706 / 756
第3章 アレクを狙って
第813話 蔵之助の覚醒とデストロイらしさ全開!
しおりを挟む
蔵之助ならば、前後から迫る二人を躱すことが出来るだろうが、目の前に迫っても微動だにしない。そして、蔵之助に攻撃が当たるか当たらないかのギリギリのタイミングで、目を見開き刀を抜いた。
その刀の刃は、目では追えないスピードで振り抜かれる。
「ぐはぁ......真の武士に近付けた気がするでござる......」
蔵之助は、刀を振り下ろしたあと、血を吐いた。しかし、その表情は何かを悟ったように穏やかであり、そのまま前へ倒れ込む。だが、それを拒むように誰かが支えた。
「大丈夫ですか?アレク様の命令で助けに参りました。こちらをお飲みください」
蔵之助は、目が虚ろになっており、視界がボヤけ目の前の人物が誰なのかわからない。しかし、その安心する声に導かれるままポーションであろう液体を飲み、そのまま気を失った。
「命に別状はなさそうですね。それにしても、あの剣速と鋭さ......一瞬ではありましたが、ノックスさんを超えていた?武士とは恐ろしいです。フッ、デストロイさんは......完全に楽しんでますね」
パスクは、倒れそうになった蔵之助を支えながら、風花に放った一撃を思い出していた。
何があったかというと、蔵之助は後ろにいる土流に一切見向きもせず、風花だけを倒すために全てを注いだ。
その結果、螺旋状に回転してくる風花の全身全霊の攻撃に対して、回転に飲み込まれない剣速と無駄のない上段からの振り下ろしで真っ二つにした。
しかし、その代償として後ろから来る土流の攻撃をまともにくらい胸に風穴が空いてしまった。そこに、デストロイとパスクが応援にやってきて、パスクは蔵之助を助け、デストロイは土流にハルバードを振り下ろしたが、危険を察知した土流は素早く躱して距離を取ったのだ。
「やるじゃねぇか!こりゃ楽しめそうだ。お!?警戒してんのか?安心しな!お前の相手は俺以外いねぇからよ」
土流は、戦闘に集中していたとはいえ、ギリギリまで気付くことさえ出来なかったデストロイとパスクの存在を恐ろしく思う。しかも、二人がかりとなれば、生き残るのは難しいとさえ感じ、冷や汗を流した。
「俺は、戦いたくないので、一旦離脱させてもらおう。土遁:穴道」
土流は、モグラのように一瞬にして土の中に潜った。そして、土流は土を掘りデストロイ達から離れようと無我夢中で掘る。
しかし、グラグラと地中が揺れて土流の方向感覚を狂わせた。
「勝手に逃げてんじゃねぇ!さっさと出てきやがれ」
デストロイは、ハルバードを振り下ろして地面に直撃させる。それから、2秒ほど経つと地割れが起こり、地面が揺れて隆起した。
「出てこねぇならもう一撃いくぞ」
デストロイは、またハルバードを叩きつけた。地面は、大地震かのように揺れて、更に地割れと隆起が酷くなる。
「クラクラする......なんて馬鹿力してるんだ」
土流は、地面から這い出てくると、頭を押さえて周りを見渡す。
そして、後方で蔵之助を支えていたパスクも頭を押さえた。
「はぁ、もうアレク様の言いつけを破ってますよ。デストロイには、力加減をするよ......いや、あの性格ならば無理ですね。諦めて、尻拭いを考えなくては」
このまま戦争が続くと、目の前の悲惨な状態以上の悲惨な現場が待ち受けていると思ったので、今のうちに謝罪と交渉内容を考えていた。
「逃げんじゃねぇよ。俺が、相手になってやるから遊ぼうぜ」
「長様のためならば、仕方ないか.......禁術:泥人形」
ハルバードを構え臨戦態勢のデストロイに対して、心が固まったのか、禁術を使った。その瞬間、土流は糸が切れた人形のように崩れ落ちて全く無く動かなくなる。
だが、死体となった土流からブクブクと泡のようなものが吹き出して次第にどんどんと大きく膨れ上がった。
「ノックスが言ってた禁術か!何が出るか楽しみだぜ」
デストロイが、大きくなった土流の死体を眺めると、禁術の名の通り、巨大な泥人形が誕生した。
デストロイは、ハルバードを構えて、まだ何もわかっていない泥人形に対して襲い掛かる。
そして、いつものようにハルバードを振り回して首と胴体を真っ二つにするが、泥人形には全くダメージはなく、何もなかったかのように首と胴体がくっついた。
「なんだ?こいつ!おもしれぇな!再生できねぇように切り刻んでやらぁぁぁ」
デストロイは、ハルバードを振り回して、泥人形のあらゆる箇所を切り刻んでいった。しかし、先程と同じであっという間に再生してしまう。
「仕方ねぇよな。吹き飛ばすしかねぇか。危ねぇ~、こいつ攻撃してくんのかよ!ん?なんか軽ぃな......って、ハルバードがぶっ壊れてやがるじゃねぇか」
