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第3章 アレクを狙って
第772話 おやっさんの新武器と新防具!
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アレクとラヴァーナとおやっさんは、魔ノ国の兵士が使っているワイバーンに乗ってドワーフの国に向かっている。
「ドワーフの国で気をつけることってあるのかな?」
おやっさんなど数多くのドワーフと絡んで来たのだが、お酒が好きなのと技術を持つ人を敬う心を持ち、良い意味でプライドが高い種族ということだけしかわかっていない。
「そうじゃなぁ?鍛冶でも建築でもいいんじゃが、頑張っておるやつを馬鹿にするやつは許せんのぅ。あとは、酒を軽く扱うやつは万死に値するわい」
おやっさんの話を聞いたアレクは、そのままの意味で捉えてもいいが、酒に関してはいくつもの意味合いが込められているのだろうと勝手に推測した。
「やっぱり技術と酒なんだね。想像と同じだったよ。でも、本当にこんな格好でよかったの?王族同士の話し合いなのに」
「構わん!ドワーフは正装に拘る種族ではないからな。それよりも、優れた武器と防具を身に着けておる方が敬われるわい」
この短い話だけでドワーフは、普通の感覚ではないことがわかったのと、アレクの持っている武器は、おやっさんの特注なので見せびらかすくらいのことをして優位に立てばいいと考えた。
「坊主、昨日急遽作った武器と防具を渡しておくぞい。こいつを着けておけばドワーフ王もぶったまげるわい。あのハンマーを手に入れてから最高の仕上がりだからのぅ」
アレクと一緒にワイバーンに乗っているおやっさんが、魔法鞄から武器と防具を取り出した。
だが、一見防具は何の変哲もない服だ。剣に関してもきらびやかな装飾がされているわけでもなく、普通の剣に見えた。
「これは......反則じゃない?多分、鑑定が使えない人なら知らずに攻撃してきて為すすべなく終わっちゃうよね?」
アレクは、魔法鞄に仕舞う前に性能を知りたくて鑑定を使った。すると、防具には腐食と自己修復と耐熱と物理・魔法50%減が付与されていた。更に、剣は自己修復と魔法付与連動率増と可変式武器が付与されていた。
素材も、最強に分類される魔物ばかりで驚く。
「凄いじゃろ?色々研究しておってのぅ。素材のスキルを維持したまま武器と防具を作れないかと思っておったのじゃ。性能に関しては、あとで説明するわい。あと、魔王様がおるからどう作れたかは、内緒じゃがな」
「ス、スキルが付いた武具だと!?ズルいではないか!妾もほしいぞ!それに、同盟も組んでおるのに秘密なのか?」
おやっさんは、魔物の国のことを考えて作り方を秘密にしたが、本来であればスキルを維持したまま作成できることも秘密にしなくてはならない。
しかし、魔ノ国とは協力関係でもあるのと、魔道具の技術提供をより打診しやすいようにあえて明かした。
そして、案の定ラヴァーナは、おやっさんの罠に嵌まる。
「おやっさん、アナベルがほしそうにしてるけど、どうする?おやっさんが条件を決めていいよ。あと、製法については駄目かな。同盟を組んでても、ちょっと話せない内容が絡んでると思うからさ」
普通の国であれば、トップである王が全て決めるのだが、アレクは一人一人を大切にしようと思っているので、こういう個人が生み出した物に対しては、本人に任せようと考えている。
「話せない内容とはなんなのだ?妾とアレクの仲......なんでもない。うむ。おやっさんの条件を聞こう」
ラヴァーナが、突っ込んで話をした瞬間、アレクは魔力を放出させて牽制した。
アレクは、口には出さないが、親しき仲にも礼儀ありだろうと内心思っている。
「坊主、魔力を抑えるんじゃ。ワシには、辛いわい」
「あ!ごめんなさい。抑えるね」
アレクに掴まって後ろに乗っている一般人のおやっさんからすると、間近で大量の魔力を強力な重力に圧し潰されそうになっている。
「ワシを殺す気かと思ったわい。それより交渉じゃったな。そうじゃなぁ、こちらが要求する魔道具の無償提供じゃな。まずは、作っておる魔道具のリストがほしいわい」
「無償提供は妥当であるな。しかし、こちらとしても全ての魔道具を開示することはできん。それだけは踏まえてくれぬか?あとは、価値が計り知れんスキルが付いた武器と防具と魔道具の折り合いであるが......」
ラヴァーナは、魔道具の提供には賛成したが、アレクと同じで見せられない魔道具があるようだ。更に、スキル付与の武器と防具が世界初なので価値を付けることができない。
「こっちも言えないことあるし、魔ノ国にもあるのはわかるから、提供できるものだけでいいよ。そうだね。そこはおやっさんと話して、あとはアナベルとの折り合いだから、帰ってから話し合おうか」
「そうであるな!急ぐ必要性はないな。個人的に焦っておったわ。前に、宝剣を作ってもらったが、国の宝として保管しておるからな。話を聞いて、早急に妾の武器と防具がほしくなってしまったのだ」
ラヴァーナは、目新しい強力な武器と防具に囚われて焦ってしまった。
