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6話

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「……春名さんに告白された」
「おお!」
 あの飲み会からしばらくの事。そんな報告をされたのは、いつも通りに夕食を食べている最中の事だった。
「結構早かったな! それで? 勿論付き合うんだよな?」
「あー……まだ保留中」
「付き合うんだな!?」
「話聞けよ」
 俺は自分の事のように喜んだ。未来は確実に変わった。これで上手くいけば自殺ルートは回避できる! あとの問題は、時乃の強迫観念めいた俺への執着をどうやって春ちゃんに移すかだ。
「じゃあ同棲ももうすぐだな!」
「いや、お前は恋愛に夢持ちすぎてるようだけど、そんなさっさと同棲しねえから」
「そうなの? でもいつかはするだろ?」
 知り合いたちの中には付き合ってすぐ同棲する者も少なくはない。それに時乃は俺を了承もなく無理矢理実家から連れ出した前科がある。だから、春ちゃんも同じパターンが適応されると思ったのだが、やはりまだ気に入るまでにはいかないんだろうか。
「……どうだろうな」
 時乃はそう言って言葉を濁した。
「ま、俺が邪魔になったらいつでも言えよ? 俺は時乃の為ならなんだってしようって思ってんだからな!」
「なんでも、ね」
 「そうだぞ!」と胸を張って言うと時乃は表情のない声で小さく溢した。
「じゃあ。オレと一日デートしろよ」
 その提案の意味がかみ砕けずに俺は一瞬固まってしまった。フリーズの後、ハッとして動き出す。デートだとか言うから動揺してしまったが、普通に遊ぶのも茶化して言えばデートって言うよな。時乃以外に上手く関わっている同年代なんていないからわからないが。
「買い物ならいつも一緒に行ってんじゃん」
「買い物じゃなくてデート。予行練習に付き合ってほしい。ほら、本番でポカしたらまずいだろ?」
 予想はあっけなく外れた。恐らく、このデートは春ちゃんの為ではなく、完全に恋愛対象の男とデート気分を味わいたいからだろう。俺自身としては、変に気を持たせないように断った方が良いのは理解している。だが、セーブ&ロードが出来ない身として言わせてもらえば、断った時の方が怖いのだ。時乃の自殺トリガーは『俺に必要とされなくなること』なのだから、段々と俺がフェードアウトしていき、春ちゃんに好意の向きを変えさせるのが最終目的になる。
 が、その前に死なれる可能性も十分ある。なんせこの『新しい未来』では時乃がどう動くかわからない。前の世界線ではルームシェア解消しても四年は持ったが、今回はルートを変えすぎた。未知数だ。
 だからここは一旦了承する。
「えー、ときのんプロデュースのデートが体験できるなんて童貞には参考書みたいなもんじゃん」
 正直、今まで恋愛が解らなかったので、今後の漫画の参考として一度くらい、仮にでもいいから恋人気分を味わってみたかったというのもある。あと、それにプラスして友達ではない「男」の彼の姿を見てみたいと言う下心もあった。
 時乃を殺した俺にその権利なんてあってはならないのだけど。
「じゃあ明日な」
「へ?」
「明日池袋の東口で。オレは先に行ってるから十時に来て」
「一緒に行った方が楽しくない?」
「待ち合わせからがデートなんだよ」
 そんなものなのか。童貞にはデートが分からない。
「ごっそーさん。オレ今日早めに寝るから洗い物水に漬けといて。明日洗う」
「う、うん。了解」
 さっさとリビングから洗面所に行き、歯磨きを済ませ自室に向かった時乃を白米を口に運びながら横目で見た。時乃が考えていることが分からない。確かな事は『時乃は俺の事が好き』という事実だけだ。
 ところで時乃は、こんな俺のどんなとこが好きなんだろう?  
