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第3章 アレクを狙って
第854話 打ち解ける職人達とやっとスタートするディド達!
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酒盛りが行われて、人が人を呼んで、街の住人も加えた大宴会になってしまった。そして予想通り、ディドと魔物達はほろ酔いくらいで済んでいるのだが、グランと親方と弟子と街の住人は、見事に酔い潰れてしまった。
「街が、大騒ぎになっとると報告を受けてきたんじゃが、これはどういうことじゃ?今日は、着工の日ではなかったのかのぅ?」
ヨゼフは、わかっていないようなフリをしているが、大騒ぎと聞いて来た割りには、護衛はおらず、セバンとマンテ爺だけしか来ていないのだ。
「お父さん!?いやぁ、ディドからの歓迎というか、親方が緊張してたからほぐすためだと思うよ。それに、街の住人とも仲良くなれてるしね。でも、屋敷まで報告が行くほどになってごめんなさい」
飲み始めるといつの間にか、ディドと親方は仲良く腕を組み、弟子同士も大笑いして、住民達もオークと酒を酌み交わす関係となっていた。
「見に来て安心したわい。みんな幸せそうに寝ているからのぅ。じゃが、このままにしておくのはいかんから、みんなを起こしてやってくれんか?」
「うん。セバンとマンテ爺も手伝って。このポーションを飲ませたら、二日酔いなく、酔いが覚めるからさ」
ヨゼフは、街の住人が幸せそうに寝ている顔を見て、自然と笑みが溢れる。
そして、ポーションを受け取ったセバンとマンテ爺は、大急ぎでアレクと一緒に酔い潰れている人達を復活させに行く。
◆
あれから暫く時間が経って、住人達は起き上がり、領主とアレクを巻き込んでしまったことを知って、深々と頭を下げ謝った。
親方と弟子達も謝罪しに来たのだが、早々にディドに連れて行かれて、店の建築が始まった。
「二人が、ノイジとその弟子に教えてやれ。ノイジ達は、ワッチの弟子の教えることが出来たら、ワッチが見てやる。ザームとバームは、厳しくしっかり教えてやるんだぞ。お前さん達二人の成長にもなる。わかるな?」
ディドは、オークの弟子であるザームとバームは、習う段階を終えて、人に教える段階に来ていると考えていた。そして、親方のノイジとその弟子は、基礎すらなっていないので、まだディドが教える段階ではないとキツイ言葉を投げかけた。
「ザームさん、バームさん、よろしくお願いします。しっかり学ばせて頂きます」
親方のノイジ含めた弟子達は、先程の怯えはなく、魔物に大工を教えてもらうことにも、嫌な顔をせず、頭を下げた。
「オデ達は、厳しいけどしっかり教える。親方は、もっと厳しい。頑張ってついてこい」
「オラも、厳しくするけど、ノイジとその弟子達いい奴。歓迎する」
ザームとバームは、怖い顔だが、満面の笑みでノイジ達を歓迎した。
「魔道具が起動している間に、地盤を固め直す。始めるぞ~」
ディド主導で、お店作りがスタートした。街の住人も、ドワーフがどんな建築をするのか、どんなお店が出来るのかを楽しみで集まっている。
「俺達は、屋敷に戻りましょうか。ここにいても邪魔になるだけだしね」
アレクは、ディド達の邪魔にならないように、一礼だけして、その場をあとにする。
「アレクが戻るんじゃったら、ちょうどええわい。ワシとセバンの模擬試合の審判をやってくれんか?ヨゼフも、観戦に来るじゃろ?」
マンテ爺は、セバンとの戦いを忘れていなかったようで、ちょうど暇ならこの機会にやってしまおうと考えた。
「セバンがいいなら、全然審判するよ。でも、俺弱くなってるから直撃するような魔法とかスキルは使わないでね。死んじゃうから」
「ワシも、久々に滾る試合を観たいのぅ。それに、マンテ爺とセバンなら、安心して観れそうじゃ」
アレクは、体をダイヤモンドの硬さにする薬や回復ポーションがあるので、いかようにもなるとは思っていたが、痛いのと万が一を考えて注意喚起をした。
そして、ヨゼフも二人の試合を楽しみにしているようで、見物しにいくようだ。
「私は、いつでも準備は出来ておりますので、問題ございません。それから、周りに被害が出る魔法はやめましょう」
「ワシも、動きと剣術が通用するか試したいだけじゃからな。ノックスやデストロイのような戦闘馬鹿みたいなことはせんわい。それにしても、セバンとの手合わせは楽しみじゃわい」
