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第3章 アレクを狙って
【3巻書籍化!発売中】第778話 おやっさんのさらなる新武器!高魔力砲ゼロ式!
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アレクは、神力の結界で城を封印したまま、ラヴァーナと一緒におやっさんが待つ場所へと向かった。
おやっさんの建てた平屋に着くと、事前に用意していたシーツが広げられて、その上に完治したドワーフが寝かされていた。
「おやっさん、戻ったよ。大変な作業と病人の看病まで頼んでごめんなさい。本当に助かったよ」
「ガッハハハハ、魔物の街を作り始めた時に比べればどうってことないわい。神力を使ったようじゃが、何かあったのか?」
魔物の街は、何もないところからスタートして、数日で生活の出来る場所にするという、あり得ない作業をやり遂げたことにより、おやっさん含め魔物の国に住むドワーフは、ちょっとやそっとのことでは根を上げることも驚くこともしない。
「おやっさんは、超人過ぎるよ。えっと、ここまで酷くなったのが、ネズミのせいで、しかも突然変異の巨大ネズミが現れて、一応倒したんだけど、病の原因の煙を大量に吐き出したのと煙で狂暴化したネズミが襲い掛かってきて封印せざるを得なかった。それに、城にいたドワーフは全員ミイラ化してたから助けられなかったんだよ」
「想像しただけでおぞましいわい。それよりも、坊主が無事でなりよりじゃ。それで、あの封印した城はどうするつもりなんじゃ?」
おやっさんは、ドワーフがミイラ化していたことに触れるよりも先に、アレクの身体を気遣う言葉を投げかけた。
正直アレクは、心配されるとは思っておらず、素直に嬉しい気持ちになる。
「城に関しては、おやっさんとアナベルに相談しようと思ってる。無理矢理に遺体を回収するか?封印出来てる間に、あの空間の中を蒸発させて二次災害を食い止めるかだね。二人に、どうするか決めてほしい」
「蒸発させるべきじゃろう。死んでいった者には悪いのじゃが、生きておるドワーフが優先じゃ。魔王様も、良いか?」
おやっさんは、迷う事なく一番確実かつドワーフの国が生き残る道を選択した。
「妾は、ドワーフであるおやっさんと現場を見たアレクに同意する。だが、目覚めたドワーフが騒ぎ出すかもしれぬが、おやっさんは良いのか?」
ドワーフが目覚めた時に、国の象徴である城が亡くなっていることやドワーフ王が亡くなっている状況を受け入れられるのか気になったラヴァーナは、そこだけ懸念する。
「無意味に壊されたのなら、総力を上げて報復するじゃろうが、今回は逆じゃ!感謝はすれど、仇で返すようなドワーフではないわい。ワシのおらん間に考えが変わったのなら、見捨てるだけじゃ。すでに、ワシの居場所は、魔物の国じゃ!それに、ワシの敬愛する王は、アレク王......お前だけじゃわい」
おやっさんは、初めてアレクを坊主ではなく王と呼んだ。アレクは、いつの間にか、ここまでの信頼関係をおやっさんと結べていたことに嬉しさが込み上げてしまう。
「おやっさん、素直に嬉しいから、余計に恥ずかしくなるよ。わかった。あの元凶を消し去ってくるよ」
「坊主、ちょうど試したいものがあるんじゃが、試作武器を試してみんか?」
アレクが、照れ笑いを浮かべて、さぁ行くぞと意気込んでいると、おやっさんは魔法鞄から巨大な近未来型の電磁砲みたいな物を取り出した。
「な、何これ?ロボットが持つ武器の大きさだよ。でも、これどうやって使うの?」