 疑問を浮かべながら俺は皿を片付けた。


「……十五分前なんだけど、お前にしては随分お早い登場だな」
 東口に置かれているオブジェの前で俺を待っていた男は、それはそれは、まるでファッション誌でも見ているのかと思うほど絵になっていた。そういえばコイツ顔が良かったんだった、と改めて考えさせられる。
「……なに、どっか変?」
 じろじろ見ている俺に時乃は怪訝な顔をした。恰好よくて見惚れていた俺はハッとする。
「いや、黙ってればイケメンだし難が無いのになーって思っただけ」
「黙ってればなのか」
「黙ってればだよ。口悪いし恋愛面は全部彼女任せだろ」
「あー……否定はしない。それにしてもお前が遅刻しないなんて珍しいな」
「なんか俺も思ったより楽しみにしてたっぽいわ。てか時乃俺より先に家出てたじゃん。何してたの?」
「ほら」
 時乃が渡してきたのは手提げ付きの紙袋。中身は書籍類だった。カラーデザインの本だ。大学でも授業で習っているが、本当にセンスが無いのでプラスで参考書の一つでも欲しかったのだが、美術系の本は高くて悩んでいたのだ。
「邪魔になるから別れ際までロッカー入れとこうと思ってたけど。お前来るの早いんだよ」
「えっ、すき……。実用書が一番助かる……」
「それはよかった。じゃあこれ置いたら行くぞ」
 荷物はコインロッカーに入れて、何でもない話をしながら目的地まで歩く。時乃曰く、今日の目的地は水族館らしい。
 あらかじめ買ってくれていたらしい電子チケットで入場し、暗い細道を二人で歩く。休日の昼間という事もあり、そこそこな混み具合だ。
「やっぱ水族館と言えばくらげだよな~」
 水槽のライトアップのが色使いの参考になるなあと、そんなことを考えながら後ろを振り向くと、時乃は俺の方を見て子供を見守る親のような表情をしていた。
「……なに」
「いや、子供みてーだと思って」
「なんだよ、くらげ凄いだろ。脳が無いのに生きてるんだぞ」
「お前と同じだな」
「脳くらいはあるわ」
 小声で話しながらライトアップされた水槽を眺める。完全に職業病だが、こういう光の色使いや動物を如何に良く見せるか、工夫が凝らされた展示品を見ていると創作意欲が湧いてくる。俺は無音カメラで水槽を撮影しながら時乃に呼び掛けた。
「そう言えば普通にプラン任せちゃったけど、時乃は水族館好きなの?」
「お前が初デートは水族館が良いって言ったんだろ。だから用意しただけ」
「それ言ったの五、六年前」
「……そうだったか?」
「そうだよ」
 それは昔、時乃の部屋でお洒落の研究をしている時、目に入った雑誌の記事で『初デートの場所は?』なんて項目があって。それを読んだ俺が「彼女との初デートは水族館が良い」と適当に溢した話。その記憶力と思いやりは俺じゃなくて女の子に発揮してほしい。
 ……覚えてくれてたのが、少し嬉しかったのは別として。
「外の展示場の方が多分創作意欲湧くんじゃないか? 飛ぶぞ。海の生き物が」
「飛ぶのか」
「お前は気に入ると思うよ」
 時乃は誰かと行ったことがあるのだろうか。そういう言い方だったな、今の。胸がなんだかもやもやする。珍しい事なんかじゃないのに。思えば時乃から女の話をされるときはいつもこうだ。言語化できない感情に襲われる。
嫉妬なんてできる立場じゃないのに。
「ほら、暗いからはぐれる」
 そうして、いつかの時の様に、時乃は俺に手を伸ばす。
「はぐれねーわ。俺の事幾つだと思ってんだよ」
「幼児。ほら、混んできたし行くぞ」
「わわっ」
 無理矢理腕を引かれて人込みを避けながら二人で歩く。
 良い歳こいた大人の男が手をつないで歩くなんて滑稽だ。だけど、この状況は懐かしく感じる。
——昔も、こうして俺の手を引っ張ってくれたっけ。
 時乃はいつも俺の先を歩いていて、俺はずっとその後ろに隠れていた。俺が他人と変わらないくらいの知能に追いついたって、その構図は変わらなかった。だから気が付かなかった。何も。俺は何年も一緒にいて、緑谷時乃という人物を何も知らなかった。最初から隣に居なかったんだから、表情なんて見えるわけもない。
 今回、間違いは許されない。絶対に時乃に自殺なんかさせない。
 そんな思いを俺が胸にしているとは知らず、時乃はごく普通の事の様に先を歩く。
「待ってよ、時乃」
 俺は小走りで隣に並んだ。
「時乃はいっつも先行っちゃうなあ。少しくらい俺の事待っててくれてもいいのに」
「お前が歩く道は全部舗装されてないと。あぶないだろ、何が起こるかわかんねーところなんて」
「過保護か。そこまで子供じゃねえし」
「どうだか」
