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第3章 アレクを狙って
【3巻書籍化!発売中】第788話 大和ノ国の城と犯人の手掛かり!
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陛下は、持東親王が住まう城の見慣れない外観に興味津々となる。
「ほう~、余達が考える城とは一線を画しておるな。このような造りにした歴史が気になるぞ」
「これは、敵の侵入を防ぐためか。以前来た時にはなかったな。侵入経路がここだけというのもいい。それに、わざと登りにくくするために、石の階段にしているのか」
陛下が、城に夢中になっている最中、ノックスは水堀と縦幅が広く石の突起で登り辛くされた階段に目がいく。
「アッハハハハ、そんなにも一線を画すか。他国の王と蔵之助に勝った男に褒めてもらえるのは嬉しい」
持東親王は、階段を登り切ったところで待っていた。周りにいた側近達は、持東親王を見るやいなや膝を突いて頭を下げる。
その統率力に陛下は感心を覚えた。
「間違いでなければ良いが、持東親王とお見受けする。にしても、素晴らしい城と素晴らしい人材をお持ちのようであるな。持東親王の有能さが伺えて話すのが楽しみになる」
「素晴らしい城に素晴らしい人材か......確かに。だが、私の力ではない。ここにいる......いや、民達を含めた皆が頑張った結果さ。それから、ウズベル王、遠いところからわざわざ来てくれて感謝している。茶を用意しているから、飲みながら話をしよう」
持東親王の返答から、陛下は自分と近しい何か通ずるものを感じて、末永く付き合っていきたいのと、レオと繋がりを深めてほしいと思ってしまう。
持東親王の案内についていき、畳と掛け軸と壺が置かれた綺麗な和室に通される。
「ほぉ、ここに座ればよいのだな。うむ......うまく座れん。あイタタタ......」
持東親王の真似をして、正座をしようとしたが、初めての正座で陛下は足が攣りそうになる。
しかし、ノックスとマンテ爺は、気にすることなくあぐらをかいて座っていた。
「アッハハハハ。ウズベル王、無理に正座をする必要はない。ノックスと......ん?よく見たらマンテ爺!いつの間に人型になった?」
ノックスともう一人のようにあぐらでと言おうとした瞬間、そのもう一人がマンテ爺のオーラだとわかり、人型になっていることに驚いてしまう。
持東親王は、スピリチュアル的な意味のオーラが見える。
「親王、久しぶりじゃな。よくこの姿でワシとわかったのぅ。ちなみに、人型になった経緯は秘密じゃ。更に仲を深めてからじゃな」
「秘密とはツレない。ならば、これからは、定期的に城へ招くとしよう。どうせ、アレクが関わってるだろうからな」
持東親王は、くぅぅぅ~っと悔しい声を上げそうなほど、オーバーリアクションをしたが、アレクが関係してるだろうと踏んでいるので、すぐに冷静さを取り戻す。しかし、マンテ爺は下を向いてほくそ笑みながら、心の中で「外れじゃ」と思っていた。
「親王様、天井にいるやつは殺していいやつですか?さっきから視線が不快で堪りません」
ノックスは、魔物の国と王国の恥にならないように敬語を使って話す。
だが、棘がいっぱい生えている言葉を親王に投げつける。
「はぁ~、何故わかる。村最強の忍者と聞いたんだが......悪いが、外で待っていてくれ」
改めて、ノックスの実力を理解して、持東親王は頭を抱える。
そして、天井の方向を向いて、忍者に出ていくよう言う。
「親王様、過剰に反応したのは申し訳ない。誰かに見られているのは性に合わないのです」
「いや、すぐに見つかる忍びが悪い。村長に一言言ってやる!おっと、ウズベル王、待たせてしまって申し訳ない。何があったか聞かせてほしい」
ノックスは、敬語を使っているが、違和感しかない。
ここでやっと、本題である会談の話になる。
「王国内で、アレク王が忍者に襲われたのだ。捕まえてから自白薬を飲まし、尋問をしたのだが、何も吐かんかった。しかも、牢屋から痕跡を残さず消えてしまった......唯一、わかったのが、大和ノ国を追放された女忍者というくらいである......」
「それは、アレクに謝らないとな。王国にも迷惑かけたこと謝らせてほしい。女忍者の検討はついているが、力を取り戻していそうな気がする......面倒なことになっていなければいいが......」
女忍者で、すぐ誰なのかわかったが、持東親王は何か引っかかる。
「検討が付くのならばありがたい。して、力を取り戻したとはどういうことなのだ?痕跡がないことと、尋問に耐えたことに関係しておるのか?」
「その可能性が高い。忍者が追放される時は、復讐や他国で犯罪を犯さないよう、忍術を封印するのが決まりになっている。しかし、話を聞いていると、忍術以外に考えられない。封印を解いたのなら、即刻捕まえなければ厄介なことになるはずだ」
