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第三章 侯爵令嬢としての心得
奴隷たちの花蜜(5)
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「——ぁ、あぁっ! 頭の奥が、痺れて、壊れてしまう……。あ、んっ…、さ、三人で、責められるなんて…」
デンドルムが秘芯の奥へと押し込んでいき、熱い体温がセレンティアの肌に伝わってきた。クラレッテとテトラの声が囀りのように響き渡り、二人がかりで、秘芯の一番敏感な部分を擦り始めた。
身体を跳ね上げるような快楽に酔いしれ、ふしだらな涎が口の端から漏れ出した。デンドルムの熱は広がりを続け、やがて熱い精が放たれると、極上の花束を差し出されたかのような香しい花の香りが広がった。
差し込まれた熱が止まる事はなく、セレンティアの背筋から四肢にかけて痙攣が起こる。
「デンドルムは、私たちの王ですから……。普段は手入れの小間使いに、気軽に精を放つ事はしないと言うのに…。セレンティア様は、花奴隷に愛されておいでだわ」
「私たちは全てが、どこか麻薬のようなもの。一度溺れたら元には戻れないというのに、こんなにも自我を保っておいでとは。意志が強く、性を強く求めても冷静になれる、素敵なお身体ね…」
触れられるだけで起こる快感が止まらず、乳房に指をあてがわれるだけで痙攣して身悶えするセレンティアの感触を、二人の花奴隷は楽しそうに観察し続けた。
「君が御子息の婚約者でなかったら、花奴隷の立場も投げ打って、亡命でもしてしまうかもしれないね。それくらい、魅惑的な女性だよ…。長い黒髪の一房でさえ、快楽に捩れて震えきっている」
デンドルムに優しく抱かれ、セレンティアはテオルースと交わした初夜の雫以来の悦びに、満ち溢れていた。彼女を誰も否定はせず、酷い責めを与える事もなく、貴族の令嬢として大切に労って貰えて、また、一人の女性としても愛してくれる。
このまま庭園で暮らし続けたら、あの孤独な部屋に住わなくてもいいのに…。頭の中からはすっかり未来の夫であるテオルースの姿はかき消え、三人の花奴隷に愛されている、淫らな自分の姿だけが支配する。
けれど、そんな幸せな時間が長続きする事などなく、責め立てられて気を失い、花奴隷の体液に塗れたセレンティアを夢から揺り起こしたのは、卑猥な笑みを浮かべたクロームファラの姿だった。
すぐに小間使いが現れ、ガラス扉は無常にも閉められる。中身のない軽いバスケットと、鉄棒を付けられて枷に嵌められる自分の姿を見つめて意識を失ったセレンティアが次に見たものは、洗われた身体の喉を貫く、衛兵の黒光りする醜い肉棒。
「……あ、っぐ、んぐっ! んっ、んっ!!」
喉の苦しさから胃液まで吐き出してしまい、せっかく満たされたはずのお腹は空虚となった。
鉄棒を床に固定され、倉庫で行われるお掃除は続いていき、今日はクロームファラとレミエールによる鞭まで加わった。
幸福だったはずの時間は一変して地獄へと移り変わり、涙を流すための水分でさえ与えられない。
花奴隷たちが褒め称えてくれた黒髪は、粗野な衛兵によって掴まれ、顔を揺れ動かすための道具として扱われる。
唇が麻痺して感覚を失い、自ら動く事さえ出来なくなってから、ようやくセレンティアの鉄棒は取り外された。
すっかり辺りは暗くなり、いつもの夕食の時間さえ過ぎていた。乾き切った喉は腫れており、咥内は中で傷を作る程。身体を再び洗浄され、呪文のような料理の説明を、空の皿を前に聞かされる夕食を味わいながら、セレンティアは食後の紅茶のお砂糖を、必死になって猫のように舐め続けた。
そうして就寝の時間となり、手枷によって自由を塞がれた寝姿は手慰めを封じる為の物だと知って、ようやく深い涙を溢れ落とす。