マンテ爺からしても、ノックスとデストロイは、イカれた戦闘狂というイメージだったようで、二人の名前があがると、みんなが頷く。
そして、アレク達は屋敷に向かって帰って行くのだった。
「街が、大騒ぎになっとると報告を受けてきたんじゃが、これはどういうことじゃ?今日は、着工の日ではなかったのかのぅ?」
ヨゼフは、わかっていないようなフリをしているが、大騒ぎと聞いて来た割りには、護衛はおらず、セバンとマンテ爺だけしか来ていないのだ。
「お父さん!?いやぁ、ディドからの歓迎というか、親方が緊張してたからほぐすためだと思うよ。それに、街の住人とも仲良くなれてるしね。でも、屋敷まで報告が行くほどになってごめんなさい」
飲み始めるといつの間にか、ディドと親方は仲良く腕を組み、弟子同士も大笑いして、住民達もオークと酒を酌み交わす関係となっていた。
「見に来て安心したわい。みんな幸せそうに寝ているからのぅ。じゃが、このままにしておくのはいかんから、みんなを起こしてやってくれんか?」
「うん。セバンとマンテ爺も手伝って。このポーションを飲ませたら、二日酔いなく、酔いが覚めるからさ」
ヨゼフは、街の住人が幸せそうに寝ている顔を見て、自然と笑みが溢れる。
そして、ポーションを受け取ったセバンとマンテ爺は、大急ぎでアレクと一緒に酔い潰れている人達を復活させに行く。
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あれから暫く時間が経って、住人達は起き上がり、領主とアレクを巻き込んでしまったことを知って、深々と頭を下げ謝った。
親方と弟子達も謝罪しに来たのだが、早々にディドに連れて行かれて、店の建築が始まった。
「二人が、ノイジとその弟子に教えてやれ。ノイジ達は、ワッチの弟子の教えることが出来たら、ワッチが見てやる。ザームとバームは、厳しくしっかり教えてやるんだぞ。お前さん達二人の成長にもなる。わかるな?」
ディドは、オークの弟子であるザームとバームは、習う段階を終えて、人に教える段階に来ていると考えていた。そして、親方のノイジとその弟子は、基礎すらなっていないので、まだディドが教える段階ではないとキツイ言葉を投げかけた。
「ザームさん、バームさん、よろしくお願いします。しっかり学ばせて頂きます」
親方のノイジ含めた弟子達は、先程の怯えはなく、魔物に大工を教えてもらうことにも、嫌な顔をせず、頭を下げた。
「オデ達は、厳しいけどしっかり教える。親方は、もっと厳しい。頑張ってついてこい」
「オラも、厳しくするけど、ノイジとその弟子達いい奴。歓迎する」
ザームとバームは、怖い顔だが、満面の笑みでノイジ達を歓迎した。
「魔道具が起動している間に、地盤を固め直す。始めるぞ~」
ディド主導で、お店作りがスタートした。街の住人も、ドワーフがどんな建築をするのか、どんなお店が出来るのかを楽しみで集まっている。
「俺達は、屋敷に戻りましょうか。ここにいても邪魔になるだけだしね」
アレクは、ディド達の邪魔にならないように、一礼だけして、その場をあとにする。
「アレクが戻るんじゃったら、ちょうどええわい。ワシとセバンの模擬試合の審判をやってくれんか?ヨゼフも、観戦に来るじゃろ?」
マンテ爺は、セバンとの戦いを忘れていなかったようで、ちょうど暇ならこの機会にやってしまおうと考えた。
「セバンがいいなら、全然審判するよ。でも、俺弱くなってるから直撃するような魔法とかスキルは使わないでね。死んじゃうから」
「ワシも、久々に滾る試合を観たいのぅ。それに、マンテ爺とセバンなら、安心して観れそうじゃ」
アレクは、体をダイヤモンドの硬さにする薬や回復ポーションがあるので、いかようにもなるとは思っていたが、痛いのと万が一を考えて注意喚起をした。
そして、ヨゼフも二人の試合を楽しみにしているようで、見物しにいくようだ。
「私は、いつでも準備は出来ておりますので、問題ございません。それから、周りに被害が出る魔法はやめましょう」
「ワシも、動きと剣術が通用するか試したいだけじゃからな。ノックスやデストロイのような戦闘馬鹿みたいなことはせんわい。それにしても、セバンとの手合わせは楽しみじゃわい」
マンテ爺からしても、ノックスとデストロイは、イカれた戦闘狂というイメージだったようで、二人の名前があがると、みんなが頷く。
そして、アレク達は屋敷に向かって帰って行くのだった。
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