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第3章 アレクを狙って
第759話 聖女の訓練は長くなりそう!
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聖女は、薬学神の下で修行をすることになったのだが、初めのうちは家事も服を着替えることも体力がなさ過ぎて走ることさえ出来なかった。
そして、薬学神のスパルタ講座という名の地獄の訓練により人並みには生活を送ることが出来るようになってきた。
「これにて基礎訓練1を終了とする!にしても、本当に箱入り娘だったんだな。これだけ基礎訓練1に時間がかかったやつは初めてだぞ」
「はぁはぁはぁはぁ、申し訳ございません。前にも言いましたが、外にも出してもらえず、聖女として利用されていただけでしたので......」
アレクも経験した山を走破する基礎訓練を何ヶ月もかけてやっと成し遂げた。
「本当に権力を振りかざすゴミをこの世から消し去る必死があるな。まぁ、聖王国のゴミ共は消し炭になったがな。そんなことよりもだ。基礎訓練2を始めるぞ!このままでは、まだまだ足りない」
「え!?まだ基礎訓練は終わらないのですか?来た時よりも、かなり体力がついたと思いますけど......」
アレクの時とは違って基礎訓練の内容を分けているようだ。しかし、箱入り娘の聖女からすると、基礎訓練1だけでも地獄の訓練であった。
「こんな誰でも出来ることで終わると思ったのか?アレクは、基礎訓練1.2を両立させてお前の数倍早く終わらせたんだぞ!ぐだぐだ言うな!やるぞ」
聖女は、小さな声で「アレク様と私じゃ違う」と呟くと、薬学神に首根っこを掴まれて山の一番下まで連れて行かれた。
「これをやるから身体強化を使いながら、魔物を倒して中腹までこい!そうだ。こいつも渡しておくから、死にそうになったら飲むんだぞ」
アレクも経験した身体強化を使った魔物討伐を聖女にもやらせようとしている。
今までの訓練は、薬学神の薬で魔物が寄って来ないようにしていたので、戦闘にならなった。
「魔物と戦うなんて出来ません......今まで魔物と戦ったことなんて一度も......」
「私と戦闘訓練しただろう?あの要領でやれば中腹までの魔物なら死ぬことはない」
魔物に対する恐怖心が抜けない聖女は、薬学神から大丈夫とのお墨付きをもらっても、なかなか一歩を踏み出すことが出来ないでいた。
「それなら、ここで一生いればいい。そうだ。言い忘れていた。お前が、ノロノロしてる間にアレクが厄災にもなりえるやつを倒したぞ!本来なら、お前にも行ってもらう予定だったんだがな」
薬学神は、厳しい言葉を数多く聖女に投げかけたあと、飛び去っていく。
取り残された聖女は、目に涙を浮かべながら色んな感情が溢れ出して「わぁぁぁ」と泣き叫ぶ。
「もう無茶苦茶です。魔物と戦うなんて......」
聖女は、一人取り残されて自暴自棄になりそうになるが、言葉とは裏腹に渡されたナイフを腰に付けて、鞄を開けて何のポーションが入っているかを確認する。
「あの鬼畜神ですから、やらなきゃ一生このままですよね。行きますよ!行けばいいんでしょ!」
アレクが、ルシファーを倒したことについては聖女の耳には届いておらず、今生き残ることを考えるのに必死になっていた。
そして、当然鬼畜神と言ったことは地獄耳の薬学神に届いており、更にスパルタにしてやろうかと考えながらニヤリと笑う。
「大丈夫!大丈夫!鬼畜神との訓練のままにやったら死なない......キャァァァ」
聖女は、ゆっくりと山を登り始めたのだが、葉っぱから垂れてきた雫が顔に当たって悲鳴を上げてしまう。
「うぅ、自分が情けない......」
魔物にすら出会っていないにも関わらず、こんなことで怖がる自分を恥ずかしく感じてしまう。
聖女は、頬をパンパンと叩いて気合を入れ直したあと、ナイフを取り出して構える。
すると、先程の悲鳴のせいでゴブリンを呼び寄せてしまったようで、二体のゴブリンが聖女の前に現れた。
「ギャギャギャギャ」
ゴブリンは、獲物を見つけてニヤリニヤリしながら近付いてくる。
聖女は、まだ恐怖心を拭えず、心臓が破裂するくらいの鼓動が鳴る。
「逃げちゃだめ!生きなきゃ!わぁぁぁあ。キャッ!え?全然痛くない」
聖女は、ゴブリンに目を瞑りながら突進してナイフを振り下ろすが見当違いの方向を切ってしまう。そして、ゴブリンが棍棒で頭を殴ってくるが、全然痛みを感じない。
薬学神との訓練で、ゴブリン以上の攻撃を受けている聖女は、ゴブリンの攻撃くらいならガードしなくとも身体強化で受け止めきれるようになっていた。
「ギャ!?ギャァァァ」
ゴブリンは、ノーダメの聖女を見て不思議そうな顔をするが、次の瞬間、聖女がゴブリンの胸をナイフで一突きした。
聖女は、ゴブリンに対しての恐怖心を克服して、もう一体にも立ち向う。
「怖がらせて許さないです!フフッ、何だか気持ちいいです。こんな感情は初めかも」
二体のゴブリンを倒した聖女は、普段の弱々しさとは真逆の恐怖心を与えるような不気味な表情を浮かべる。
