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第3章 アレクを狙って
第802話 アレクと関わりのある国が続々と動き出す!
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マンテ爺と忍者達の戦いの中にいた陛下は、忍者が発言した大和ノ国を恐れない発言や真っ先に命を狙ってきたことを持東親王に伝えると、持東親王は怒りをあらわにして、忍者の里に抗議文と、もし理由があるならば弁明の機会を与える文を送った。
しかし、忍者の里からの返答はなく、持東親王は戦の準備に入った。
「親王様、魔物の国の宰相パスク様より伝聞が届いております」
まだ若そうな文官らしき人物が、持東親王に手紙を渡した。持東親王は、すぐに開封して中身を読み始める。
「兵士達に、明日の進軍の中止と一時待機を命じる。だが、近いうちに大きな戦になると伝えろ」
いつにもなく語気の強い持東親王を前に焦った文官は、走って兵士達の下に向かう。
「歴史が大きく動くのか......だが、忍者共が大和ノ国を恐れないとはどういうことなのか......誓約の破棄?いや、そんなはずはない」
持東親王は、アレク達が動けば忍者もただでは済まないと考えている。しかし、戦の準備をしていた持東親王からすると、少し気が引けていたが、完全に決意が固まった。
◆
持東親王の決心がついた頃、他国でも続々と動き出していた。
最初に動き出したのは、実害にあった陛下だ。
「陛下、魔物の国が各国に忍者の里の件を報告しているようです。アレク王は、忍者の里からの謝罪を待っているようですが、マンテ爺の件もあるので、早急に動くでしょう」
陛下は、アントンのことを信じて、魔物の国から連絡があった場合、先に内容を確認して伝えるように言っていた。
「第三騎士団にいつでも出立できるよう準備を整えさせるのだ!余も、アレク王と共に敵を討ちに行くのでな!暫くアントンに任せるぞ」
「ハッ!陛下の最後の戦になるでしょう。本来であればお止め致しますが、忍者の蛮行を許せるはずがございませんからね。思う存分、痛め付けてきてください」
アントンは、陛下とマンテ爺を襲ってきた忍者に対して怒りをあらわにしていた。本来であれば、国のトップであり歳を召した陛下を止める役割りだが、今回に限っては珍しく感情的になって止めることをしなかった。
「フッハハハハ、まさかアントンが止めんとはな。今回余は、最前線で戦うつもりでおる。手配しておるものが届けばの話であるがな」
陛下が、誰に何を手配したかは語らないが、アントンは最前線で戦うことを咎めず、手配した物を聞こうとはしなかった。
◆
魔ノ国にパスクから連絡が入り、ジキタリスからラヴァーナへ知らせが送られた。
「魔王様、魔物の国がある者達に、全面戦争を仕掛けようとしている旨を先程パスク様より連絡が入りました」
ドワーフの国で、アマゾネスの監視をしていたラヴァーナは通信によって全面戦争が行われると聞かされて、思わず椅子から立ち上がる。
「全面戦争!?ジキタリス、詳しく話しなさい!」
ジキタリスは、忍者が陛下とマンテ爺を襲って、マンテ爺が呪いにかかったことを話す。そして、呪いを解く手がかりと忍者の蛮行を許せないということが伝えられた。
「ほぉ、ジキタリスよ。久しぶりに暴れてみる気はあるか?妾は、アレクとの約束でドワーフの国を離れられぬが、ジキタリスであればいけるであろう?」
「私ですか!?てっきり魔王様が出陣されると思っておりましたが、よろしいのですか?」
ジキタリスは、思いも寄らない答えが返ってきたので、素直に驚きを隠せずにいた。
「ジキタリスであれば、何も問題なく任務を遂行できるであろう。それに、日頃の鬱憤も溜まっておるのではないか?この機会にジキタリスが、どれだけ大変なことをしておるか、部下に押し付けるのもよかろう」
今は、宰相の位置におり内政をまとめ上げるジキタリスだが、本来はラヴァーナ並みに戦闘を好む人物であると知っているので、溜まった鬱憤を晴らす機会を与えた。それに、責任感が強いので、全て自分で片付けてしまい、部下が中々育たない現状をよく思っていなかったので、この機会に内政を部下達に任せようとした。
「魔王様が、そうおっしゃるのであれば、これより私は宰相ジキタリスではなく、冷知のジキタリスとして戦場に向かいたいと存じます。私、一人で参りたいのですが、許可を頂けますか?」