「ロボットとはなんじゃ?またワシの知らん武器か?あとで根掘り葉掘り教えてもらうからのぅ。これは、脇に抱えて魔力を込めて撃つだけじゃ」
日本にいた時に良く見ていた某ロボットが構えて撃っているような武器だと思ってしまう。
おやっさんは、またしてもアレクの言葉から新武器かと興奮している。
「まぁ、ロボットは追々ね。何言ってるかわらないけど、この世界にロボットはロマンがなくなっちゃうからさ。じゃあ、とりあえずおやっさんの新武器を信じて使ってみるよ」
「ガッハハハハ、ロマンじゃと?まぁ、話は聞いてからじゃな。まずは、高魔力砲ゼロ式をぶっ放してくれんか」
おやっさんは、すでに武器の名前を付けているのだが、恐ろしい武器を連想させるようなネーミングで、アレクは放って大丈夫なのだろうかと思う。
アレクは、武器を抱えて空へと飛ぶ。
「凄く重たいし、大きいけど、おやっさんはなんのために作ったんだろう?まぁ、戻って聞いたらいいか。よし、魔力を込めるよ」
アレクは、上空に行き、城のてっぺんが見渡せる位置に来た。そして、高魔力砲ゼロ式を構えて魔力を注ぎ込む。すると、魔力を注いだ瞬間、プシューと音が鳴って開閉部から少し白い煙が漏れたあと、ヴゥゥ~ンと何かが溜まっていく音が鳴る。
「おやっさん.......これは、ロマン武器過ぎるよ......でも、神力を突き抜けれるのかな?神力も混ぜた方がいいよね」
アレクが、魔力と一緒に神力を混ぜると、高魔力砲ゼロ式はヴゥゥ~ンという音からガタガタガタと壊れそうな音に変わる。
「え?ちょ、ちょっと待って。これヤバいやつだよね。このまま爆破したら俺絶対死んじゃうし、撃つしかないよね......え?」
限界を迎えたと思ったアレクは、高魔力砲ゼロ式を城目掛けて放つ。すると、圧縮された魔力波が撃ち出されて城に直撃する。
アレクは、前世の映画やアニメでしか見たことの光景に思わず、間抜けな声が出てしまう。
「うわっ......」
直撃した次の瞬間、城を貫いた魔力波は大爆発を起こして、閃光と暴風にアレクは飲み込まれてしまうのだった。
おやっさんの建てた平屋に着くと、事前に用意していたシーツが広げられて、その上に完治したドワーフが寝かされていた。
「おやっさん、戻ったよ。大変な作業と病人の看病まで頼んでごめんなさい。本当に助かったよ」
「ガッハハハハ、魔物の街を作り始めた時に比べればどうってことないわい。神力を使ったようじゃが、何かあったのか?」
魔物の街は、何もないところからスタートして、数日で生活の出来る場所にするという、あり得ない作業をやり遂げたことにより、おやっさん含め魔物の国に住むドワーフは、ちょっとやそっとのことでは根を上げることも驚くこともしない。
「おやっさんは、超人過ぎるよ。えっと、ここまで酷くなったのが、ネズミのせいで、しかも突然変異の巨大ネズミが現れて、一応倒したんだけど、病の原因の煙を大量に吐き出したのと煙で狂暴化したネズミが襲い掛かってきて封印せざるを得なかった。それに、城にいたドワーフは全員ミイラ化してたから助けられなかったんだよ」
「想像しただけでおぞましいわい。それよりも、坊主が無事でなりよりじゃ。それで、あの封印した城はどうするつもりなんじゃ?」
おやっさんは、ドワーフがミイラ化していたことに触れるよりも先に、アレクの身体を気遣う言葉を投げかけた。
正直アレクは、心配されるとは思っておらず、素直に嬉しい気持ちになる。
「城に関しては、おやっさんとアナベルに相談しようと思ってる。無理矢理に遺体を回収するか?封印出来てる間に、あの空間の中を蒸発させて二次災害を食い止めるかだね。二人に、どうするか決めてほしい」
「蒸発させるべきじゃろう。死んでいった者には悪いのじゃが、生きておるドワーフが優先じゃ。魔王様も、良いか?」
