無能と言われた怪異使いの僕は最強へと成り上がる

決着の時

「死ねぇ！！」

ジョセフは手に持った剣をメリーに対して振るう。

メリーはその剣を右手の指で挟んで止めた。

「はぁ！？」

左手を握り締め、ジョセフの右頬をぶん殴る。

「グボォ！！」

ジョセフは凄い勢いで吹き飛んだが直ぐに体勢を立て直してメリーに対して肉薄する。

しかしどんなに剣を振るおうと、メリーには当たらない。

避けている訳ではない。

当たらないのだ、何か絶対的な力が働いているかのように、メリーに剣が当たらないのだ。

それなのにメリーの攻撃はことごとく当たっていく。

ジョセフは回避している。

にも関わらず当たるのだ。

「クソがぁー！！」

ジョセフはもう既に満身創痍である。

「肉弾戦がダメならぁ！！」

ジョセフは極大サイズの火の玉をメリーに向かって投げた。

火の玉って言うより太陽みたいだ。

しかしメリーは冷静に同じ規模の水の玉を生成し太陽のような火の玉にぶつけた。

火の玉と水の玉は互いにぶつかり消えていった。

「何故だぁー！！」

その後も様々な魔法をメリーに向けるが、そのどれもことごとく相殺されてしまう。

メリーは無傷なのに対してジョセフはどんどんボロボロになっていく。

メリーが肉薄しその首に手刀を振るう。

「ガァッ！！」

ジョセフは首を落とされてもなお喚き続ける。

「私が負けるなど！ありえない！！ありえない！！何故だーー！！」

ジョセフは絶命した。

メリーが展開した«幻想結界»も解除される。

「そうだ！！アリアは！？」

メリーが倒れているアリアに歩み寄る。

「･･････ゥン･･････！」

い、生きてた･･････！！

血まみれのアリアを治療院に運びお母さんを呼び、医師の話をきいたかぎりだと、

しばらく動けないが、リハビリを続ければ元気に動き回れるようになるそうだ。

お母さんはとても安心したような表情だった。

アリアちゃんに何故外に出たのか聞いてみたが、何も覚えてないそうだ。

僕達もおどろ木の宿に戻り次の日の昼過ぎまで爆睡するのだった。