デストロイは、別の方を試そうとした瞬間、泥人形が殴りかかってきた。そして、簡単に避けたのだが、手に重さが全くないのでハルバードを見ると、先が粉々に粉砕されているのだった。
その刀の刃は、目では追えないスピードで振り抜かれる。
「ぐはぁ......真の武士に近付けた気がするでござる......」
蔵之助は、刀を振り下ろしたあと、血を吐いた。しかし、その表情は何かを悟ったように穏やかであり、そのまま前へ倒れ込む。だが、それを拒むように誰かが支えた。
「大丈夫ですか?アレク様の命令で助けに参りました。こちらをお飲みください」
蔵之助は、目が虚ろになっており、視界がボヤけ目の前の人物が誰なのかわからない。しかし、その安心する声に導かれるままポーションであろう液体を飲み、そのまま気を失った。
「命に別状はなさそうですね。それにしても、あの剣速と鋭さ......一瞬ではありましたが、ノックスさんを超えていた?武士とは恐ろしいです。フッ、デストロイさんは......完全に楽しんでますね」
パスクは、倒れそうになった蔵之助を支えながら、風花に放った一撃を思い出していた。
何があったかというと、蔵之助は後ろにいる土流に一切見向きもせず、風花だけを倒すために全てを注いだ。
その結果、螺旋状に回転してくる風花の全身全霊の攻撃に対して、回転に飲み込まれない剣速と無駄のない上段からの振り下ろしで真っ二つにした。
しかし、その代償として後ろから来る土流の攻撃をまともにくらい胸に風穴が空いてしまった。そこに、デストロイとパスクが応援にやってきて、パスクは蔵之助を助け、デストロイは土流にハルバードを振り下ろしたが、危険を察知した土流は素早く躱して距離を取ったのだ。
「やるじゃねぇか!こりゃ楽しめそうだ。お!?警戒してんのか?安心しな!お前の相手は俺以外いねぇからよ」
土流は、戦闘に集中していたとはいえ、ギリギリまで気付くことさえ出来なかったデストロイとパスクの存在を恐ろしく思う。しかも、二人がかりとなれば、生き残るのは難しいとさえ感じ、冷や汗を流した。
「俺は、戦いたくないので、一旦離脱させてもらおう。土遁:穴道」
土流は、モグラのように一瞬にして土の中に潜った。そして、土流は土を掘りデストロイ達から離れようと無我夢中で掘る。
しかし、グラグラと地中が揺れて土流の方向感覚を狂わせた。
「勝手に逃げてんじゃねぇ!さっさと出てきやがれ」
デストロイは、ハルバードを振り下ろして地面に直撃させる。それから、2秒ほど経つと地割れが起こり、地面が揺れて隆起した。
「出てこねぇならもう一撃いくぞ」
デストロイは、またハルバードを叩きつけた。地面は、大地震かのように揺れて、更に地割れと隆起が酷くなる。
「クラクラする......なんて馬鹿力してるんだ」
土流は、地面から這い出てくると、頭を押さえて周りを見渡す。
そして、後方で蔵之助を支えていたパスクも頭を押さえた。
「はぁ、もうアレク様の言いつけを破ってますよ。デストロイには、力加減をするよ......いや、あの性格ならば無理ですね。諦めて、尻拭いを考えなくては」
このまま戦争が続くと、目の前の悲惨な状態以上の悲惨な現場が待ち受けていると思ったので、今のうちに謝罪と交渉内容を考えていた。
「逃げんじゃねぇよ。俺が、相手になってやるから遊ぼうぜ」
「長様のためならば、仕方ないか.......禁術:泥人形」
ハルバードを構え臨戦態勢のデストロイに対して、心が固まったのか、禁術を使った。その瞬間、土流は糸が切れた人形のように崩れ落ちて全く無く動かなくなる。
だが、死体となった土流からブクブクと泡のようなものが吹き出して次第にどんどんと大きく膨れ上がった。
「ノックスが言ってた禁術か!何が出るか楽しみだぜ」
デストロイが、大きくなった土流の死体を眺めると、禁術の名の通り、巨大な泥人形が誕生した。
デストロイは、ハルバードを構えて、まだ何もわかっていない泥人形に対して襲い掛かる。
そして、いつものようにハルバードを振り回して首と胴体を真っ二つにするが、泥人形には全くダメージはなく、何もなかったかのように首と胴体がくっついた。
「なんだ?こいつ!おもしれぇな!再生できねぇように切り刻んでやらぁぁぁ」
デストロイは、ハルバードを振り回して、泥人形のあらゆる箇所を切り刻んでいった。しかし、先程と同じであっという間に再生してしまう。
「仕方ねぇよな。吹き飛ばすしかねぇか。危ねぇ~、こいつ攻撃してくんのかよ!ん?なんか軽ぃな......って、ハルバードがぶっ壊れてやがるじゃねぇか」
デストロイは、別の方を試そうとした瞬間、泥人形が殴りかかってきた。そして、簡単に避けたのだが、手に重さが全くないのでハルバードを見ると、先が粉々に粉砕されているのだった。
165
お気に入りに追加
6,084
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
魔力∞を魔力0と勘違いされて追放されました
紗南
ファンタジー
異世界に神の加護をもらって転生した。5歳で前世の記憶を取り戻して洗礼をしたら魔力が∞と記載されてた。異世界にはない記号のためか魔力0と判断され公爵家を追放される。
国2つ跨いだところで冒険者登録して成り上がっていくお話です
更新は1週間に1度くらいのペースになります。
何度か確認はしてますが誤字脱字があるかと思います。
自己満足作品ですので技量は全くありません。その辺り覚悟してお読みくださいm(*_ _)m
子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!
八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。
『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。
魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。
しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も…
そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。
しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。
…はたして主人公の運命やいかに…
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
スキルが農業と豊穣だったので追放されました~辺境伯令嬢はおひとり様を満喫しています~
白雪の雫
ファンタジー
「アールマティ、当主の名において穀潰しのお前を追放する!」
マッスル王国のストロング辺境伯家は【軍神】【武神】【戦神】【剣聖】【剣豪】といった戦闘に関するスキルを神より授かるからなのか、代々優れた軍人・武人を輩出してきた家柄だ。
そんな家に産まれたからなのか、ストロング家の者は【力こそ正義】と言わんばかりに見事なまでに脳筋思考の持ち主だった。
だが、この世には例外というものがある。
ストロング家の次女であるアールマティだ。
実はアールマティ、日本人として生きていた前世の記憶を持っているのだが、その事を話せば病院に送られてしまうという恐怖があるからなのか誰にも打ち明けていない。
そんなアールマティが授かったスキルは【農業】と【豊穣】
戦いに役に立たないスキルという事で、アールマティは父からストロング家追放を宣告されたのだ。
「仰せのままに」
父の言葉に頭を下げた後、屋敷を出て行こうとしているアールマティを母と兄弟姉妹、そして家令と使用人達までもが嘲笑いながら罵っている。
「食糧と食料って人間の生命活動に置いて一番大事なことなのに・・・」
脳筋に何を言っても無駄だと子供の頃から悟っていたアールマティは他国へと亡命する。
アールマティが森の奥でおひとり様を満喫している頃
ストロング領は大飢饉となっていた。
農業系のゲームをやっていた時に思い付いた話です。
主人公のスキルはゲームがベースになっているので、作物が実るのに時間を要しないし、追放された後は現代的な暮らしをしているという実にご都合主義です。
短い話という理由で色々深く考えた話ではないからツッコミどころ満載です。
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中
魔力無しだと追放されたので、今後一切かかわりたくありません。魔力回復薬が欲しい?知りませんけど
富士とまと
ファンタジー
一緒に異世界に召喚された従妹は魔力が高く、私は魔力がゼロだそうだ。
「私は聖女になるかも、姉さんバイバイ」とイケメンを侍らせた従妹に手を振られ、私は王都を追放された。
魔力はないけれど、霊感は日本にいたころから強かったんだよね。そのおかげで「英霊」だとか「精霊」だとかに盲愛されています。
――いや、あの、精霊の指輪とかいらないんですけど、は、外れない?!
――ってか、イケメン幽霊が号泣って、私が悪いの?
私を追放した王都の人たちが困っている?従妹が大変な目にあってる?魔力ゼロを低級民と馬鹿にしてきた人たちが助けを求めているようですが……。
今更、魔力ゼロの人間にしか作れない特級魔力回復薬が欲しいとか言われてもね、こちらはあなたたちから何も欲しいわけじゃないのですけど。
重複投稿ですが、改稿してます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。