 そんな会話をしながら屋外エリアに向かうと、そこには目玉である屋外水槽があった。なるほど、飛べない海の生き物を空と同化させる演出は考えさせられるものがある。
「……確かに、不可能を可能にする発想力はすごいな……。俺には真似できない……」
「模写とか風景は得意だけど発想力ダメだもんな」
「で、でもオリジナルの恋愛漫画は売れてるから許されたい……」
「お前が恋愛漫画? 恋愛したことないのにちゃんと描けてんの?」
「……童貞にしかわからないときめきもある」
「例えば?」
 意地悪にそう言う時乃に俺はむっとする。確かに俺は誰かに恋したことは無いけれど、ネットで資料としてどんなものが好かれるかは知っているつもりだ。
 俺は時乃の袖を少しだけ引っ張ると、そのまま指を時乃の手のひらに絡ませる。そうして、所謂『恋人繋ぎ』にした後、どうだと時乃の方を見た。
「ときめいた?」
「レベル低いなあとしか思わなかった」
 そう言っていても、時乃は嫌がる素振りは見せなかった。むしろ、繋がってた指を強く結ばれる。
「レベル低いんじゃなかったのかよ」
「お前の手冷たいから冷房替わり」
 時乃は繋がっていない方の手でスマートフォンを取り出し、時間を確認する。
「……あ、そろそろ科学館のイベントの時間だ。こっちも多分お前好きそうだけど行く?」
「最近出来たやつ? 行く!」
 時乃の提案に即答すると、時乃は俺の手を握ったまま歩き出した。
「時乃、手!」
「減るもんじゃねーだろ」
 さっきは薄暗かったからいいが、今は屋外。一応同性間で、周りには他人がいると言うのにこの男には恥は無いのだろうか。それとも。
——少し、傲慢になってもいいのかな。
 時乃が周りの目を気にしないくらい、隣に置いても恥ずかしくない位の人間になれていたなら。そうだったら少しだけ、自信が持てるかもしれない。そんなことを一瞬考えてすぐに首を振った。俺は出来損ないだから、時乃は長い間築いてきた時間と、同情心と、昔交わした約束で責任感を感じて、それを好きと勘違いしているだけだろうから。俺が時乃の特別に、なんておこがましい話なのだ。


「意外とためになったな……。奥深い……」
 約四十五分の展示イベントが終わり、俺達は科学館近くのショッピングモールに行こうと科学館の出口へ向かっていた。今日の模擬デートは終わり。本当は遊び足りないし、もう少し一緒に居たかったのだが我慢する。時乃は俺とは違って忙しいから無理はさせられない。
「……あれ、時乃くん?」
 二人でエレベーターを待っていると、女性から声をかけられた。反射的に振り向くとそこには。
「は、春ちゃん……!」
「あ、黒川くんもいたんだ」
 かわいく着飾った春ちゃんと、その隣は多分友だちだろうか? 同じ系統の服を身に纏った華奢な女の子がいた。この間の飲み会で見たような、見なかったような気がする。春ちゃん以外は眼中にないのであまり覚えていない。
「春名、今日は用事があるんじゃねーの?」
「うん、限定ショップがあったからその買い物。そっちも同じようなものでしょ?」
 は、春ちゃんを呼び捨て……! 自分が春ちゃんの眼中に無かったことよりも、本当に二人の仲は進展したのか……! と雷に打たれたかのような、それに溢れるほどの感動が加わったような、そんな感情が湧いてくる。好きな人と好きな人が付き合うとこんなに祝う気持ちが湧き出て来るのか。
 ……一応明言しておくが、決して寝取られ属性があるわけではない。
「こっちはデートの予行練習」
「……そう」
 春ちゃんの返答には一瞬、どこか影が差したように見えた。
――ん?
 何故か二人ともテンションがおかしい。告白の保留中だからだろうか?なんだか、前よりもなんとなく距離があるように思える。
「あー……、もしかして邪魔? 時乃、俺、先帰るよ」
「そんなことねーよ」
「うん、黒川くんは帰らなくていいよ。そしたら私の連れが決まずくなっちゃうし……」
 それに、と彼女は続ける。
「黒川くんと一回、ちゃんと話してみたかったんだよね」


 気まずい雰囲気がテーブルに流れる。
 レストランの四人がけのテーブルには、春ちゃんと連れの女性と、俺と時乃が座っている。四人とも無言だ。連れの女性と俺は気まずい雰囲気で春ちゃんはどこか不機嫌そうだ。時乃は頼んだパフェを何も言わずに食べている。彼女じゃなくても女の子が不機嫌なのに自由だな。だから別れるのが早いのか。
「……あの」
 春ちゃんが店員を呼び止める。
「席もうひとつ用意してくれます?」
「えっ」
「この人と話があるので」
 そうして彼女が指さしたのは俺だった。
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