「あぁ、完全に入ってるな!訓練で何か殺させて感情のコントロールを学ばせるべきだったか。まだまだ先は長そうだ」
薬学神は、透明になってあとをつけていたのだが、初めて刺し殺したことによってHighになる聖女を見て、一度止めに入るべきだなと感じるのだった。
そして、薬学神のスパルタ講座という名の地獄の訓練により人並みには生活を送ることが出来るようになってきた。
「これにて基礎訓練1を終了とする!にしても、本当に箱入り娘だったんだな。これだけ基礎訓練1に時間がかかったやつは初めてだぞ」
「はぁはぁはぁはぁ、申し訳ございません。前にも言いましたが、外にも出してもらえず、聖女として利用されていただけでしたので......」
アレクも経験した山を走破する基礎訓練を何ヶ月もかけてやっと成し遂げた。
「本当に権力を振りかざすゴミをこの世から消し去る必死があるな。まぁ、聖王国のゴミ共は消し炭になったがな。そんなことよりもだ。基礎訓練2を始めるぞ!このままでは、まだまだ足りない」
「え!?まだ基礎訓練は終わらないのですか?来た時よりも、かなり体力がついたと思いますけど......」
アレクの時とは違って基礎訓練の内容を分けているようだ。しかし、箱入り娘の聖女からすると、基礎訓練1だけでも地獄の訓練であった。
「こんな誰でも出来ることで終わると思ったのか?アレクは、基礎訓練1.2を両立させてお前の数倍早く終わらせたんだぞ!ぐだぐだ言うな!やるぞ」
聖女は、小さな声で「アレク様と私じゃ違う」と呟くと、薬学神に首根っこを掴まれて山の一番下まで連れて行かれた。
「これをやるから身体強化を使いながら、魔物を倒して中腹までこい!そうだ。こいつも渡しておくから、死にそうになったら飲むんだぞ」
アレクも経験した身体強化を使った魔物討伐を聖女にもやらせようとしている。
今までの訓練は、薬学神の薬で魔物が寄って来ないようにしていたので、戦闘にならなった。
「魔物と戦うなんて出来ません......今まで魔物と戦ったことなんて一度も......」
「私と戦闘訓練しただろう?あの要領でやれば中腹までの魔物なら死ぬことはない」
魔物に対する恐怖心が抜けない聖女は、薬学神から大丈夫とのお墨付きをもらっても、なかなか一歩を踏み出すことが出来ないでいた。
「それなら、ここで一生いればいい。そうだ。言い忘れていた。お前が、ノロノロしてる間にアレクが厄災にもなりえるやつを倒したぞ!本来なら、お前にも行ってもらう予定だったんだがな」
薬学神は、厳しい言葉を数多く聖女に投げかけたあと、飛び去っていく。
取り残された聖女は、目に涙を浮かべながら色んな感情が溢れ出して「わぁぁぁ」と泣き叫ぶ。
「もう無茶苦茶です。魔物と戦うなんて......」
聖女は、一人取り残されて自暴自棄になりそうになるが、言葉とは裏腹に渡されたナイフを腰に付けて、鞄を開けて何のポーションが入っているかを確認する。
「あの鬼畜神ですから、やらなきゃ一生このままですよね。行きますよ!行けばいいんでしょ!」
アレクが、ルシファーを倒したことについては聖女の耳には届いておらず、今生き残ることを考えるのに必死になっていた。
そして、当然鬼畜神と言ったことは地獄耳の薬学神に届いており、更にスパルタにしてやろうかと考えながらニヤリと笑う。
「大丈夫!大丈夫!鬼畜神との訓練のままにやったら死なない......キャァァァ」
聖女は、ゆっくりと山を登り始めたのだが、葉っぱから垂れてきた雫が顔に当たって悲鳴を上げてしまう。
「うぅ、自分が情けない......」
魔物にすら出会っていないにも関わらず、こんなことで怖がる自分を恥ずかしく感じてしまう。
聖女は、頬をパンパンと叩いて気合を入れ直したあと、ナイフを取り出して構える。
すると、先程の悲鳴のせいでゴブリンを呼び寄せてしまったようで、二体のゴブリンが聖女の前に現れた。
「ギャギャギャギャ」
ゴブリンは、獲物を見つけてニヤリニヤリしながら近付いてくる。
聖女は、まだ恐怖心を拭えず、心臓が破裂するくらいの鼓動が鳴る。
「逃げちゃだめ!生きなきゃ!わぁぁぁあ。キャッ!え?全然痛くない」
聖女は、ゴブリンに目を瞑りながら突進してナイフを振り下ろすが見当違いの方向を切ってしまう。そして、ゴブリンが棍棒で頭を殴ってくるが、全然痛みを感じない。
薬学神との訓練で、ゴブリン以上の攻撃を受けている聖女は、ゴブリンの攻撃くらいならガードしなくとも身体強化で受け止めきれるようになっていた。
「ギャ!?ギャァァァ」
ゴブリンは、ノーダメの聖女を見て不思議そうな顔をするが、次の瞬間、聖女がゴブリンの胸をナイフで一突きした。
聖女は、ゴブリンに対しての恐怖心を克服して、もう一体にも立ち向う。
「怖がらせて許さないです!フフッ、何だか気持ちいいです。こんな感情は初めかも」
二体のゴブリンを倒した聖女は、普段の弱々しさとは真逆の恐怖心を与えるような不気味な表情を浮かべる。
「あぁ、完全に入ってるな!訓練で何か殺させて感情のコントロールを学ばせるべきだったか。まだまだ先は長そうだ」
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