上 下
676 / 730
第3章 アレクを狙って

【3巻書籍化!発売中】第783話 ドワーフはドワーフだった!改めて痛感する!

しおりを挟む
移動という面では、アレクとラヴァーナが揃っているので、あっさりと解決した。
アレクは、すぐさま魔物の国に転移をして、ドワーフと弟子の魔物を連れてきて、ドワーフの国の再建に取り掛かる。
ラヴァーナの許可を取って、アレクは魔ノ国から技術者を連れてきて、ドワーフの国が魔物の国と魔ノ国を行き来できるように、転移魔道具を設置した。

「もう少し時間がかかるとは思うけど、これだけのドワーフがいたら、かなり早いね。しかも、魔物の国の最新技術も取り入れてるのに、すぐ理解しちゃうし、凄いよ」

おやっさんや他の魔物の国にいるドワーフから、魔物の国の技術を使って再建したいとの申し出があり、アレクは許可を出した。
最初、ドワーフの国のドワーフは見知らぬ未知の技術に戸惑ってはいたが、あっさり習得して、再建を進めている。

「アレク王、この度は我々の国の再建に手を貸して頂いただけでなく、素晴らしい技術の提供まで感謝している。すぐに返せるものがないのが申し訳ない」

「いやいや、魔物の国もドワーフには世話になってるからさ。その恩返しだよ。それより、再建は簡単だけど、これから国を動かす人材を確保するの大変じゃない?」

セゲルは、再建していく姿を眺めていたアレクの横にやってきてお礼を言う。
アレクは、王城内で大勢のドワーフがなくなり、兵士や国を動かしていた人物がいないのではと懸念する。

「申し訳ないが、お言葉に甘えさせてもらう。それが、そうでもない。兵士を育てるのは急務ではあるが、王に反発して追い出された優秀な元文官達が大勢いる。とりあえず、なんとか国を維持することは可能だと思う」

アレクが懸念していることは、あまり気にする必要はないようだ。

「あ!山岳地帯なら、早急に兵力が必要というわけではないね。それよりも、優秀な人材が生きてたのが大きいよ。軌道に乗るまで食べ物とかは、魔物の国と魔ノ国から支援出来るし大丈夫そうだね」

「ここまで支援してもらって、本当に感謝している。もし、力になれることがあればいつでも言ってほしい!だが、本来であれば、個人的に酒の知識に目がくらみ弟子入りしたいまである。アッハハハハ」

アレクの寛大な支援にセゲルは感動してしまう。
しかし、やはりドワーフといったところで、酒には目がないらしく、本当なら王様など成らずに魔物の国に行きたいと思っている。

「アハハ、弟子って、俺は製法を知ってるだけだよ。セゲルは、しっかりと王を務めてね。あと、ドワーフなら大丈夫だと思うけど、建築技術と酒の製法は、まだ門外不出にしたいから、秘密でお願いします」

「ドワーフが滅びようと、技術と酒に関しては口が裂けても漏らさん。もし、そんな輩がいれば神からの天罰が下るだろう。おっと、言い忘れるところだった。大勢のドワーフ達を受け入れてくれたこと感謝する」

前ドワーフ王に耐え兼ねた者達を、魔物の国に受け入れてもらい、全員が幸せに生活していることを聞いたセゲルは、改めてアレクに感謝した。

「はじめは、お互いの利害が一致したからだったけど、今は大切な仲間だし、人間よりも信用が置ける種族だと思ってる。俺としても、ドワーフが仲間になってくれてありがとうだよ」

