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依頼人と日南くん。~私のフレネミーさん~
ex4.ご依頼、引き受けます!
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「ネットの嫌がらせ……それは探偵より弁護士案件では?」
「あまり大事にはしたくないんです」
そう言って男性は名刺を差し出す。大野修平と言うらしい。隣の女性は白野百乃だと紹介された。二人はお付き合いしている恋人同士で、大野と高宮が知り合いらしい。どうも大野は高宮のバイト先の店長なんだとか。高宮、お前バイトしてたのか。俺たち幼馴染なのにそれ初めて知ったぞ。
「犯人はリアルで関わりがある人だと言うのは予想が出来ています。探偵さんに調べて欲しいのはそれがどいつの仕業か、です」
大野の説明で大体の理解はついた。つまりまとめるとこうだ。
百乃は音楽家を志して動画投稿サイト(星川がよく見ているスマイル動画らしい)で「モモイロ」と言う名前で活動している方。そして自身が昔ギャンブル依存症だった事や病気の事などを語るブログを運営していた。性別は隠しているらしい。女だとバレるとファン層に影響が出るそうで、一人称は「自分」で通していたからファンは百乃の性別がわからない。
それとは別に百乃はSNSのアカウントを持っていた。所謂半リア垢みたいな物で、そこでは彼氏の大野との話やペットや女性特有の愚痴などを言っていたらしい。
だけどそのアカウントは音楽家の名前とは完全に別で使っていた。だから音楽家の「モモイロ」と百乃が繋がるわけがないのだが、よく読んでいる音楽掲示板にブログがある日いきなり音楽掲示板に晒されてしまった。しかも、モモイロ=女がバレている。この情報は、モモイロとして活動しているのを知っているリアルの友達しか知らない。一応、SNSのフォロワーだけはモモイロ=百乃だと知っているが、所謂「ジャンル」というものが違うらしく、このフォロワーが晒した可能性はゼロに等しいらしい。だからほぼ、リアルの友人が犯人なのは確定。それでその犯人を見つけて縁切りをしたいと言うのが依頼の内容だ。
「いいんですか? 復讐しなくて」
俺は百乃に聞いてみた。俺だったら嫌がらせされたら三倍で返す。百乃は少し迷った後、言いずらそうに言った。
「その、私……。リアルの友達の事大好きなんです。だから、あんまり大事にしたくなくて……」
「それで困ってた彼女を見て思い出したんです。高宮くんが格安でやってる探偵事務所に友達が働いてるって。掲示板の管理人に問い合わせて特定するのも、相手は私怨で掲示板に晒すような性格の悪い人物ですよ? なんかあったらもめそうだし、だったらお金で解決しようと思って」
大野から貰った名刺をちらりと横目で見る。大手企業のロゴが入っている。金は取れそうだが、この事務所はほぼ道楽だ。百乃さんにはかなりお世話になったし、勝手に格安料金と謳った高宮は後で〆るとしてこの依頼は受けないわけにはいかない。
「わかりました。そのご依頼引き受けます」
そう言うと、二人はほっとした表情で顔を見合わせた。
「あまり大事にはしたくないんです」
そう言って男性は名刺を差し出す。大野修平と言うらしい。隣の女性は白野百乃だと紹介された。二人はお付き合いしている恋人同士で、大野と高宮が知り合いらしい。どうも大野は高宮のバイト先の店長なんだとか。高宮、お前バイトしてたのか。俺たち幼馴染なのにそれ初めて知ったぞ。
「犯人はリアルで関わりがある人だと言うのは予想が出来ています。探偵さんに調べて欲しいのはそれがどいつの仕業か、です」
大野の説明で大体の理解はついた。つまりまとめるとこうだ。
百乃は音楽家を志して動画投稿サイト(星川がよく見ているスマイル動画らしい)で「モモイロ」と言う名前で活動している方。そして自身が昔ギャンブル依存症だった事や病気の事などを語るブログを運営していた。性別は隠しているらしい。女だとバレるとファン層に影響が出るそうで、一人称は「自分」で通していたからファンは百乃の性別がわからない。
それとは別に百乃はSNSのアカウントを持っていた。所謂半リア垢みたいな物で、そこでは彼氏の大野との話やペットや女性特有の愚痴などを言っていたらしい。
だけどそのアカウントは音楽家の名前とは完全に別で使っていた。だから音楽家の「モモイロ」と百乃が繋がるわけがないのだが、よく読んでいる音楽掲示板にブログがある日いきなり音楽掲示板に晒されてしまった。しかも、モモイロ=女がバレている。この情報は、モモイロとして活動しているのを知っているリアルの友達しか知らない。一応、SNSのフォロワーだけはモモイロ=百乃だと知っているが、所謂「ジャンル」というものが違うらしく、このフォロワーが晒した可能性はゼロに等しいらしい。だからほぼ、リアルの友人が犯人なのは確定。それでその犯人を見つけて縁切りをしたいと言うのが依頼の内容だ。
「いいんですか? 復讐しなくて」
俺は百乃に聞いてみた。俺だったら嫌がらせされたら三倍で返す。百乃は少し迷った後、言いずらそうに言った。
「その、私……。リアルの友達の事大好きなんです。だから、あんまり大事にしたくなくて……」
「それで困ってた彼女を見て思い出したんです。高宮くんが格安でやってる探偵事務所に友達が働いてるって。掲示板の管理人に問い合わせて特定するのも、相手は私怨で掲示板に晒すような性格の悪い人物ですよ? なんかあったらもめそうだし、だったらお金で解決しようと思って」
大野から貰った名刺をちらりと横目で見る。大手企業のロゴが入っている。金は取れそうだが、この事務所はほぼ道楽だ。百乃さんにはかなりお世話になったし、勝手に格安料金と謳った高宮は後で〆るとしてこの依頼は受けないわけにはいかない。
「わかりました。そのご依頼引き受けます」
そう言うと、二人はほっとした表情で顔を見合わせた。
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