持東親王の言葉で、初めて忍術のこと陛下とノックスとマンテ爺は知るのであった。
「ほう~、余達が考える城とは一線を画しておるな。このような造りにした歴史が気になるぞ」
「これは、敵の侵入を防ぐためか。以前来た時にはなかったな。侵入経路がここだけというのもいい。それに、わざと登りにくくするために、石の階段にしているのか」
陛下が、城に夢中になっている最中、ノックスは水堀と縦幅が広く石の突起で登り辛くされた階段に目がいく。
「アッハハハハ、そんなにも一線を画すか。他国の王と蔵之助に勝った男に褒めてもらえるのは嬉しい」
持東親王は、階段を登り切ったところで待っていた。周りにいた側近達は、持東親王を見るやいなや膝を突いて頭を下げる。
その統率力に陛下は感心を覚えた。
「間違いでなければ良いが、持東親王とお見受けする。にしても、素晴らしい城と素晴らしい人材をお持ちのようであるな。持東親王の有能さが伺えて話すのが楽しみになる」
「素晴らしい城に素晴らしい人材か......確かに。だが、私の力ではない。ここにいる......いや、民達を含めた皆が頑張った結果さ。それから、ウズベル王、遠いところからわざわざ来てくれて感謝している。茶を用意しているから、飲みながら話をしよう」
持東親王の返答から、陛下は自分と近しい何か通ずるものを感じて、末永く付き合っていきたいのと、レオと繋がりを深めてほしいと思ってしまう。
持東親王の案内についていき、畳と掛け軸と壺が置かれた綺麗な和室に通される。
「ほぉ、ここに座ればよいのだな。うむ......うまく座れん。あイタタタ......」
持東親王の真似をして、正座をしようとしたが、初めての正座で陛下は足が攣りそうになる。
しかし、ノックスとマンテ爺は、気にすることなくあぐらをかいて座っていた。
「アッハハハハ。ウズベル王、無理に正座をする必要はない。ノックスと......ん?よく見たらマンテ爺!いつの間に人型になった?」
ノックスともう一人のようにあぐらでと言おうとした瞬間、そのもう一人がマンテ爺のオーラだとわかり、人型になっていることに驚いてしまう。
持東親王は、スピリチュアル的な意味のオーラが見える。
「親王、久しぶりじゃな。よくこの姿でワシとわかったのぅ。ちなみに、人型になった経緯は秘密じゃ。更に仲を深めてからじゃな」
「秘密とはツレない。ならば、これからは、定期的に城へ招くとしよう。どうせ、アレクが関わってるだろうからな」
持東親王は、くぅぅぅ~っと悔しい声を上げそうなほど、オーバーリアクションをしたが、アレクが関係してるだろうと踏んでいるので、すぐに冷静さを取り戻す。しかし、マンテ爺は下を向いてほくそ笑みながら、心の中で「外れじゃ」と思っていた。
「親王様、天井にいるやつは殺していいやつですか?さっきから視線が不快で堪りません」
ノックスは、魔物の国と王国の恥にならないように敬語を使って話す。
だが、棘がいっぱい生えている言葉を親王に投げつける。
「はぁ~、何故わかる。村最強の忍者と聞いたんだが......悪いが、外で待っていてくれ」
改めて、ノックスの実力を理解して、持東親王は頭を抱える。
そして、天井の方向を向いて、忍者に出ていくよう言う。
「親王様、過剰に反応したのは申し訳ない。誰かに見られているのは性に合わないのです」
「いや、すぐに見つかる忍びが悪い。村長に一言言ってやる!おっと、ウズベル王、待たせてしまって申し訳ない。何があったか聞かせてほしい」
ノックスは、敬語を使っているが、違和感しかない。
ここでやっと、本題である会談の話になる。
「王国内で、アレク王が忍者に襲われたのだ。捕まえてから自白薬を飲まし、尋問をしたのだが、何も吐かんかった。しかも、牢屋から痕跡を残さず消えてしまった......唯一、わかったのが、大和ノ国を追放された女忍者というくらいである......」
「それは、アレクに謝らないとな。王国にも迷惑かけたこと謝らせてほしい。女忍者の検討はついているが、力を取り戻していそうな気がする......面倒なことになっていなければいいが......」
女忍者で、すぐ誰なのかわかったが、持東親王は何か引っかかる。
「検討が付くのならばありがたい。して、力を取り戻したとはどういうことなのだ?痕跡がないことと、尋問に耐えたことに関係しておるのか?」
「その可能性が高い。忍者が追放される時は、復讐や他国で犯罪を犯さないよう、忍術を封印するのが決まりになっている。しかし、話を聞いていると、忍術以外に考えられない。封印を解いたのなら、即刻捕まえなければ厄介なことになるはずだ」
持東親王の言葉で、初めて忍術のこと陛下とノックスとマンテ爺は知るのであった。
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