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第四章 サディスト夫人の嗜虐
地下室の逢瀬(4)
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「尋問をしているはずなのに、この娘は鞭の痛みに悦んで腰を振って、お小水まで垂らすだなんて……。これでは、背後を吐かせる事は出来ないわね。打たれてよがる変態が、一時でも我が公爵家に雇われていたなんて…」
掃除用具を手にしたカースティ補佐官は、セレンティアの身体を手早く拭き取って床を正し、それから麻袋のような物を敷いて、いくつかのバケツを置いた。
「そうね、カースティ。処刑の時に不浄な物を見させられるより、先に始末をしておけば後処理が手早く済むわ」
レイン侍女長は細い管を取り出し、虚な瞳のままのセレンティアのヒップに香りの強い軟膏を塗りたくってから、秘部に管を刺し入れる。
「……な、何をなさるのです。そんな物を押し込んで、お腹が……。い、イヤ…。お腹が…」
細長い管には注射針のような物が取り付けられ、適度な温度を保たれた白い液体が、セレンティアの体内に流れ込む。二度、三度と液体は送り込まれ、レイン侍女長がお腹を目掛けて鞭を打ち付けると、セレンティアの秘部から用意されたバケツに不快な汚物が流れ落ちた。
「処刑の際に出されたら、見た目も美しくないし困るもの。キチンとした手順で、外に出して差し上げるわ」
「……、い、イヤ! こ、こんな格好。また、入って、お腹が、ひあぅ! お腹が、っうぐ…、ご、ご覧に、ならないで…」
すぐに二本目の注射針が用意され、先程より温かな液体がお腹に流れ込んできた。何度かそれらは繰り返され、濃い液体が身体を通り抜けるのを感じると、レイン侍女長は満足そうにセレンティアのヒップに香油を流し込み、それから秘芯の張り型とベルトを取り外して、避妊用の薬を丹念に塗り終えた。
「さあ、処刑を執り行いましょうか。淫らな間者は首に縄を掛けられて、儚い生涯を遂げるのよ。そして、動かなくなった遺骸は兵のための慰み物となって、我が公爵家の慰労に役立つ、便利なお人形となるのよ…」
手枷の前に首縄が天井から括られ、それはセレンティアの喉元に掛けられた。非常に柔らかく細い縄だったので、跡が残るような残忍な小道具ではなかったものの、疑似とはいえ処刑される事への恐怖は拭えない。
「私、セレンティア・リグレットは……。公爵家に害をなした間者として捉えられ、これから母なる始祖神の身元へと旅立ち、短い生涯を遂げますわ…」
「処刑されて終わるのは、貴方の意識だけよ…。その後は淫らな肉人形としての日々が、私たちが飽きるまで続いていくの」
縄の締め付けに首を圧迫され、手枷に繋がれた鎖が勢いよく下へと落とされていく。爪先立ちだった足は解放され、縄で括られた姿勢のままセレンティアは床に臥して処刑された。
「……素晴らしい演技を堪能しました。セレンティア様は、お身体の美しさだけではなく、人を惹きつけるお方ですわね」
「ギャラリーが我々だけでは、勿体ないくらいでした。お身体の治療を致しますので、どうぞ楽になさって下さい」
鞭で出来た傷に膏薬が塗られ、溢れ出た鮮血が拭き取られた。見た目より傷は浅く、あんなに鞭で打たれたというのに薄皮が剥がれた程度で済んでいた。
水を飲まされて服を正して貰い、化粧直しをすれば舞台は第二幕へと移り変わる。
まだ初日で、この後は二日目も続いていくと言うのに日は高く。休息が与えられるには、時間が早過ぎた。
「後の始末は、お任せしましたよ…」
カースティ補佐官の合図でやって来た衛兵たちが、狭い牢の前に集まった。レイン侍女長は牢内の机や敷物を片付けて牢の扉を閉める。
それから非情にも二人は階段を上がってセレンティアの前から去って行き、五人ほどの衛兵による品定めが始まる。
不思議と胸が高まり、酷くされる事に熱を持ってしまう自分が生まれてきた。市場に出された食材のように、奴隷として売られたオークション会場のように。