しかし、魔物の国との関係を改めて考えると、急がなくてもより良い関係を更に作っていけば、秘密もいつか打ち明けてもらえる可能性もあるのと、現にスキル付与できる武器と防具を真っ先に教えて貰えている関係性を保てなくてはなと感じるのだった。
「ドワーフの国で気をつけることってあるのかな?」
おやっさんなど数多くのドワーフと絡んで来たのだが、お酒が好きなのと技術を持つ人を敬う心を持ち、良い意味でプライドが高い種族ということだけしかわかっていない。
「そうじゃなぁ?鍛冶でも建築でもいいんじゃが、頑張っておるやつを馬鹿にするやつは許せんのぅ。あとは、酒を軽く扱うやつは万死に値するわい」
おやっさんの話を聞いたアレクは、そのままの意味で捉えてもいいが、酒に関してはいくつもの意味合いが込められているのだろうと勝手に推測した。
「やっぱり技術と酒なんだね。想像と同じだったよ。でも、本当にこんな格好でよかったの?王族同士の話し合いなのに」
「構わん!ドワーフは正装に拘る種族ではないからな。それよりも、優れた武器と防具を身に着けておる方が敬われるわい」
この短い話だけでドワーフは、普通の感覚ではないことがわかったのと、アレクの持っている武器は、おやっさんの特注なので見せびらかすくらいのことをして優位に立てばいいと考えた。
「坊主、昨日急遽作った武器と防具を渡しておくぞい。こいつを着けておけばドワーフ王もぶったまげるわい。あのハンマーを手に入れてから最高の仕上がりだからのぅ」
アレクと一緒にワイバーンに乗っているおやっさんが、魔法鞄から武器と防具を取り出した。
だが、一見防具は何の変哲もない服だ。剣に関してもきらびやかな装飾がされているわけでもなく、普通の剣に見えた。
「これは......反則じゃない?多分、鑑定が使えない人なら知らずに攻撃してきて為すすべなく終わっちゃうよね?」
アレクは、魔法鞄に仕舞う前に性能を知りたくて鑑定を使った。すると、防具には腐食と自己修復と耐熱と物理・魔法50%減が付与されていた。更に、剣は自己修復と魔法付与連動率増と可変式武器が付与されていた。
素材も、最強に分類される魔物ばかりで驚く。
「凄いじゃろ?色々研究しておってのぅ。素材のスキルを維持したまま武器と防具を作れないかと思っておったのじゃ。性能に関しては、あとで説明するわい。あと、魔王様がおるからどう作れたかは、内緒じゃがな」
「ス、スキルが付いた武具だと!?ズルいではないか!妾もほしいぞ!それに、同盟も組んでおるのに秘密なのか?」
おやっさんは、魔物の国のことを考えて作り方を秘密にしたが、本来であればスキルを維持したまま作成できることも秘密にしなくてはならない。
しかし、魔ノ国とは協力関係でもあるのと、魔道具の技術提供をより打診しやすいようにあえて明かした。
そして、案の定ラヴァーナは、おやっさんの罠に嵌まる。
「おやっさん、アナベルがほしそうにしてるけど、どうする?おやっさんが条件を決めていいよ。あと、製法については駄目かな。同盟を組んでても、ちょっと話せない内容が絡んでると思うからさ」
普通の国であれば、トップである王が全て決めるのだが、アレクは一人一人を大切にしようと思っているので、こういう個人が生み出した物に対しては、本人に任せようと考えている。
「話せない内容とはなんなのだ?妾とアレクの仲......なんでもない。うむ。おやっさんの条件を聞こう」
ラヴァーナが、突っ込んで話をした瞬間、アレクは魔力を放出させて牽制した。
アレクは、口には出さないが、親しき仲にも礼儀ありだろうと内心思っている。
「坊主、魔力を抑えるんじゃ。ワシには、辛いわい」
「あ!ごめんなさい。抑えるね」
アレクに掴まって後ろに乗っている一般人のおやっさんからすると、間近で大量の魔力を強力な重力に圧し潰されそうになっている。
「ワシを殺す気かと思ったわい。それより交渉じゃったな。そうじゃなぁ、こちらが要求する魔道具の無償提供じゃな。まずは、作っておる魔道具のリストがほしいわい」
「無償提供は妥当であるな。しかし、こちらとしても全ての魔道具を開示することはできん。それだけは踏まえてくれぬか?あとは、価値が計り知れんスキルが付いた武器と防具と魔道具の折り合いであるが......」
ラヴァーナは、魔道具の提供には賛成したが、アレクと同じで見せられない魔道具があるようだ。更に、スキル付与の武器と防具が世界初なので価値を付けることができない。
「こっちも言えないことあるし、魔ノ国にもあるのはわかるから、提供できるものだけでいいよ。そうだね。そこはおやっさんと話して、あとはアナベルとの折り合いだから、帰ってから話し合おうか」
「そうであるな!急ぐ必要性はないな。個人的に焦っておったわ。前に、宝剣を作ってもらったが、国の宝として保管しておるからな。話を聞いて、早急に妾の武器と防具がほしくなってしまったのだ」
ラヴァーナは、目新しい強力な武器と防具に囚われて焦ってしまった。
しかし、魔物の国との関係を改めて考えると、急がなくてもより良い関係を更に作っていけば、秘密もいつか打ち明けてもらえる可能性もあるのと、現にスキル付与できる武器と防具を真っ先に教えて貰えている関係性を保てなくてはなと感じるのだった。
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