おやっさんは、迷う事なく一番確実かつドワーフの国が生き残る道を選択した。
「妾は、ドワーフであるおやっさんと現場を見たアレクに同意する。だが、目覚めたドワーフが騒ぎ出すかもしれぬが、おやっさんは良いのか?」
ドワーフが目覚めた時に、国の象徴である城が亡くなっていることやドワーフ王が亡くなっている状況を受け入れられるのか気になったラヴァーナは、そこだけ懸念する。
「無意味に壊されたのなら、総力を上げて報復するじゃろうが、今回は逆じゃ!感謝はすれど、仇で返すようなドワーフではないわい。ワシのおらん間に考えが変わったのなら、見捨てるだけじゃ。すでに、ワシの居場所は、魔物の国じゃ!それに、ワシの敬愛する王は、アレク王......お前だけじゃわい」
おやっさんは、初めてアレクを坊主ではなく王と呼んだ。アレクは、いつの間にか、ここまでの信頼関係をおやっさんと結べていたことに嬉しさが込み上げてしまう。
「おやっさん、素直に嬉しいから、余計に恥ずかしくなるよ。わかった。あの元凶を消し去ってくるよ」
「坊主、ちょうど試したいものがあるんじゃが、試作武器を試してみんか?」
アレクが、照れ笑いを浮かべて、さぁ行くぞと意気込んでいると、おやっさんは魔法鞄から巨大な近未来型の電磁砲みたいな物を取り出した。
「な、何これ?ロボットが持つ武器の大きさだよ。でも、これどうやって使うの?」
「ロボットとはなんじゃ?またワシの知らん武器か?あとで根掘り葉掘り教えてもらうからのぅ。これは、脇に抱えて魔力を込めて撃つだけじゃ」
日本にいた時に良く見ていた某ロボットが構えて撃っているような武器だと思ってしまう。
おやっさんは、またしてもアレクの言葉から新武器かと興奮している。
「まぁ、ロボットは追々ね。何言ってるかわらないけど、この世界にロボットはロマンがなくなっちゃうからさ。じゃあ、とりあえずおやっさんの新武器を信じて使ってみるよ」
「ガッハハハハ、ロマンじゃと?まぁ、話は聞いてからじゃな。まずは、高魔力砲ゼロ式をぶっ放してくれんか」
おやっさんは、すでに武器の名前を付けているのだが、恐ろしい武器を連想させるようなネーミングで、アレクは放って大丈夫なのだろうかと思う。
アレクは、武器を抱えて空へと飛ぶ。
「凄く重たいし、大きいけど、おやっさんはなんのために作ったんだろう?まぁ、戻って聞いたらいいか。よし、魔力を込めるよ」
アレクは、上空に行き、城のてっぺんが見渡せる位置に来た。そして、高魔力砲ゼロ式を構えて魔力を注ぎ込む。すると、魔力を注いだ瞬間、プシューと音が鳴って開閉部から少し白い煙が漏れたあと、ヴゥゥ~ンと何かが溜まっていく音が鳴る。
「おやっさん.......これは、ロマン武器過ぎるよ......でも、神力を突き抜けれるのかな?神力も混ぜた方がいいよね」
アレクが、魔力と一緒に神力を混ぜると、高魔力砲ゼロ式はヴゥゥ~ンという音からガタガタガタと壊れそうな音に変わる。
「え?ちょ、ちょっと待って。これヤバいやつだよね。このまま爆破したら俺絶対死んじゃうし、撃つしかないよね......え?」
限界を迎えたと思ったアレクは、高魔力砲ゼロ式を城目掛けて放つ。すると、圧縮された魔力波が撃ち出されて城に直撃する。
アレクは、前世の映画やアニメでしか見たことの光景に思わず、間抜けな声が出てしまう。
「うわっ......」
直撃した次の瞬間、城を貫いた魔力波は大爆発を起こして、閃光と暴風にアレクは飲み込まれてしまうのだった。
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