SNSが繋ぐ､女と男【ノンフィクション】

【第一章】妹と男

第1話 妹

私わたしには一ひとつ年下とししたの妹いもうとがいた。
妹いもうとはある日ひ、とある配信はいしんアプリを始はじめた。妹いもうとからそのアプリの話はなしを何度なんども聞きかされていた私わたしは、
当時とうじアメリカでの留学中りゅうがくちゅうであった。妹いもうとの病やまいを治なおすため、私わたしは医者いしゃになることを決意けついし、
アメリカに留学りゅうがくした。

長ながい期間きかんをアメリカで過すごした私わたしは、妹いもうとに会あいたくてたまらなかった。やっとのことで日本にほんに帰国きこくし、妹いもうととの再会さいかいを心待こころまちにしていた。

しかし、現実げんじつはとても残酷ざんこくだった。




妹いもうとはその配信はいしんアプリで、自分じぶんよりも14歳さい年上としうえの男性だんせいから恋人関係こいびとかんけいを迫せまられた。
当時とうじ妹いもうとは14歳さいであり、その男性だんせいは28歳さいだった。妹いもうとはその男おとこの告白こくはくを拒否きょひした。
その後のち、妹いもうとは絶たえることなく男性だんせいから嫌いやがらせを受うけ続つづけていた。

妹いもうとは嫌いやがらせに苦くるしめられ、絶たえ間まないストレスによって鬱病うつびょうに陥おちいり、男性恐怖症だんせいきょうふしょうを発症はっしょうした。

しかし、妹いもうとが男おとこからの告白こくはくを拒絶きょぜつした事ことが相当そうとう不愉快ふゆかいだったのか、
男おとこは妹いもうとに対たいする嫌いやがらせをやめることはなかった。
その行為こういは、彼女かのじょにとって非常ひじょうに精神的せいしんてきな苦痛くつうをもたらすものであり、
やがて彼女かのじょはその苦痛くつうに耐たえられなくなってしまった。


彼女かのじょは男おとこからの執拗しつような嫌いやがらせに耐たえられず、理性りせいを失うしない、橋はしから飛とび降おりた。
私わたしが日本にほんへと帰国きこくした頃ころには妹いもうとは病院びょういんのベッドで、まるで人形にんぎょうのように眠ねむっていた。