3 / 3
第3話「神様、仕事をこなす」
しおりを挟む
「はぁ...」
と、言いつつ今日の神は結構真面目なようです。
朝から昼にかけて転生待機者リストに一通り目を通し候補者を選ぶ作業を行い、小鬼に作ってもらったカツ丼(並盛り)を食べ、今は死者の振分を行なっていた。
振分といっても、生前何をしたかによって地獄に行くか、天国に行くかを決めるだけなのだが.....
「いや、多いわ!!」
と思わず声を上げてしまった神様。
「きゅうけーー!うん、さすがにね、おおいよ。
30分後に再開しまーす」
と言うなり自室に移動し、ゴロンと寝転がる。
審判待ちの死者たちの前にはディズニーランドよろしく「30分待ち」の看板が小鬼によって掲げられた。
仕事をすると言ってもやることが単調すぎて、たまに他のことをしないと頭がおかしくなりそうであった。
「なにか願い事でも叶えようかな」
と、携帯を取り出し、「願い事リスト」というアイコンをタップする。
少しのラグの後、ずらっと表示される人間の願い事
「志望校に受かりますように!」
「イケメンになりたい」
「健康祈願」
「彼女が欲しい」
う、うーん.....
と、唸る神様。
志望校に受かりたいのになぜ神頼み?
イケメンになりたいなら転生pt(人生を繰り返すたびにたまるポイント。次の人生における様々なステータスを決めることができるが基本高いので「平凡」を選ぶ人が多い)ためなさい!
健康は自分で管理するものです甘えない!
神様にも彼女いないのにお前に彼女ができてたまるかっ!
と、一つ一つにツッコミをいれていく。これだけで気分転換できた。ついでに一つ願いを叶えよう。
と、下界の人間を見下ろしてみる。
(あーあ、明日晴れないかなぁ....)
「うん、これぐらいなら...」
と、明日の天気を雲ひとつない快晴にするよう、知り合いの風神雷神に電話をした。
「もしもし?神神、うん、うん、まじ?へー......かくかくしかじか.....はいはい、あいーよろしく」
これでこの人間は明日1日幸せだろうな、とか考えつつ枕に顔を埋め、目を閉じ夢の中に........とはいかなかった。
「神様、もう30分たちますよ」
「はいはい、もうあと5分....」
「寝起き悪い人じゃないんだから、ほら早く」
数匹の小鬼に引っ張られ、うつらうつらしながら振分に戻る。
この5分はでかいぞ?などと考えながら尾が見えない長蛇の列に向かい合う神様であった
と、言いつつ今日の神は結構真面目なようです。
朝から昼にかけて転生待機者リストに一通り目を通し候補者を選ぶ作業を行い、小鬼に作ってもらったカツ丼(並盛り)を食べ、今は死者の振分を行なっていた。
振分といっても、生前何をしたかによって地獄に行くか、天国に行くかを決めるだけなのだが.....
「いや、多いわ!!」
と思わず声を上げてしまった神様。
「きゅうけーー!うん、さすがにね、おおいよ。
30分後に再開しまーす」
と言うなり自室に移動し、ゴロンと寝転がる。
審判待ちの死者たちの前にはディズニーランドよろしく「30分待ち」の看板が小鬼によって掲げられた。
仕事をすると言ってもやることが単調すぎて、たまに他のことをしないと頭がおかしくなりそうであった。
「なにか願い事でも叶えようかな」
と、携帯を取り出し、「願い事リスト」というアイコンをタップする。
少しのラグの後、ずらっと表示される人間の願い事
「志望校に受かりますように!」
「イケメンになりたい」
「健康祈願」
「彼女が欲しい」
う、うーん.....
と、唸る神様。
志望校に受かりたいのになぜ神頼み?
イケメンになりたいなら転生pt(人生を繰り返すたびにたまるポイント。次の人生における様々なステータスを決めることができるが基本高いので「平凡」を選ぶ人が多い)ためなさい!
健康は自分で管理するものです甘えない!
神様にも彼女いないのにお前に彼女ができてたまるかっ!
と、一つ一つにツッコミをいれていく。これだけで気分転換できた。ついでに一つ願いを叶えよう。
と、下界の人間を見下ろしてみる。
(あーあ、明日晴れないかなぁ....)
「うん、これぐらいなら...」
と、明日の天気を雲ひとつない快晴にするよう、知り合いの風神雷神に電話をした。
「もしもし?神神、うん、うん、まじ?へー......かくかくしかじか.....はいはい、あいーよろしく」
これでこの人間は明日1日幸せだろうな、とか考えつつ枕に顔を埋め、目を閉じ夢の中に........とはいかなかった。
「神様、もう30分たちますよ」
「はいはい、もうあと5分....」
「寝起き悪い人じゃないんだから、ほら早く」
数匹の小鬼に引っ張られ、うつらうつらしながら振分に戻る。
この5分はでかいぞ?などと考えながら尾が見えない長蛇の列に向かい合う神様であった
0
お気に入りに追加
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
【R15】母と俺 介護未満
あおみなみ
現代文学
主人公の「俺」はフリーライターである。
大好きだった父親を中学生のときに失い、公務員として働き、女手一つで育ててくれた母に感謝する気持ちは、もちろんないわけではないが、良好な関係であると言い切るのは難しい、そんな間柄である。
3人兄弟の中間子。昔から母親やほかの兄弟にも軽んじられ、自己肯定感が低くなってしまった「俺」は、多少のことは右から左に受け流し、何とかやるべきことをやっていたが…。
薄鳴館
春野 あかね
現代文学
路地裏に、今は使われていない薄鳴館という館がある。
その館の窓から漏れる光を見た者は死期が近いと言われ、またその館の支配人の話を聞いた者は死へと誘われると言い伝えられ、その館に近づく者はいなかったーー。
え、今日からここがわたしのバイト先なんですけど……!
薄鳴館に訪れる人々の物語を描いた短編と、支配人、カオルとひとりぼっちの娘、綾が繰り広げる不思議な物語。
短編で読み切れますが、一応物語は繋がっています。
ご感想お待ちしております。
この作品は、小説家になろうというサイトにて掲載されています。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる