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第3章 アレクを狙って

第811話 パスクの第六感と仲間達!

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アレク達は、あれから城下町を出て、街道を馬車で走っていた。

「作戦はわかったが、魔法を使っては駄目だというのはオレールは難しくないのか?」

作戦を話す中で、持東親王から大和ノ国を壊すような強力な魔法を一切使っては駄目だと言われた。

「私ですか?なんとかなるとは思いますよ。それよりも、打ち漏らした敵を倒すというのは.....多分ですが、大和ノ国の兵だけでは一瞬で壊滅すると思いますよ」

持東親王が出した作戦は、自国の争いなので、まずは大和ノ国の兵と蔵之助が相対したいと言われた。
正直、オレールは蔵之助だけが生き残る未来しか見えず、魔法云々よりも作戦の変更をすべきではと述べる。

「そうだね。でも、持東親王の考えを否定するのは駄目だと思うから。ギリギリまで見守ってから、俺が持東親王に提案を持ち掛けて参戦しようかなって思ってるよ」

「アレク様の考えに従いますが、この戦争に参加した一番の目的は、おっしゃっていた薬の素材だと思うのですが、どうされるのですか?」

持東親王がやりたいようにやらせるという考えをアレクがした時点で、パスクの中では反対する気はなかった。
ただ、パスクからすると、戦争よりもマンテ爺のことの方が気掛かりでどうするのか気になる。

「持東親王に提案したあと、みんなが戦ってくれてる間に、俺が忍者の里に向かって回収してくるよ」

「やはりそうでしたか......いや、考え過ぎでしょうか......嫌な予感がしていまして」

パスクは、アレクのスキルですら封印が解けないと聞いていたので、何かとはわからないがアレクに起こるのではないかと心配していた。

「嫌な予感?う~ん?俺は、感じないけど、パスクが言うなら警戒すべきだよね。どうしようかな?」

忍者の里からは、戦闘の出来る者は全員出払ったと聞いているので、アレクは一切心配することはないと考えていたが、一番身近にいるパスクの言葉なので、無視はできないと思ってしまった。

「俺がついて行けば問題ないだろう?忍者くらいなら、デストロイとオレールがいれば蹴散らせるだろうし、指揮はパスクが取ればいい。それに、ジキタリスもいるからな」

何か起こるにしろ起こらないにしろ、弟子であるアレクに、何か起こる可能性があるのであれば、師匠である自分が行くしかないと考えた。

「そうですね。ノックスさんがいれば安心ですが、何故か急に不安がよぎるのです。くれぐれも気を付けてください」

パスクは、ノックスの力を信じてはいるのだが、それ以上に不安が頭をよぎってしまい、憂いが頭から離れない。

「パスク、安心してよ。俺には、色々治す薬だってあるし、師匠もついてきてくれるんだからさ」

「安心しろ!俺は、ルシファーに屈辱を晴らしたから思い残すことはないし、いざとなったらアレク坊の身代わりになってやる」

アレクは、いざとなれば死者も復活させる蘇生薬も作ることが出来るので、憂いを感じることはないと思った。

「アレク様は、先日スキルを過信したばかりですよね?薬を使う前に何かあるかもと、色々考えられるのですよ。それに、ノックスさんは安易に身代わりとか言わないでください」

パスクにしては珍しく、少し低い声を出して、二人に釘を刺す。

「ごめん。万能って過信したらだめだよね。それに、マンテ爺をいち早く救わないといけないのに、万が一なんてあったらどうしようもないよね。それから、師匠はすぐ身代わりとか言うけど、死を連想する言葉は禁止だからね」

「悪いな。大事な仲間を死なすなら俺がと、頭によぎってしまうんだ。これからは、注意する。それと、アレク坊より俺の方が危険察知の能力は優れてるから、常に警戒しておく」

アレクとノックスは、パスクから言われた言葉を真摯に受け止めて、反省して前向きな発言をした。

「全部、蹴散らしゃいいんじゃねぇか?まだ始まってもねぇ戦争や憂いを話しても仕方ねぇよ」

デストロイは、ずっとそっぽを向いていたが、このタイミングで入ってきた。
しかも、いつも通りのデストロイらしく、全てを潰す発言をした。

「アッハハハ、デストロイらしいね。でも、それくらいの気持ちでいないとしんどくなるよね。デストロイ、気持ちを楽にしてくれてありがとう」

「うるせぇ~!気持ちわりぃこと言ってんじゃねぇよ。殺すぞ」

アレクが、本心からお礼を言ったので、デストロイは恥ずかしくなってしまい、顔を赤くしてまたそっぽを向いてしまった。
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