転生者の子の英雄記

滝崎空雅

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アルミス編

第29話 ご褒美?2

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 アストは動けずにいた
朝ご飯を食べたあとも両腕にくっついてくるアイカとテラによって
嫌でもないのだがなかなか離してくれず職員室へ行こうと廊下を歩いているときは血の涙を流しているものや嫉妬と黄色い声が至るところから聞こえてくる
この光景に苦笑するしか無かった
職員室につきアストは口を開いた

「職員室ついたから離れてもらってもいいかな?」
「今日一日離さないつもりだったんだけど」
「今だけね。わかった?」
「………」

まだするのかと戦慄した
「「返事は?」」
「はい」

肩を落としながら職員室へ入った

~~~~~~~~~~~

職員室で鍵をもらってから出るとすぐに捕まった
「…遅い」
「なんで遅かったの?」
「部屋の場所と鍵をもらったり、あと抗議したりしてたからだ」
「なんの抗議?」
「気にすんな」

二人に正直に話したら何されるか予想していたので誤魔化すことにした

「まあいいか。早く引っ越しするよ」

アストはまたくっつかれながら荷物を取りに部屋へもどった
先ほどと同じような光景が見えたのは幻と言う事にしながら

「戻ってきたはいいけど荷物どうやって持っていくんだ?」
アストの部屋には料理器具、服、ベッド、鍛錬用武器と飾っているものがほとんどないシンプルな作りになっているが結構な量のものがある
テラが待ってましたと言わんばかりに指輪のようなものを出した

「使い捨てなのだけど一度に大量にものを運ぶことができるものよ」
「それって希少な魔道具じゃなかったっけ?」
「ええ。お父さんがくれたのよ」
「いいのかよそれ使って」
「いいのよ。好きなときに使えって言ってたしこの持空の指輪をね」
「それに新しい部屋では精霊出してもいいみたいだよ」

この学校の寮では精霊を出してはいけないというルールがある
始まったばかりの頃に精霊が暴走して部屋が壊れてしまったという事件があった
その時から寮の中では出してはいけないとなっていた
精霊を出していいということは何か対策がされている部屋だということだ

「わかったから早く持っていこう」
「じゃあこの指輪をつけながら持っていくものに触れてね」

そう言われて30分で荷物を指輪の中に入れた

「二人の荷物はどうするんだ?」
「もう運んだわ」
いつの間に運んだのか考えながら新しい部屋に向かって行った
当然二人が両腕にくっついているので周りの反応に苦笑しながらだった

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