669 / 730
第3章 アレクを狙って
【3巻書籍化!発売中】第776話 悲惨な現場と大量の〇〇!
しおりを挟む
アレクとラヴァーナは、家を一つ一つ回って治療をしていき、おやっさんが早急で作った台車でラヴァーナがどんどん患者を運んでいく。
「アナベル、これとこれ飲んで。おやっさんにも渡しといてね。あとは、城の人達だね。でもさ......アナベルも気付いてる?」
ラヴァーナに、緑死病の特効薬と栄養ドリンクを渡す。
ラヴァーナは、アレクのことを信用してるので二本ともすぐ飲む。
「こいつは、凄いぞ!体が軽くなっておる。それよりも、城のあの気配か!時間が経つごとに溢れ出ておるな。妾も一緒に行った方がよいか?」
「う~ん?アナベルは、感染してたみたいだからやめとこう。城はどうにかするから、その特効薬と栄養剤をおやっさんにも飲ませてあげて。もしかしたら、アナベルと同じで感染してる可能性があるからね」
ラヴァーナは、疲れているせいで体が重たいのかと思っていたが、アレクの言葉で感染していたことに気付く。
アレクも、連れていけるものなら連れて行きたいのだが、嫌な気配が城からどんどん立ち込めており、医療や感染対策に対して無知なラヴァーナを連れて行くのは愚策だと考えた。
「本来であれば付いていくと言うところではあるが、妾のできることは無さそうであるな。こっちは、任せてほしい。絶対に死なぬようにな」
ラヴァーナは、付いていくと邪魔になると判断して本意ではないが、受け入れて自分が出来ることをしようと考えた。
「ありがとう。アナベルとおやっさんも大変だと思うけど、あと一息だから乗り越えよう。じゃあ、俺は城に行ってくるね」
ラヴァーナは、おやっさんのところへ足早に向かい、アレクはドワーフ王が待っているであろう王城に向かうのだった。
◆
「うわぁ。真っ暗だし、魔物らしい気配も感じるし......おやっさんの装備を試してみようかな」
アレクは、防護服を脱いで通常の服におやっさんの防具を着る。そして、剣を装備する。
更に、アレクは緑死病の高濃度ワクチンと免疫力増加薬を摂取した。
「感染するのは嫌だけど、防護服だと戦えなさそうなんだよね。はぁ~、よし!行こう」
高濃度のワクチンと免疫力を上げたとはいえ、防護服なしで突入するのは無謀に見えるが、それくらいしないと厄介な何かに遅れを取るとアレクは感じた。
王城に入ると、予想通り中は真っ暗で何も見えない状態だ。だが、アレクには何かが今にも襲い掛かってきそうな予感がヒシヒシを伝わってくる。
「これで見えるようになったけど、懐中電灯とか光を照らす魔道具を作ってもらうの忘れてたよ。おっと、それよりも倒れてる人をどうにかしないと」
身近なものほど気付かないとは、このことで、真っ暗な場所に行って初めて懐中電灯の必要性に気付いた。
しかし、無いものは仕方ないとアレクは神力を体に纏って、贅沢なライト代わりにする。
「これは酷い.......」
うつ伏せに倒れていたドワーフ達を仰向けにしたところ何かに生気を吸われたようにミイラ化していた。
「こっちも駄目みたいだね。それにしても、見られてる気配はあるのに全く襲ってくる気配がないのが、よくわからないよ」
一部屋一部屋入念に見て回るが、先程と同じで、全員がミイラ化していた。
アレクは、助けることが出来ないままとうとうドワーフ王がいるであろう謁見の間に着く。しかし、謁見の間の入り口には武装したドワーフのミイラが20人くらい横たわっていた。
「思ったより遅かったね。襲い掛かってくるのはいいけど、気配の消し方が全くなってないよ。にしても、この武器反則じゃない?」
目が真っ赤な通常より2倍の大きさくらいのネズミが大量に四方から襲ってきたのだが、アレクが剣を1振りすると風の刃のようなものが飛んで、一気に大量のネズミが真っ二つになった。ちなみに、四方だったので実質4振りで虚威を排除した。
「このネズミが元凶ってわけね。でも、この扉の向こうから嫌な気配が伝わってくるんだよね。まぁ、言ってみるか」
謁見の間の扉は、見るからに強固に出来ていた。アレクは、開けるのも一苦労だと判断して、魔力を剣に通してから扉を斬り裂いた。すると、豆腐を切ったかのようにスパンと簡単に細切れになった。
「ゲホゲホゲホゲホ」
剣の威力に驚く暇もなく、中から緑色の煙が溢れ出てきてアレクを包み込むのだった。
「アナベル、これとこれ飲んで。おやっさんにも渡しといてね。あとは、城の人達だね。でもさ......アナベルも気付いてる?」
ラヴァーナに、緑死病の特効薬と栄養ドリンクを渡す。
ラヴァーナは、アレクのことを信用してるので二本ともすぐ飲む。
「こいつは、凄いぞ!体が軽くなっておる。それよりも、城のあの気配か!時間が経つごとに溢れ出ておるな。妾も一緒に行った方がよいか?」
「う~ん?アナベルは、感染してたみたいだからやめとこう。城はどうにかするから、その特効薬と栄養剤をおやっさんにも飲ませてあげて。もしかしたら、アナベルと同じで感染してる可能性があるからね」
ラヴァーナは、疲れているせいで体が重たいのかと思っていたが、アレクの言葉で感染していたことに気付く。
アレクも、連れていけるものなら連れて行きたいのだが、嫌な気配が城からどんどん立ち込めており、医療や感染対策に対して無知なラヴァーナを連れて行くのは愚策だと考えた。
「本来であれば付いていくと言うところではあるが、妾のできることは無さそうであるな。こっちは、任せてほしい。絶対に死なぬようにな」
ラヴァーナは、付いていくと邪魔になると判断して本意ではないが、受け入れて自分が出来ることをしようと考えた。
「ありがとう。アナベルとおやっさんも大変だと思うけど、あと一息だから乗り越えよう。じゃあ、俺は城に行ってくるね」
ラヴァーナは、おやっさんのところへ足早に向かい、アレクはドワーフ王が待っているであろう王城に向かうのだった。
◆
