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後日、俺は一冊の無地ノートを持って病室に来た。中身は漫画。時乃の入院期間、寝ずに描いた作品だ。
「俺、時乃が好きじゃない漫画描くことにした」
「なにそれ」
「読めばわかる」
そう急かすと、時乃は表紙をめくる。
無言の時間が続いた。短編とは言え、自分の全部を詰め込んだ作品だ。すぐ読み終わられては困る。
しばらくして、最後のページが閉じられた。
「……どうだった?」
そう聞くと、時乃はすがすがしいような表情で笑った。
「やっぱりお前の漫画は嫌い。多分一生嫌いだと思う」
「うん、それでいいよ」
時乃はもう漫画も絵も描けない。だから、俺が描くのを辞めたら今までの全てが崩れてしまうような気がした。約束も、記憶も、人生も全部。
だから描くことにした。
時乃が認めてくれた、時乃があの時見つけてくれた『俺』を消したくないから。
「俺さ、お前が嫌ってる才能フルに使うことにしたから」
「うん」
「多分これは嫌がらせになるんだろうけど、俺は時乃が見つけてくれた『俺』を捨てたくない」
それがきっと、あの時「描き続けろ」と言った時乃の真意だと思うのだ。
「ごめん、それしか出来なくて」
時乃はふるふると首を振る。
「ようやく安心できた。アレでなにも描けなくなったらオレが困る」
そうして彼は笑うのだ。別人のはずなのに、まるで約束した日と同じ笑顔で。
「ずっと嫌いでいさせてくれよ? つまんねー漫画描いたらはったおすから」
「うん」
また、目標ができた。
時乃が世界一嫌いな漫画を描き続ける事。
それが、俺の新しい夢だ。
「あと三十分で仕上げとか無理だろ!? 終わんねえ~~! 助けてときのん!」
「自業自得だろ。自分で何とかしろ」
「わかった! 携帯の電源と電話線だけ抜いといて!」
「編集の催促から逃げるな」
あれから五年。俺は無事に大学を卒業し、時乃は油絵が描けなくなったことで、他の、片手で完結できるPCを使うデザイン系に転科し、一足遅れて卒業することが出来た。
俺達は今も変わらず同棲している。俺は同人上がりの漫画家、時乃は在宅のデザイナーとして生計を立てている状態だ。時乃の腕は長年のリハビリの結果、指はほとんど動かないが、腕が上がるくらいにはよくなった。
やっぱり絵を描くことは好きらしく、たまにデジタルで動く方の腕を使って絵を描いているようだ。たまに原稿も手伝ってもらっている。利き手じゃなくてもそこそこな絵が描けるのだから、器用さというものはどんな時でも役立つらしい。
「……終わった……」
「お疲れ」
ぴったり三十分後、なんとか今月締めの原稿を片付けると、時乃がカフェオレを持ってきてくれる。暖かいそれが胃に染みた。
「マジで次は余裕入稿しろよ」
「前慮しま~す。さて、引っ越しの準備もしなきゃな」
二人とも在宅の仕事という事もあり、五年間住んだこの部屋も手狭になってきた。そこで時乃から引っ越しを提案された。お爺さんの管理しているファミリー向けマンションの一室が開いたからそこに住もうという事らしい。その時初めて例のお爺さんの主な収入源が不動産だとわかった。どうりでお金に困ってなかったわけだ。二人とも仕事が軌道に乗ってそこそこの収入があったので、そこに住み替えるのに特に問題も無かった。
「オレはもうほとんど終わってるから、あとお前の準備だけだからな」
「まあ時乃が手伝ってくれることも踏まえても二日あれば終わるでしょ」
「オレを当てにするな」
「いてっ」
頭を容赦なくひっぱたかれる。地味に痛い。
「なあ時乃」
「なんだよ」
俺は作業用椅子をくるりと回して、時乃の方を向く。
「今はお爺さんのご厚意に甘えるけどさ、しばらくしたら俺、家買うから」
「賃貸でいいだろ。税金とかかかるし」
「夢がないな~。時乃とずっと一緒にいるための、終の棲家を持っておきたいって話だよ」
そう言うと、照れているのだろう。時乃はそっぽを向いて言う。
「人生設計に組み込んでるのかよ。よっぽどオレを幸せにする自信があるらしいな?」
「当たり前じゃん。だって時乃、俺の事大好きだろ? 別れるという選択肢が無い」
冗談っぽく言うと、時乃は少し顔を赤らめて、呆れたように答える。
「そうだな。否定はしないよ」
「ふふ、時乃ってば俺に愛されて幸せ者?」
「そうだな。お前健康体で先に死ななそうだし」
「勿論! だって、俺は時乃を老衰までちゃんと看取って愛してやるつもりなんだからな! 俺の一途さを舐めるな!」
「はいはい」
ザーっとフローリングを椅子で移動しながら時乃に近づくと、時乃は付き合ってられないと部屋から出ようとする。
頑張って脱稿したんだからもう少し構えや、とむくれていると、部屋を出る間際、時乃が振り返って笑った。
