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第2章 お決まり模擬戦と冒険者活動

更新し忘れた(泣)第14話 ミナトの覚悟と女王の最期!

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デッドリーポイズンキラービーの女王は、ジェフを殺せると思い、してやったりの顔をしていたが、ミナトによって阻止されてしまい、「ギャァァァァ」と奇声を上げる。

「何者って、ただのF級冒険者ですよ。今は、それよりもあいつを倒す事が先です。ジェフさんは、動けるようになったら逃げて下さい」

デッドリーポイズンキラービーが迫る中、悠長なことを言っている場合ではないと、ミナトは思った。

「そうでした。目の前の敵を倒さなくてはいけませんね。私は、先程魔力回復ポーションを飲みましたので戦えます」

ジェフは、杖を敵に向けて火魔法を放つ。その魔法は、さっきのような広範囲ではなく単体用の魔法で、羽に向かって放ち撃ち飛べなくした。

「流石、Bランク冒険者ですね。俺は、ドンを助けに行きます」

ドンを見ると、明らかに動きが鈍くなり、なんとか倒してはいるが、ジリ貧になりかけていたので、助けに向かう。

『ナノ、この状況を打破出来る方法を教えてくれ!それから、アドレナリンをもっとくれないか?あの女王の存在感にやられそうだ』

『打破ですか?ありますが、おすすめしません。後遺症が残る恐れがあります!それに、アドレナリンの過剰は絶対に駄目です!最悪の場合、合併症になり死に至ります』

この場を、圧制する力を瞬時に出すことは出来るが、アドレナリンや他の脳から分泌する物を過剰した場合、ミナトは廃人になる可能性があると指摘した。

『俺は、ナノを信じる!もし、後遺症が残っても恨まないし、やってくれ!このままだと応援が来る前に、ドン達が死ぬ。こんないい奴らを見殺しにしたくない!だから、頼む』

日本にいた頃のミナトは、恨みやネガティブなことしか言わず、周りを敵としか見ていなかっただろう。しかし、だからこそ、ドン達がミナトに対して、好意を抱いて、心配もしてくれていると直感で感じて失いたくないと思った。

『......わかりました。ですが、あとでナノの話も聞いてください。ご主人様、今から無理矢理ゾーンに入ります。1分で倒してください。それ以上は、体が持ちませんから』

『わかった。終わったら、存分にナノの文句を聞く。ありがとう!1分で終わらす』

ミナトの話を聞き終わったナノは、脳からドーパミンを大量に分泌させて、強制的に集中力を極限まで高めた。
すると、ミナトの視界が灰色に変わり、全ての動きがスローに見える。
ミナトは、次の瞬間足に目一杯の力を入れて蹴り出し、ドンに群がるデッドリーポイズンキラービーに近づいて瞬殺した。

「お、おい!ミナトか?気配と動きが常人を超えてやがる。まるで雷帝じゃねぇか......」

ドンは、目の前でデッドリーポイズンキラービーを瞬殺して女王の周りを取り囲む兵達を斬り刻み、無数の毒針攻撃を避ける姿を見て、雷帝と口にした。その雷帝が誰かは分からないが、常人ではない領域の人物なのだろう。

『ご主人様......なんとか平常心を取り戻して下さい!セロトニンで抑えていますが、このままでは、体が壊れます』

初めてのゾーンと過剰な分泌成分を脳から出したために、過剰な興奮状態に陥っている。そのため、ゾーン状態に必要な精神の安定を保つのにセロトニンという興奮状態を抑える物質を出して無理矢理安定はさせているが、いつ崩壊してもおかしくない状態なのだ。

『ナノ......もう少し......だけ!無理矢理、頼む』

ミナトは、ドーパミンの過剰摂取によって、幻覚が見え始めていた。しかし、ナノのサポートのお陰で、精神を安定させることが出来、幻覚の症状が少し和らぐ。

『ご主人様!女王を一撃で倒して下さい!一撃で倒せない場合、ナノもご主人様も死にます。ナノは、ご主人様の精神力を信じています』

ナノは、1分と言っていたが、思っていた以上に、ミナトの脳と体に負担があったようで、限界を迎えていた。
そして、ミナトはナノの言葉に返答をすることなく、軽く頷き、女王と女王を守るデッドリーポイズンキラービー2体に迫った。

「ギャァァァァ」

女王は、生まれて間もないが、前女王の記憶を引き継いでおり、どのようにすれば人間や魔物を容易くエサにすることが出来るか知っていた。
しかし、目の前の人間を殺すのは無理だ。早く逃げろと本能が訴えかける。所謂、生を受けてから初めての恐怖心を抱いたのだ。

「逃げるなよ!俺とナノの生死をかけた奥の手なんだ!逃がすわけないだろ」

ミナトは、容易く2体のデッドリーポイズンキラービーを斬り刻んだあと、全速力で飛んで逃げようとする女王の背中に飛び乗り、剣で背中をぶっ刺したあと、そのまま真っ二つに斬った。

「ギャァァァァ」

今までの奇声とは違い、悲しいような恨みを抱かせるような声を上げて絶命した。そして、ミナトもまた意識を失って、空中から地面へ真っ逆さまに落ちていくのだった。
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