てだけど、みんなは楽しそう。

 だって放射能避難訓練の日はいつもより早く帰れるから。




──

 今日の学校帰りの空は雨。
 ぽつぽつと降ってきた。
 しょうがないから友達のグッチャン家にアタゴンと遊びにいった。


「こんにちは! おじゃましま~す」

「あら? いらっしゃい」

 グッチャンのおばあちゃんはお相撲が好きな明るい人でござる。
 で、グッチャン自身はベースギターが得意で、バンドとか言うやつをやっているでござる。

 けどね、アタゴンと拙者は音楽がぜ~んぜんダメで、何も楽器がひけないから、一緒にVRMMOであそぶでござる。

 グッチャンはゲームも拙者たちより上手でござる。クラスの人気者は違うでござる。

 VRMMO用マルチタップを接続して、三人でフルタイム型VRMMO「艦隊騎士団ハリケーン!」ってので遊んだでござった。

 いざ! ヾ(゜∀゜)人(゜∀゜)人(゜∀゜)ノ 皆で楽しく大冒険~♪

 どんぱち♪ どんぱち♪ どんどんぱちぱち☆彡


──
 楽しかったでござる。

「じゃあ、またでござるね~♪」
「あ! 待て、アイスマン!」

「ん?」
「お前、前にVRMMOやってるっていってただろ?」

「うん」
「なんてやつだ?」

「あ?名前なんでござろう?」
「ゲームの名前知らんのか? どうでもいいけど、ちゃんとダンジョン周回してレベル上げろよ? 今日みたいに」

「あ……、うん、頑張るでござるよ!」


 (……ゲームの名前なんだっけ?)
 そんなことを考え、途中にアタゴンとわかれ家路についた。


 ガチャ。
 (……鍵が閉まってる)

 玄関の横の植木鉢の下にあるカードキーを取り出し、鍵をあける。

──
 ガラガラガラ

 家には誰もいない。
 アイスマンは自分の部屋にはいり、VRMMOゲーム本体にささっているゲームソフトをみた。


「うん?」

 名前はよごれてて見えにくい。
 本体から抜き、まじまじと見た。

 『-COPY-』と書かれている。


 Σ( ̄□ ̄|||) なんじゃこりゃ?

 ゲームのカセットに書かれている製造番号をパソコンに入力して検索した。


【検索結果】……該当するゲームはありません、ただし……。

──

 Σ(・ω・`;) ぇ?ぇ? どゆこと?……

 「!?」

──

ビシィィィ!

アイスマンは背後からの突然の衝撃で眠りに落ちたのだった。
しおりを挟む

処理中です...