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第3章 アレクを狙って
第825話 アレクに異変!?と可愛いケットシー!
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アレク達は、何の問題もなく宝物庫を進んで行く。
ドワーフの技術ほどではないが、頑丈に作られた鉄の門と内部も鉄の壁で守られている。
そして、結構な距離を歩いて奥へとやってくると、シールドのような何かに守られた空間が見えてきた。
「あそこにある祭壇に置かれているのが、霊根です。この結界を停止することは出来ますが、宝物庫の中の物を持ち出すと、どうなるかは不明です」
結界の一番奥に祭壇があり、霊根は宙に浮いた状態で一際目立っていた。
「わかったよ。結界の停止をお願い。師匠、霊根を回収したら、すぐにマンテ爺のところに行くから、佐之助くん達を頼んでもいいですか?」
「あぁ、任せとけ。ここにある物を回収したいしな」
ノックスは、あっさりとした返事で了承してくれた。そして、ちょうどタイミングよく佐之助の両親から、結界を停止させた合図があったので、アレクは宝物庫に入り、霊根のある祭壇へ一直線に向かう。
「これが、霊根......ん?膨大な神力を感じるけど、なんだろう?この違和感......」
見ただけでわかるくらいに、霊根から神力が溢れ出ているのだが、何か異物が混じったような違和感を霊根から感じた。
しかし、目にも見えないのと何か混じっている痕跡もないので、違和感の正体はわからず、アレクは霊根を傷付けないように、手に神力を纏わせて回収をした。
「ゔっ、頭が......」
アレクが、霊根を掴んだ瞬間、頭に一瞬痛みが走り、フラついて倒れそうになる。
「アレク坊!大丈夫か?」
ノックスは、アレク坊に駆け寄って支える。
「大丈夫です。一瞬頭に痛みが走りましたけど、すぐに治りました。なんだったんだろう?」
アレクは、頭を押さえて立ち上がる。
体の様子を見るが、痛みの原因が何だったのか分からない。
「それならいいんだが、もし体に異変が出たらすぐに診断をしろよ」
「はい。さっき診断をしましたが、異常は見られなかったんです。とりあえず、マンテ爺のところに向かいます」
アレクは、ノックスに支えられている時に診断を済ませていたが、呪いや病気の類も見当たらず、見当が付かないでいる。
しかし、今はマンテ爺の治療が優先で、見当が付かず自分の体は後回しにした。
「そうか。異常がないならいいが気をつけろよ。今は、何が起きてもおかしくない状態だからな。それと、マンテ爺を頼んだぞ」
「そうですね。未知のことが起きてもおかしくないですもんね。じゃあ、魔物ノ国に帰ります」
忍者の禁呪から始まり、弦馬やピエロが現れたことで、ノックスもアレクも、今まで以上に気を引き締めないといけないなと感じた。
アレクは、ノックス達に別れを告げて、魔物ノ国に転移する。
◆
「わぁ!びっくりしたですにゃ!びちゃびちゃになっちゃったにゃ」
ケットシーが、マンテ爺の体を拭こうと水を運んでいた目の前に現れたので、タライを投げてしまって水を頭に被ってしまった。
「えっ?ごめん。まさか、目の前に出ちゃうと思わなくて。ちょっと待ってね。あれ?おかしいな。ごめん。これで、拭いといてくれない?」
アレクは、風魔法を使って、ドライヤーのように乾かそうとしたが、魔法が発動しなかった。なんでだろうかと思いはしたが、ケットシーにタオルを渡して、マンテ爺の薬を作ろうとスキルを発動した。
「大丈夫ですにゃ。驚いちゃっただけですにゃ。王様もお疲れ様ですにゃ」
ケットシーは、体をブルブルと振るわせて水気を飛ばしたあと、タオルで体を拭き拭きした。
アレクは、薬を作りながら、ずっと見ていたが、ブルブルしたり体を拭く様子が可愛い過ぎて愛でたくなっていた。
「いやいや、マンテ爺の看病ありがとうね。そのお陰で、この通り霊根を手に入れられたよ。今から調合しちゃうね」
「わぁぁ!凄いですにゃ!これで治るですにゃ!」
ケットシーは、飛び跳ねて喜んでいた。しかも、飛び跳ねて踊り出すという器用なことをしている。
「よし!完成。今から、飲ませるね。マンテ爺、起きて!薬飲めるかな?」
「ゔぅ、なんじゃ。静かに寝取ったんじゃがのぅ......って、今なんと言った?薬じゃと!?」
マンテ爺は、目を開けるまでに回復していたが、寝ぼけているようで、一瞬薬のことに気付いていなかった。
「お待たせしたね。やっと薬が完成したんだよ。ゆっくり飲んでね」
「すまんのぅ。そこの嬢ちゃんから話は聞いたわい。ワシのために、動いてくれておったんじゃのぅ。大事に飲ませてもらうわい」
