ＳＡ・ピエンス・ブタ史 ～第八惑星創造戦記～

～烈風編～

第二十話……女王真珠貝

　……今日の空は暴風波浪警報中。
　ゲームの空は晴れ時々曇り、ところによって雨が降るでしょう（……昔はこんな天気予報が多かった）




──

　ポコウサぶひぃ～ａｎｄにゃ～♪

　今日もバンバン狩られる初心者冒険者たち。
　なにしろこのあたりはゴブリンしか出ないという情報なのだ。

　まさか猫ぽいものを倒そうとしたら、落とし穴に落とされて、上から【ＳＴＲ255】が岩を落としてくるなんてありえない。


「おふ～ウサ！」　<(｀^´)>

　つかまった領民さらい達（冒険者のこと）は次々に連行され、奴隷として売られていった。

　～あ～る～晴れた～♪


──
【ハリコフ王国法第２４条８項】……外部の者が領民をさらおうと企図した場合、領主はその外部の者を奴隷として売り払ってもよい。

　……あきらかに合法的な取引であり、奴隷商人の多くが買い付けにブタ領へやってきたのだった。



　落武者（ブタ）、妖術師（タヌキ）、武闘派な白魔導士（ウサギ）、ＭＰがほとんどない変身術師（トラ）という４人ＰＴは仲良くいつもの海辺に来て釣りを始めた。


　……コダイ・リューは「にゃ～ん♪」と海へ飛び込み貝を捕る。

　コダイは「にゃ～ん♪」と海から顔を出すと、右手に大きな二枚貝を手にしていた。


【システム通知】……ＳＳＲ【女王真珠貝】をＧＥＴしました！
【システム通知】……ＳＳＲアイテムの入手に伴い、４人ともレベルが３０になりました～♪


　Σ(￣□￣|||)　新入りに出し抜かれたでござる！　しかも得意な釣りで！！

　ブタ達は１名を除きおおいに凹んだのだった……。



──そのころ

　丸太小屋付近の役場会議室では【３頭政治】が行われており、丸太小屋付近にできつつあった集落を【領都ニャッポ】と名付た。
　また、ボロンフ辺境伯爵との戦いで使われた北にある砦を【ヘーデルホッヘ要塞】、南の森を【アガートラムの森】と名付けることとなった。

　もちろん領主のブタの代わりに、木製ブタ人形が出席してはいたが……(´・ω・｀)



【システム通知】……【緊急】サーバーからログアウトされました。


　Σ(￣□￣|||)　今日の夜は拙者一人でお留守番なのになぜにでござる！？



　……しばしの暗転ののち、現実世界に戻ったが『真っ暗』だった。


「電気がきてないでござるうう！」



　……台風による一時的な停電だった。

「ろうそくはどこでござぅぅぅ？」





【こちらは防災〇△村です】……電力の安定供給のため、電気がしばらく使えない状況が続きます。


　Σ(￣□￣|||)　……電気は有難い。