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第3章 アレクを狙って
第755話 男爵と子爵に会いに行く!パスクの名字!
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デストロイは、キィルとサウルを簀巻き状態にして両脇に抱え、パスクと一緒に男爵と子爵の屋敷に向かった。
「すみません。アンデクス男爵の屋敷で間違いないでしょうか?」
「あぁ、その通りだ!だが、何をしにやってきた?」
警戒するのはいいとして、門番の言葉遣いや態度が悪すぎるので、アンデクス男爵も期待出来る人ではなさそうだと予想した。
「アンデクス男爵のご子息に襲われたので参りました。一応こちらが、私の身分になります」
「ん?は、伯爵様であらせられましたか!今すぐに、アンデクス様をお呼び致しますのでお待ちください」
貴族証を見せた途端に、騎士は血相を変えて屋敷に向かう。
門番の態度は改めることは出来たが、謝罪の一言もないことに底が知れるなとパスクは思う。
「魔ぞ......ゴホン、これはこれは、また遠いところから。それで、魔ノ国の伯爵様が何故私のところにお越しになられたのでしょうか?」
パスクは、心の中で魔族と言いかけたことや門番が伝言すら出来ないなど色々思うことに、ため息を吐きたくなった。
「私は、元々魔ノ国の侯爵の息子でしたが、今は王国の伯爵です。パスク・フォン・ハシモトと申します。ちなみに、タカハシ辺境伯様の家臣でもございます。こちらを訪ねた理由は、ご子息のサウス殿が私達を襲ったので参りました」
初めて明かされるパスクの名字は、アレクに因んで日本の名字を付けることにした。
そして、焦ったのかもしれないが、魔ノ国の貴族か王国の貴族かも理解していないアンデクス男爵を指摘する言葉も付け加えて貴族証を見せる。
「王国の伯爵様......それに、あのタカハシ辺境伯様の家臣......あ、あ、あ、そんな方々に、うちのサウスが大変申し訳ございません!なんとお詫び申し上げればよいのやら......」
王国の伯爵とタカハシ辺境伯の名前に恐れをなしたのか、冷や汗を流して慌て始める。
「こいつが、お前の息子だろ?命までは取ってねぇが、襲われたからな気絶はさせた」
デストロイは、簀巻きにしたサウスをアンデクス男爵の前に放り投げる。
「そこのお前!サウスの治療と治療が終わったら監禁しろ!ハシモト伯爵様、サウスが大変なご迷惑をお掛けしてしまい申し訳ございません。屋敷の中で、今後についてお話出来ませんでしょうか?」
アンデクス男爵は、近くにいた騎士に、サウスを連れて行くように言う。
「ヴァロワ子爵のご子息も関係しているので、まずはヴァロワ家に向かう予定です。ですので、どのような謝罪をされるかはアンデクス男爵が決めて、後日ご報告下さい」
アンデクス男爵が、どのような人物であるのか確かめるためにも時間を与えようと、ここに来る前から決めていた。
「ヴァロワ子爵様のご子息も......ご迷惑でなければ、子爵様の屋敷へ一緒に同行してはいけませんでしょうか?」
驚いてはいるもののヴァロワ子爵が関係していることに何か思うところがあるような言い方をした。
「当事者の父親ですので、ついてきて頂けると助かります。では、参りましょうか」
「えっと、馬車と護衛の姿が見えない......えっ、うわぁぁぁぁぁ」
パスクは、アンデクス男爵を抱えると、空を飛んでヴァロワ子爵の屋敷へと向かう。
アンデクス男爵は、まさか空を飛んで向かうとは思わず、恐怖のあまり大声を上げて叫び散らかすのだった。
◆
子爵家の近くに着くなり、アンデクス男爵は嘔吐したあと「ハァハァハァハァ」と呼吸を乱していた。
「水です。お飲みください。落ち着きますよ」
「ハァハァ、あ、申し訳ございません。頂きます」
アンデクス男爵は、渡された水を素直に受け取って飲み干すと少し落ち着いたのか息切れが止まる。
「ありがとうございます。もう大丈夫でございます。それよりも、空を......なんでもございません」
「そうですか。では、参りましょう」
アンデクス男爵は、伯爵でありながら敬語を使ったり、水をくれるなど優しくするパスクに気を許したのか、少し馴れ馴れしい態度になりそうであったため、パスクが少し威圧を出して黙らせた。
アンデクス男爵は、威圧に恐れ慄いてパスク達のあとを黙ってついていく。
「ヴァロワ子爵はいらっしゃいますか?王国のハシモト伯爵が来たと。それから、こちらのご子息に襲われたこともしっかり伝えてください。二度同じことを説明したくありませんので」
パスクは、門の前に近付くなり、貴族証を出して身分と目的を伝える。
アンデクス男爵の時のようにすれば、話が長くなりヴァロワ子爵もまた舐めた口を聞いてくる可能性があるからだ。
「は、はい!畏まりました。すぐにお呼び致します」
門番は、子爵よりも上の伯爵がわざわざ来たことに驚いてしまう。
そして、すぐに血相を変えたヴァロワ子爵が走ってやってくる。
「ハシモト伯爵様、息子が大変ご迷惑をかけたとお窺いしました。詳しい話は、屋敷の中でよろしいですか?」
「はい。構いません。では、今後のことについて、ゆっくりとお話しましょう」