花奴隷との幸福な想い出に浸りながら、快楽を得ようとしてもその指先は秘芯に触れるのも許されず、満たされたはずのお腹は空虚なものになり、セレンティアは目を閉じて全てを忘れ、せめて夢の中だけでも優美な時間を過ごせる事を願いながら眠りに落ちた。
デンドルムが秘芯の奥へと押し込んでいき、熱い体温がセレンティアの肌に伝わってきた。クラレッテとテトラの声が囀りのように響き渡り、二人がかりで、秘芯の一番敏感な部分を擦り始めた。
身体を跳ね上げるような快楽に酔いしれ、ふしだらな涎が口の端から漏れ出した。デンドルムの熱は広がりを続け、やがて熱い精が放たれると、極上の花束を差し出されたかのような香しい花の香りが広がった。
差し込まれた熱が止まる事はなく、セレンティアの背筋から四肢にかけて痙攣が起こる。
「デンドルムは、私たちの王ですから……。普段は手入れの小間使いに、気軽に精を放つ事はしないと言うのに…。セレンティア様は、花奴隷に愛されておいでだわ」
「私たちは全てが、どこか麻薬のようなもの。一度溺れたら元には戻れないというのに、こんなにも自我を保っておいでとは。意志が強く、性を強く求めても冷静になれる、素敵なお身体ね…」
触れられるだけで起こる快感が止まらず、乳房に指をあてがわれるだけで痙攣して身悶えするセレンティアの感触を、二人の花奴隷は楽しそうに観察し続けた。
「君が御子息の婚約者でなかったら、花奴隷の立場も投げ打って、亡命でもしてしまうかもしれないね。それくらい、魅惑的な女性だよ…。長い黒髪の一房でさえ、快楽に捩れて震えきっている」
デンドルムに優しく抱かれ、セレンティアはテオルースと交わした初夜の雫以来の悦びに、満ち溢れていた。彼女を誰も否定はせず、酷い責めを与える事もなく、貴族の令嬢として大切に労って貰えて、また、一人の女性としても愛してくれる。
このまま庭園で暮らし続けたら、あの孤独な部屋に住わなくてもいいのに…。頭の中からはすっかり未来の夫であるテオルースの姿はかき消え、三人の花奴隷に愛されている、淫らな自分の姿だけが支配する。
けれど、そんな幸せな時間が長続きする事などなく、責め立てられて気を失い、花奴隷の体液に塗れたセレンティアを夢から揺り起こしたのは、卑猥な笑みを浮かべたクロームファラの姿だった。
すぐに小間使いが現れ、ガラス扉は無常にも閉められる。中身のない軽いバスケットと、鉄棒を付けられて枷に嵌められる自分の姿を見つめて意識を失ったセレンティアが次に見たものは、洗われた身体の喉を貫く、衛兵の黒光りする醜い肉棒。
「……あ、っぐ、んぐっ! んっ、んっ!!」
喉の苦しさから胃液まで吐き出してしまい、せっかく満たされたはずのお腹は空虚となった。
鉄棒を床に固定され、倉庫で行われるお掃除は続いていき、今日はクロームファラとレミエールによる鞭まで加わった。
幸福だったはずの時間は一変して地獄へと移り変わり、涙を流すための水分でさえ与えられない。
花奴隷たちが褒め称えてくれた黒髪は、粗野な衛兵によって掴まれ、顔を揺れ動かすための道具として扱われる。
唇が麻痺して感覚を失い、自ら動く事さえ出来なくなってから、ようやくセレンティアの鉄棒は取り外された。
すっかり辺りは暗くなり、いつもの夕食の時間さえ過ぎていた。乾き切った喉は腫れており、咥内は中で傷を作る程。身体を再び洗浄され、呪文のような料理の説明を、空の皿を前に聞かされる夕食を味わいながら、セレンティアは食後の紅茶のお砂糖を、必死になって猫のように舐め続けた。
そうして就寝の時間となり、手枷によって自由を塞がれた寝姿は手慰めを封じる為の物だと知って、ようやく深い涙を溢れ落とす。
花奴隷との幸福な想い出に浸りながら、快楽を得ようとしてもその指先は秘芯に触れるのも許されず、満たされたはずのお腹は空虚なものになり、セレンティアは目を閉じて全てを忘れ、せめて夢の中だけでも優美な時間を過ごせる事を願いながら眠りに落ちた。
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