「心配しなくても、今のオレはちゃんと笑えてるよ」
その困ったような笑顔は、作ったようなものでは無く自然なもので、やっぱりここに残って良かったと心から思えた。
恋人になっても、いや、なってからの方が喧嘩もするし、未来も知ってるものとは大きく変わった。でも、あの時の選択を後悔したことはない。
失ったものは大きかったけれど、彼の笑顔を守れたなら、俺はそれで充分だ。
未来は、油絵と同じ。何度だって塗りつぶして書き直せる。俺が時乃を失った時の様にカンバス自体を変えることも出来るが、俺はこの先もその選択をしないだろう。俺はこの先も、この世界のカンバスに色を乗せ続ける。
あの日、時乃のお爺さんから渡されたものを含めた二つの銀時計は、鍵のかかった引き出しに入れて、鍵は捨てた。
辛くても、上手くいかなくても。様々な想いの色が重なったこの世界で生きることを決めた俺達には、もう必要のないものだから。
キッチンから食欲をそそられる匂いがする。また一日が、俺達の時計の針が、進んでいく。
「時乃! 今日のご飯はー?」
部屋から出ると、キッチンから振り向いた時乃が子供を見るように微笑む。
そんな些細なことだけれど、笑顔で朝を迎える時乃を見て、俺は毎日思うのだ。
自分を幸せにする方法なんてわからなかったけれど、そんなの簡単だった、と。
好きな人が自分の隣で、自分の為に笑ってくれる、本当はそれだけでよかったんだ。
明日も一年後も十年後も。俺は時乃と季節を巡るだろう。そう思うと、やっぱりあの時飛ばなくてよかったって、俺は心から思えるんだ。
恋も愛も、幸せになる方法すらわからなかった昔の自分へ。もうすぐ夏が来るよ。あの時の雨も涙も全部終わりにするような、新しい季節が来る。季節が巡って全部終わったらきっと、綺麗な絵が出来上がるだろう。
いつかあの世でそれを見る時、隣に時乃が居ればいい。それで俺は、全部満足だ。
「はじめー! 手ぇ離せないからちょっと来い! 双子の卵が出てきた! 写真!」
「マジ!? すぐ行く!」
カーテンを吊るした窓から光が差して、今日も来るべき別れの日へ向かって時計の針が終わりへ向かう。でも、それは悲しい事じゃない。それまで積み重ねればいいのだ。愛も、思い出も、全部。それで最期、笑って死ねればいい。誰に何を言われても、俺はそう思う。それを考え直すことも無いだろう。
「俺との人生どうだった? ちゃんと幸せだった?」そう、天国で笑って俺を待っている彼に会うまで。きっと。
「俺、時乃が好きじゃない漫画描くことにした」
「なにそれ」
「読めばわかる」
そう急かすと、時乃は表紙をめくる。
無言の時間が続いた。短編とは言え、自分の全部を詰め込んだ作品だ。すぐ読み終わられては困る。
しばらくして、最後のページが閉じられた。
「……どうだった?」
そう聞くと、時乃はすがすがしいような表情で笑った。
「やっぱりお前の漫画は嫌い。多分一生嫌いだと思う」
「うん、それでいいよ」
時乃はもう漫画も絵も描けない。だから、俺が描くのを辞めたら今までの全てが崩れてしまうような気がした。約束も、記憶も、人生も全部。
だから描くことにした。
時乃が認めてくれた、時乃があの時見つけてくれた『俺』を消したくないから。
「俺さ、お前が嫌ってる才能フルに使うことにしたから」
「うん」
「多分これは嫌がらせになるんだろうけど、俺は時乃が見つけてくれた『俺』を捨てたくない」
それがきっと、あの時「描き続けろ」と言った時乃の真意だと思うのだ。
「ごめん、それしか出来なくて」
時乃はふるふると首を振る。
「ようやく安心できた。アレでなにも描けなくなったらオレが困る」
そうして彼は笑うのだ。別人のはずなのに、まるで約束した日と同じ笑顔で。
「ずっと嫌いでいさせてくれよ? つまんねー漫画描いたらはったおすから」
「うん」
また、目標ができた。
時乃が世界一嫌いな漫画を描き続ける事。
それが、俺の新しい夢だ。
「あと三十分で仕上げとか無理だろ!? 終わんねえ~~! 助けてときのん!」
「自業自得だろ。自分で何とかしろ」
「わかった! 携帯の電源と電話線だけ抜いといて!」
「編集の催促から逃げるな」
あれから五年。俺は無事に大学を卒業し、時乃は油絵が描けなくなったことで、他の、片手で完結できるPCを使うデザイン系に転科し、一足遅れて卒業することが出来た。
俺達は今も変わらず同棲している。俺は同人上がりの漫画家、時乃は在宅のデザイナーとして生計を立てている状態だ。時乃の腕は長年のリハビリの結果、指はほとんど動かないが、腕が上がるくらいにはよくなった。
やっぱり絵を描くことは好きらしく、たまにデジタルで動く方の腕を使って絵を描いているようだ。たまに原稿も手伝ってもらっている。利き手じゃなくてもそこそこな絵が描けるのだから、器用さというものはどんな時でも役立つらしい。