ヴァロワ子爵は、アンデクス男爵と違って、すぐさま状況を判断し、領民に変な噂が流れないよう屋敷内に招き入れるのだった。
「すみません。アンデクス男爵の屋敷で間違いないでしょうか?」
「あぁ、その通りだ!だが、何をしにやってきた?」
警戒するのはいいとして、門番の言葉遣いや態度が悪すぎるので、アンデクス男爵も期待出来る人ではなさそうだと予想した。
「アンデクス男爵のご子息に襲われたので参りました。一応こちらが、私の身分になります」
「ん?は、伯爵様であらせられましたか!今すぐに、アンデクス様をお呼び致しますのでお待ちください」
貴族証を見せた途端に、騎士は血相を変えて屋敷に向かう。
門番の態度は改めることは出来たが、謝罪の一言もないことに底が知れるなとパスクは思う。
「魔ぞ......ゴホン、これはこれは、また遠いところから。それで、魔ノ国の伯爵様が何故私のところにお越しになられたのでしょうか?」
パスクは、心の中で魔族と言いかけたことや門番が伝言すら出来ないなど色々思うことに、ため息を吐きたくなった。
「私は、元々魔ノ国の侯爵の息子でしたが、今は王国の伯爵です。パスク・フォン・ハシモトと申します。ちなみに、タカハシ辺境伯様の家臣でもございます。こちらを訪ねた理由は、ご子息のサウス殿が私達を襲ったので参りました」
初めて明かされるパスクの名字は、アレクに因んで日本の名字を付けることにした。
そして、焦ったのかもしれないが、魔ノ国の貴族か王国の貴族かも理解していないアンデクス男爵を指摘する言葉も付け加えて貴族証を見せる。
「王国の伯爵様......それに、あのタカハシ辺境伯様の家臣......あ、あ、あ、そんな方々に、うちのサウスが大変申し訳ございません!なんとお詫び申し上げればよいのやら......」
王国の伯爵とタカハシ辺境伯の名前に恐れをなしたのか、冷や汗を流して慌て始める。
「こいつが、お前の息子だろ?命までは取ってねぇが、襲われたからな気絶はさせた」
デストロイは、簀巻きにしたサウスをアンデクス男爵の前に放り投げる。
「そこのお前!サウスの治療と治療が終わったら監禁しろ!ハシモト伯爵様、サウスが大変なご迷惑をお掛けしてしまい申し訳ございません。屋敷の中で、今後についてお話出来ませんでしょうか?」
アンデクス男爵は、近くにいた騎士に、サウスを連れて行くように言う。
「ヴァロワ子爵のご子息も関係しているので、まずはヴァロワ家に向かう予定です。ですので、どのような謝罪をされるかはアンデクス男爵が決めて、後日ご報告下さい」
アンデクス男爵が、どのような人物であるのか確かめるためにも時間を与えようと、ここに来る前から決めていた。
「ヴァロワ子爵様のご子息も......ご迷惑でなければ、子爵様の屋敷へ一緒に同行してはいけませんでしょうか?」
驚いてはいるもののヴァロワ子爵が関係していることに何か思うところがあるような言い方をした。
「当事者の父親ですので、ついてきて頂けると助かります。では、参りましょうか」
「えっと、馬車と護衛の姿が見えない......えっ、うわぁぁぁぁぁ」
パスクは、アンデクス男爵を抱えると、空を飛んでヴァロワ子爵の屋敷へと向かう。
アンデクス男爵は、まさか空を飛んで向かうとは思わず、恐怖のあまり大声を上げて叫び散らかすのだった。
◆
子爵家の近くに着くなり、アンデクス男爵は嘔吐したあと「ハァハァハァハァ」と呼吸を乱していた。
「水です。お飲みください。落ち着きますよ」
「ハァハァ、あ、申し訳ございません。頂きます」
アンデクス男爵は、渡された水を素直に受け取って飲み干すと少し落ち着いたのか息切れが止まる。
「ありがとうございます。もう大丈夫でございます。それよりも、空を......なんでもございません」
「そうですか。では、参りましょう」
アンデクス男爵は、伯爵でありながら敬語を使ったり、水をくれるなど優しくするパスクに気を許したのか、少し馴れ馴れしい態度になりそうであったため、パスクが少し威圧を出して黙らせた。
アンデクス男爵は、威圧に恐れ慄いてパスク達のあとを黙ってついていく。
「ヴァロワ子爵はいらっしゃいますか?王国のハシモト伯爵が来たと。それから、こちらのご子息に襲われたこともしっかり伝えてください。二度同じことを説明したくありませんので」
パスクは、門の前に近付くなり、貴族証を出して身分と目的を伝える。
アンデクス男爵の時のようにすれば、話が長くなりヴァロワ子爵もまた舐めた口を聞いてくる可能性があるからだ。
「は、はい!畏まりました。すぐにお呼び致します」
門番は、子爵よりも上の伯爵がわざわざ来たことに驚いてしまう。
そして、すぐに血相を変えたヴァロワ子爵が走ってやってくる。
「ハシモト伯爵様、息子が大変ご迷惑をかけたとお窺いしました。詳しい話は、屋敷の中でよろしいですか?」
「はい。構いません。では、今後のことについて、ゆっくりとお話しましょう」
ヴァロワ子爵は、アンデクス男爵と違って、すぐさま状況を判断し、領民に変な噂が流れないよう屋敷内に招き入れるのだった。
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