自分の自由を拘束されて、生き方や権利を奪われた最低な地位の婢女となったセレンティア侯爵令嬢は、無惨に処刑された遺骸としての役割を勤め上げるために、ただ気配を抑えて衛兵の動向を待ち侘びた。
掃除用具を手にしたカースティ補佐官は、セレンティアの身体を手早く拭き取って床を正し、それから麻袋のような物を敷いて、いくつかのバケツを置いた。
「そうね、カースティ。処刑の時に不浄な物を見させられるより、先に始末をしておけば後処理が手早く済むわ」
レイン侍女長は細い管を取り出し、虚な瞳のままのセレンティアのヒップに香りの強い軟膏を塗りたくってから、秘部に管を刺し入れる。
「……な、何をなさるのです。そんな物を押し込んで、お腹が……。い、イヤ…。お腹が…」
細長い管には注射針のような物が取り付けられ、適度な温度を保たれた白い液体が、セレンティアの体内に流れ込む。二度、三度と液体は送り込まれ、レイン侍女長がお腹を目掛けて鞭を打ち付けると、セレンティアの秘部から用意されたバケツに不快な汚物が流れ落ちた。
「処刑の際に出されたら、見た目も美しくないし困るもの。キチンとした手順で、外に出して差し上げるわ」
「……、い、イヤ! こ、こんな格好。また、入って、お腹が、ひあぅ! お腹が、っうぐ…、ご、ご覧に、ならないで…」
すぐに二本目の注射針が用意され、先程より温かな液体がお腹に流れ込んできた。何度かそれらは繰り返され、濃い液体が身体を通り抜けるのを感じると、レイン侍女長は満足そうにセレンティアのヒップに香油を流し込み、それから秘芯の張り型とベルトを取り外して、避妊用の薬を丹念に塗り終えた。
「さあ、処刑を執り行いましょうか。淫らな間者は首に縄を掛けられて、儚い生涯を遂げるのよ。そして、動かなくなった遺骸は兵のための慰み物となって、我が公爵家の慰労に役立つ、便利なお人形となるのよ…」
手枷の前に首縄が天井から括られ、それはセレンティアの喉元に掛けられた。非常に柔らかく細い縄だったので、跡が残るような残忍な小道具ではなかったものの、疑似とはいえ処刑される事への恐怖は拭えない。
「私、セレンティア・リグレットは……。公爵家に害をなした間者として捉えられ、これから母なる始祖神の身元へと旅立ち、短い生涯を遂げますわ…」
「処刑されて終わるのは、貴方の意識だけよ…。その後は淫らな肉人形としての日々が、私たちが飽きるまで続いていくの」
縄の締め付けに首を圧迫され、手枷に繋がれた鎖が勢いよく下へと落とされていく。爪先立ちだった足は解放され、縄で括られた姿勢のままセレンティアは床に臥して処刑された。
「……素晴らしい演技を堪能しました。セレンティア様は、お身体の美しさだけではなく、人を惹きつけるお方ですわね」
「ギャラリーが我々だけでは、勿体ないくらいでした。お身体の治療を致しますので、どうぞ楽になさって下さい」
鞭で出来た傷に膏薬が塗られ、溢れ出た鮮血が拭き取られた。見た目より傷は浅く、あんなに鞭で打たれたというのに薄皮が剥がれた程度で済んでいた。
水を飲まされて服を正して貰い、化粧直しをすれば舞台は第二幕へと移り変わる。
まだ初日で、この後は二日目も続いていくと言うのに日は高く。休息が与えられるには、時間が早過ぎた。
「後の始末は、お任せしましたよ…」
カースティ補佐官の合図でやって来た衛兵たちが、狭い牢の前に集まった。レイン侍女長は牢内の机や敷物を片付けて牢の扉を閉める。
それから非情にも二人は階段を上がってセレンティアの前から去って行き、五人ほどの衛兵による品定めが始まる。
不思議と胸が高まり、酷くされる事に熱を持ってしまう自分が生まれてきた。市場に出された食材のように、奴隷として売られたオークション会場のように。
自分の自由を拘束されて、生き方や権利を奪われた最低な地位の婢女となったセレンティア侯爵令嬢は、無惨に処刑された遺骸としての役割を勤め上げるために、ただ気配を抑えて衛兵の動向を待ち侘びた。
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