「うわぁ。真っ暗だし、魔物らしい気配も感じるし......おやっさんの装備を試してみようかな」
アレクは、防護服を脱いで通常の服におやっさんの防具を着る。そして、剣を装備する。
更に、アレクは緑死病の高濃度ワクチンと免疫力増加薬を摂取した。
「感染するのは嫌だけど、防護服だと戦えなさそうなんだよね。はぁ~、よし!行こう」
高濃度のワクチンと免疫力を上げたとはいえ、防護服なしで突入するのは無謀に見えるが、それくらいしないと厄介な何かに遅れを取るとアレクは感じた。
王城に入ると、予想通り中は真っ暗で何も見えない状態だ。だが、アレクには何かが今にも襲い掛かってきそうな予感がヒシヒシを伝わってくる。
「これで見えるようになったけど、懐中電灯とか光を照らす魔道具を作ってもらうの忘れてたよ。おっと、それよりも倒れてる人をどうにかしないと」
身近なものほど気付かないとは、このことで、真っ暗な場所に行って初めて懐中電灯の必要性に気付いた。
しかし、無いものは仕方ないとアレクは神力を体に纏って、贅沢なライト代わりにする。
「これは酷い.......」
うつ伏せに倒れていたドワーフ達を仰向けにしたところ何かに生気を吸われたようにミイラ化していた。
「こっちも駄目みたいだね。それにしても、見られてる気配はあるのに全く襲ってくる気配がないのが、よくわからないよ」
一部屋一部屋入念に見て回るが、先程と同じで、全員がミイラ化していた。
アレクは、助けることが出来ないままとうとうドワーフ王がいるであろう謁見の間に着く。しかし、謁見の間の入り口には武装したドワーフのミイラが20人くらい横たわっていた。
「思ったより遅かったね。襲い掛かってくるのはいいけど、気配の消し方が全くなってないよ。にしても、この武器反則じゃない?」
目が真っ赤な通常より2倍の大きさくらいのネズミが大量に四方から襲ってきたのだが、アレクが剣を1振りすると風の刃のようなものが飛んで、一気に大量のネズミが真っ二つになった。ちなみに、四方だったので実質4振りで虚威を排除した。
「このネズミが元凶ってわけね。でも、この扉の向こうから嫌な気配が伝わってくるんだよね。まぁ、言ってみるか」
謁見の間の扉は、見るからに強固に出来ていた。アレクは、開けるのも一苦労だと判断して、魔力を剣に通してから扉を斬り裂いた。すると、豆腐を切ったかのようにスパンと簡単に細切れになった。
「ゲホゲホゲホゲホ」
剣の威力に驚く暇もなく、中から緑色の煙が溢れ出てきてアレクを包み込むのだった。
157
お気に入りに追加
5,415
あなたにおすすめの小説
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
妹だけを可愛がるなら私はいらないでしょう。だから消えます……。何でもねだる妹と溺愛する両親に私は見切りをつける。
しげむろ ゆうき
ファンタジー
誕生日に買ってもらったドレスを欲しがる妹
そんな妹を溺愛する両親は、笑顔であげなさいと言ってくる
もう限界がきた私はあることを決心するのだった
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。
彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。
父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。
わー、凄いテンプレ展開ですね!
ふふふ、私はこの時を待っていた!
いざ行かん、正義の旅へ!
え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。
でも……美味しいは正義、ですよね?
2021/02/19 第一部完結
2021/02/21 第二部連載開始
2021/05/05 第二部完結
妹しか愛していない母親への仕返しに「わたくしはお母様が男に無理矢理に犯されてできた子」だと言ってやった。
ラララキヲ
ファンタジー
「貴女は次期当主なのだから」
そう言われて長女のアリーチェは育った。どれだけ寂しくてもどれだけツラくても、自分がこのエルカダ侯爵家を継がなければいけないのだからと我慢して頑張った。
長女と違って次女のルナリアは自由に育てられた。両親に愛され、勉強だって無理してしなくてもいいと甘やかされていた。
アリーチェはそれを羨ましいと思ったが、自分が長女で次期当主だから仕方がないと納得していて我慢した。
しかしアリーチェが18歳の時。
アリーチェの婚約者と恋仲になったルナリアを、両親は許し、二人を祝福しながら『次期当主をルナリアにする』と言い出したのだ。
それにはもうアリーチェは我慢ができなかった。
父は元々自分たち(子供)には無関心で、アリーチェに厳し過ぎる教育をしてきたのは母親だった。『次期当主だから』とあんなに言ってきた癖に、それを簡単に覆した母親をアリーチェは許せなかった。
そして両親はアリーチェを次期当主から下ろしておいて、アリーチェをルナリアの補佐に付けようとした。
そのどこまてもアリーチェの人格を否定する考え方にアリーチェの心は死んだ。
──自分を愛してくれないならこちらもあなたたちを愛さない──
アリーチェは行動を起こした。
もうあなたたちに情はない。
─────
◇これは『ざまぁ』の話です。
◇テンプレ [妹贔屓母]
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾もあるかも。
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング〔2位〕(4/19)☆ファンタジーランキング〔1位〕☆入り、ありがとうございます!!
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。