ドワーフは、技術的なことや酒のことになると、少し周りが見えなくなる傾向があるが、それ以外のことに関しては、一番信頼の置ける種族だと思っている。

「アッハハハハ、俺達のことをここまで良く言ってくれるやつは、早々いない。今夜も、呑み明かそうぞ」

嬉しくなったセゲルは、呑み明かそうと提案するが、本心は只々酒を呑みたいだけの呑兵衛なだけなのだ。

「アレク、復活したぞい!名付けて高魔力壱式じゃ!神力にはまだ耐えれんが、前回の倍の魔力を込めても平気じゃぞ」

アレクとセゲルの話し合いが終わると、壊れたはずの巨大武器を両手で担いだおやっさんがやってきた。

「おやっさん、もう復活させたの?前と変わりはなさそうだけど......違いがあるの?」

「魔王様からシールドを発生する魔道具を貰ったんじゃが、それを埋め込んでのぅ。魔力に耐えれるようにしたんじゃ。これから、弐式参式と作っていくわい。そうじゃ、剣とガントレットを渡してくれんか?」

アレクは、国の再建中に何をしてるんだと思いながらも、ドワーフなら仕方ないかと思う。

「魔王様もおやっさんも何やってるの!まさか、進化して返ってくるとは思わなかったよ。剣とガントレット?いいけど......まぁ、あとで聞こうかな」

アレクは、剣とガントレットがどうなるのか聞こうとしたが、出来上がってからのお楽しみでもいいかと感じて聞くのをやめた。

「ガッハハハハ、楽しみに待ってるんじゃ!さらなる進化を経て戻ってくるぞい。期待して待っとれ」

おやっさんは、アレクに高魔力壱式を渡して、剣とガントレットを受け取ると「ガッハハハハ」と大笑いして去っていくのだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話

ラララキヲ
恋愛
 長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。  初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。  しかし寝室に居た妻は……  希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──  一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……── <【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました> ◇テンプレ浮気クソ男女。 ◇軽い触れ合い表現があるのでR15に ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇ご都合展開。矛盾は察して下さい… ◇なろうにも上げてます。 ※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)

妹だけを可愛がるなら私はいらないでしょう。だから消えます……。何でもねだる妹と溺愛する両親に私は見切りをつける。

しげむろ ゆうき
ファンタジー
誕生日に買ってもらったドレスを欲しがる妹 そんな妹を溺愛する両親は、笑顔であげなさいと言ってくる もう限界がきた私はあることを決心するのだった

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。

彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。 父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。 わー、凄いテンプレ展開ですね! ふふふ、私はこの時を待っていた! いざ行かん、正義の旅へ! え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。 でも……美味しいは正義、ですよね? 2021/02/19 第一部完結 2021/02/21 第二部連載開始 2021/05/05 第二部完結

妹しか愛していない母親への仕返しに「わたくしはお母様が男に無理矢理に犯されてできた子」だと言ってやった。

ラララキヲ
ファンタジー
「貴女は次期当主なのだから」  そう言われて長女のアリーチェは育った。どれだけ寂しくてもどれだけツラくても、自分がこのエルカダ侯爵家を継がなければいけないのだからと我慢して頑張った。  長女と違って次女のルナリアは自由に育てられた。両親に愛され、勉強だって無理してしなくてもいいと甘やかされていた。  アリーチェはそれを羨ましいと思ったが、自分が長女で次期当主だから仕方がないと納得していて我慢した。  しかしアリーチェが18歳の時。  アリーチェの婚約者と恋仲になったルナリアを、両親は許し、二人を祝福しながら『次期当主をルナリアにする』と言い出したのだ。  それにはもうアリーチェは我慢ができなかった。  父は元々自分たち(子供)には無関心で、アリーチェに厳し過ぎる教育をしてきたのは母親だった。『次期当主だから』とあんなに言ってきた癖に、それを簡単に覆した母親をアリーチェは許せなかった。  そして両親はアリーチェを次期当主から下ろしておいて、アリーチェをルナリアの補佐に付けようとした。  そのどこまてもアリーチェの人格を否定する考え方にアリーチェの心は死んだ。  ──自分を愛してくれないならこちらもあなたたちを愛さない──  アリーチェは行動を起こした。  もうあなたたちに情はない。   ───── ◇これは『ざまぁ』の話です。 ◇テンプレ [妹贔屓母] ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇ご都合展開。矛盾もあるかも。 ◇なろうにも上げてます。 ※HOTランキング〔2位〕(4/19)☆ファンタジーランキング〔1位〕☆入り、ありがとうございます!!

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。