「……終わった……」
「お疲れ」
ぴったり三十分後、なんとか今月締めの原稿を片付けると、時乃がカフェオレを持ってきてくれる。暖かいそれが胃に染みた。
「マジで次は余裕入稿しろよ」
「前慮しま~す。さて、引っ越しの準備もしなきゃな」
二人とも在宅の仕事という事もあり、五年間住んだこの部屋も手狭になってきた。そこで時乃から引っ越しを提案された。お爺さんの管理しているファミリー向けマンションの一室が開いたからそこに住もうという事らしい。その時初めて例のお爺さんの主な収入源が不動産だとわかった。どうりでお金に困ってなかったわけだ。二人とも仕事が軌道に乗ってそこそこの収入があったので、そこに住み替えるのに特に問題も無かった。
「オレはもうほとんど終わってるから、あとお前の準備だけだからな」
「まあ時乃が手伝ってくれることも踏まえても二日あれば終わるでしょ」
「オレを当てにするな」
「いてっ」
頭を容赦なくひっぱたかれる。地味に痛い。
「なあ時乃」
「なんだよ」
俺は作業用椅子をくるりと回して、時乃の方を向く。
「今はお爺さんのご厚意に甘えるけどさ、しばらくしたら俺、家買うから」
「賃貸でいいだろ。税金とかかかるし」
「夢がないな~。時乃とずっと一緒にいるための、終の棲家を持っておきたいって話だよ」
そう言うと、照れているのだろう。時乃はそっぽを向いて言う。
「人生設計に組み込んでるのかよ。よっぽどオレを幸せにする自信があるらしいな?」
「当たり前じゃん。だって時乃、俺の事大好きだろ? 別れるという選択肢が無い」
冗談っぽく言うと、時乃は少し顔を赤らめて、呆れたように答える。
「そうだな。否定はしないよ」
「ふふ、時乃ってば俺に愛されて幸せ者?」
「そうだな。お前健康体で先に死ななそうだし」
「勿論! だって、俺は時乃を老衰までちゃんと看取って愛してやるつもりなんだからな! 俺の一途さを舐めるな!」
「はいはい」
ザーっとフローリングを椅子で移動しながら時乃に近づくと、時乃は付き合ってられないと部屋から出ようとする。
頑張って脱稿したんだからもう少し構えや、とむくれていると、部屋を出る間際、時乃が振り返って笑った。
「心配しなくても、今のオレはちゃんと笑えてるよ」
その困ったような笑顔は、作ったようなものでは無く自然なもので、やっぱりここに残って良かったと心から思えた。
恋人になっても、いや、なってからの方が喧嘩もするし、未来も知ってるものとは大きく変わった。でも、あの時の選択を後悔したことはない。
失ったものは大きかったけれど、彼の笑顔を守れたなら、俺はそれで充分だ。
未来は、油絵と同じ。何度だって塗りつぶして書き直せる。俺が時乃を失った時の様にカンバス自体を変えることも出来るが、俺はこの先もその選択をしないだろう。俺はこの先も、この世界のカンバスに色を乗せ続ける。
あの日、時乃のお爺さんから渡されたものを含めた二つの銀時計は、鍵のかかった引き出しに入れて、鍵は捨てた。
辛くても、上手くいかなくても。様々な想いの色が重なったこの世界で生きることを決めた俺達には、もう必要のないものだから。
キッチンから食欲をそそられる匂いがする。また一日が、俺達の時計の針が、進んでいく。
「時乃! 今日のご飯はー?」
部屋から出ると、キッチンから振り向いた時乃が子供を見るように微笑む。
そんな些細なことだけれど、笑顔で朝を迎える時乃を見て、俺は毎日思うのだ。
自分を幸せにする方法なんてわからなかったけれど、そんなの簡単だった、と。
好きな人が自分の隣で、自分の為に笑ってくれる、本当はそれだけでよかったんだ。
明日も一年後も十年後も。俺は時乃と季節を巡るだろう。そう思うと、やっぱりあの時飛ばなくてよかったって、俺は心から思えるんだ。
恋も愛も、幸せになる方法すらわからなかった昔の自分へ。もうすぐ夏が来るよ。あの時の雨も涙も全部終わりにするような、新しい季節が来る。季節が巡って全部終わったらきっと、綺麗な絵が出来上がるだろう。
いつかあの世でそれを見る時、隣に時乃が居ればいい。それで俺は、全部満足だ。
「はじめー! 手ぇ離せないからちょっと来い! 双子の卵が出てきた! 写真!」
「マジ!? すぐ行く!」
カーテンを吊るした窓から光が差して、今日も来るべき別れの日へ向かって時計の針が終わりへ向かう。でも、それは悲しい事じゃない。それまで積み重ねればいいのだ。愛も、思い出も、全部。それで最期、笑って死ねればいい。誰に何を言われても、俺はそう思う。それを考え直すことも無いだろう。
「俺との人生どうだった? ちゃんと幸せだった?」そう、天国で笑って俺を待っている彼に会うまで。きっと。
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