マンテ爺は、ゆっくりとポーションを飲む。すると、アレクが作ったエリクサーのように体全体が眩い光に包まれるのだった。
ドワーフの技術ほどではないが、頑丈に作られた鉄の門と内部も鉄の壁で守られている。
そして、結構な距離を歩いて奥へとやってくると、シールドのような何かに守られた空間が見えてきた。
「あそこにある祭壇に置かれているのが、霊根です。この結界を停止することは出来ますが、宝物庫の中の物を持ち出すと、どうなるかは不明です」
結界の一番奥に祭壇があり、霊根は宙に浮いた状態で一際目立っていた。
「わかったよ。結界の停止をお願い。師匠、霊根を回収したら、すぐにマンテ爺のところに行くから、佐之助くん達を頼んでもいいですか?」
「あぁ、任せとけ。ここにある物を回収したいしな」
ノックスは、あっさりとした返事で了承してくれた。そして、ちょうどタイミングよく佐之助の両親から、結界を停止させた合図があったので、アレクは宝物庫に入り、霊根のある祭壇へ一直線に向かう。
「これが、霊根......ん?膨大な神力を感じるけど、なんだろう?この違和感......」
見ただけでわかるくらいに、霊根から神力が溢れ出ているのだが、何か異物が混じったような違和感を霊根から感じた。
しかし、目にも見えないのと何か混じっている痕跡もないので、違和感の正体はわからず、アレクは霊根を傷付けないように、手に神力を纏わせて回収をした。
「ゔっ、頭が......」
アレクが、霊根を掴んだ瞬間、頭に一瞬痛みが走り、フラついて倒れそうになる。
「アレク坊!大丈夫か?」
ノックスは、アレク坊に駆け寄って支える。
「大丈夫です。一瞬頭に痛みが走りましたけど、すぐに治りました。なんだったんだろう?」
アレクは、頭を押さえて立ち上がる。
体の様子を見るが、痛みの原因が何だったのか分からない。
「それならいいんだが、もし体に異変が出たらすぐに診断をしろよ」
「はい。さっき診断をしましたが、異常は見られなかったんです。とりあえず、マンテ爺のところに向かいます」
アレクは、ノックスに支えられている時に診断を済ませていたが、呪いや病気の類も見当たらず、見当が付かないでいる。
しかし、今はマンテ爺の治療が優先で、見当が付かず自分の体は後回しにした。
「そうか。異常がないならいいが気をつけろよ。今は、何が起きてもおかしくない状態だからな。それと、マンテ爺を頼んだぞ」
「そうですね。未知のことが起きてもおかしくないですもんね。じゃあ、魔物ノ国に帰ります」
忍者の禁呪から始まり、弦馬やピエロが現れたことで、ノックスもアレクも、今まで以上に気を引き締めないといけないなと感じた。
アレクは、ノックス達に別れを告げて、魔物ノ国に転移する。
◆
「わぁ!びっくりしたですにゃ!びちゃびちゃになっちゃったにゃ」
ケットシーが、マンテ爺の体を拭こうと水を運んでいた目の前に現れたので、タライを投げてしまって水を頭に被ってしまった。
「えっ?ごめん。まさか、目の前に出ちゃうと思わなくて。ちょっと待ってね。あれ?おかしいな。ごめん。これで、拭いといてくれない?」
アレクは、風魔法を使って、ドライヤーのように乾かそうとしたが、魔法が発動しなかった。なんでだろうかと思いはしたが、ケットシーにタオルを渡して、マンテ爺の薬を作ろうとスキルを発動した。
「大丈夫ですにゃ。驚いちゃっただけですにゃ。王様もお疲れ様ですにゃ」
ケットシーは、体をブルブルと振るわせて水気を飛ばしたあと、タオルで体を拭き拭きした。
アレクは、薬を作りながら、ずっと見ていたが、ブルブルしたり体を拭く様子が可愛い過ぎて愛でたくなっていた。
「いやいや、マンテ爺の看病ありがとうね。そのお陰で、この通り霊根を手に入れられたよ。今から調合しちゃうね」
「わぁぁ!凄いですにゃ!これで治るですにゃ!」
ケットシーは、飛び跳ねて喜んでいた。しかも、飛び跳ねて踊り出すという器用なことをしている。
「よし!完成。今から、飲ませるね。マンテ爺、起きて!薬飲めるかな?」
「ゔぅ、なんじゃ。静かに寝取ったんじゃがのぅ......って、今なんと言った?薬じゃと!?」
マンテ爺は、目を開けるまでに回復していたが、寝ぼけているようで、一瞬薬のことに気付いていなかった。
「お待たせしたね。やっと薬が完成したんだよ。ゆっくり飲んでね」
「すまんのぅ。そこの嬢ちゃんから話は聞いたわい。ワシのために、動いてくれておったんじゃのぅ。大事に飲ませてもらうわい」
マンテ爺は、ゆっくりとポーションを飲む。すると、アレクが作ったエリクサーのように体全体が眩い光に包まれるのだった。
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