「好きにするがよい!四天王には妾から伝えておこう。アレク王に迷惑をかけぬよう好きに暴れてくるがよい」
通信の向こう側から不敵な笑みが溢れているのが伝わってきそうな話し方で話すジキタリスに、ラヴァーナは面白くなるなと思うのだった。
しかし、忍者の里からの返答はなく、持東親王は戦の準備に入った。
「親王様、魔物の国の宰相パスク様より伝聞が届いております」
まだ若そうな文官らしき人物が、持東親王に手紙を渡した。持東親王は、すぐに開封して中身を読み始める。
「兵士達に、明日の進軍の中止と一時待機を命じる。だが、近いうちに大きな戦になると伝えろ」
いつにもなく語気の強い持東親王を前に焦った文官は、走って兵士達の下に向かう。
「歴史が大きく動くのか......だが、忍者共が大和ノ国を恐れないとはどういうことなのか......誓約の破棄?いや、そんなはずはない」
持東親王は、アレク達が動けば忍者もただでは済まないと考えている。しかし、戦の準備をしていた持東親王からすると、少し気が引けていたが、完全に決意が固まった。
◆
持東親王の決心がついた頃、他国でも続々と動き出していた。
最初に動き出したのは、実害にあった陛下だ。
「陛下、魔物の国が各国に忍者の里の件を報告しているようです。アレク王は、忍者の里からの謝罪を待っているようですが、マンテ爺の件もあるので、早急に動くでしょう」
陛下は、アントンのことを信じて、魔物の国から連絡があった場合、先に内容を確認して伝えるように言っていた。
「第三騎士団にいつでも出立できるよう準備を整えさせるのだ!余も、アレク王と共に敵を討ちに行くのでな!暫くアントンに任せるぞ」
「ハッ!陛下の最後の戦になるでしょう。本来であればお止め致しますが、忍者の蛮行を許せるはずがございませんからね。思う存分、痛め付けてきてください」
アントンは、陛下とマンテ爺を襲ってきた忍者に対して怒りをあらわにしていた。本来であれば、国のトップであり歳を召した陛下を止める役割りだが、今回に限っては珍しく感情的になって止めることをしなかった。
「フッハハハハ、まさかアントンが止めんとはな。今回余は、最前線で戦うつもりでおる。手配しておるものが届けばの話であるがな」
陛下が、誰に何を手配したかは語らないが、アントンは最前線で戦うことを咎めず、手配した物を聞こうとはしなかった。
◆
魔ノ国にパスクから連絡が入り、ジキタリスからラヴァーナへ知らせが送られた。
「魔王様、魔物の国がある者達に、全面戦争を仕掛けようとしている旨を先程パスク様より連絡が入りました」
ドワーフの国で、アマゾネスの監視をしていたラヴァーナは通信によって全面戦争が行われると聞かされて、思わず椅子から立ち上がる。
「全面戦争!?ジキタリス、詳しく話しなさい!」
ジキタリスは、忍者が陛下とマンテ爺を襲って、マンテ爺が呪いにかかったことを話す。そして、呪いを解く手がかりと忍者の蛮行を許せないということが伝えられた。
「ほぉ、ジキタリスよ。久しぶりに暴れてみる気はあるか?妾は、アレクとの約束でドワーフの国を離れられぬが、ジキタリスであればいけるであろう?」
「私ですか!?てっきり魔王様が出陣されると思っておりましたが、よろしいのですか?」
ジキタリスは、思いも寄らない答えが返ってきたので、素直に驚きを隠せずにいた。
「ジキタリスであれば、何も問題なく任務を遂行できるであろう。それに、日頃の鬱憤も溜まっておるのではないか?この機会にジキタリスが、どれだけ大変なことをしておるか、部下に押し付けるのもよかろう」
今は、宰相の位置におり内政をまとめ上げるジキタリスだが、本来はラヴァーナ並みに戦闘を好む人物であると知っているので、溜まった鬱憤を晴らす機会を与えた。それに、責任感が強いので、全て自分で片付けてしまい、部下が中々育たない現状をよく思っていなかったので、この機会に内政を部下達に任せようとした。
「魔王様が、そうおっしゃるのであれば、これより私は宰相ジキタリスではなく、冷知のジキタリスとして戦場に向かいたいと存じます。私、一人で参りたいのですが、許可を頂けますか?」
「好きにするがよい!四天王には妾から伝えておこう。アレク王に迷惑をかけぬよう好きに暴れてくるがよい」
通信の向こう側から不敵な笑みが溢れているのが伝わってきそうな話し方で話すジキタリスに、ラヴァーナは面白くなるなと思うのだった。
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