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第3章 アレクを狙って
第718話 創造神様の未来予測を受け入れないノックス!
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アレクは、神界から帰ってきたあと、すぐに共有会議を開いた。
「パスク、師匠、デストロイ、マンテ爺は、王都に向かってください。それと、豪牙は最終段階に到達した?」
アレクは、前回のような神力を身に着けていない者を戦場に送る気はなかった。
しかし、豪牙に至っては鬼人の王が授けた奥義が最終段階に到達していれば、戦力になると判断した。
「保って1分でしょうか。まだ体が追い付かず1分を過ぎると、多分崩壊すると思います」
ノックスとデストロイとの修行で豪牙は大幅に力を上げることに成功したが、始祖である鬼人の王の強靭な肉体ほど強くはなく耐えきれない。
「じゃあ、豪牙は俺と一緒に魔物の街に残って。豪牙にとって有効な薬はあるけど.....でも、この薬を使うと最悪死ぬかもしれないから、極力使ってほしくないんだよ」
この戦いを最終決戦にしたいと考えているアレクは、戦闘において最強の切り札となる薬を作っていた。
「死ですか......それほどまでの代償があるということは、効果も凄いということですよね?」
「全て......5分間全ての力を使えるようになる。人生において絶頂期と更に増大する力、そして無限回復して溢れ出す魔力と神力に加えてダイヤモンドよりも硬い肉体になるよ。その名も起死回生薬ね」
アレクが、今までに作ってきた薬を全て集約した薬である。
しかし、それだけの物なので、計り知れない副作用になっている。
「構いません。何もしないで死ぬよりは、最高の状態を味わってから死にたいです」
アレクは、もしものために作ったが、本心では仲間に使ってほしいとは思っていない。
「作った俺が言うのはおかしいけど、本当は使ってほしくない。でも、そんなこと言ってる場合じゃないよね。本当に、どうしようもなくなったらにしてほしい。このケースに、入ってる錠剤を噛み砕いたら効果が発揮されるからね」
アレクは、豪牙の言葉を聞いて決心がついたのか、両手で豪牙の手を包みながら握ってお願いするように薬を渡す。
「アレク坊、またとんでもない薬を作ったな。俺達の分はないのか?」
「え?師匠達も使うんですか?危険を冒さなくても十分倒せると思うのですが......」
ノックスとパスクとデストロイとマンテ爺は、神力をみにつけており、更に磨きをかけているので、薬に頼る必要はないと考えていた。
「俺は、ルシファーを殺すとあの日誓った!豪牙と同じく死ぬなら刺し違えてもいいからな。それに、このまま勝てるほど甘くないとわかっている。だから、全員に薬を渡せ!お前らもいいな?」
ノックスが、周りを見渡しながら話すと、全員頷く。どうやら、皆薬を使うつもりのようだ。
「それから、俺もここに残るからな!アレク坊の口ぶりからして、ここにルシファーが来るんだろ?」
「え?残るですか!?正直、創造神様はどちらにルシファーが来るかは話されていません。ただ、人選を決められただけです。それと、オレールだけは北へ別行動するように言われました」
ノックスは、最愛の人と仲間を殺したルシファーを自らの手で葬りたいと思っていた。しかし、このままでは叶わぬ夢になってしまうので、人選を変更するようアレクに進言した。
アレクは、渋々薬をみんなに配る。
「創造神様の未来を見る力か。だが、俺には関係ない。この日をどれだけ待ったか。弟子のお願いだとしても俺は、ここに残ってルシファーを殺す。今、お前ら全員を相手にすることになってもな」
ノックスは、覚悟を決めた目つきで全員を睨みつけながら、底が見えないほどの力が体から溢れ出る。
アレクは、「ふぅ~」と一息ついたあとに立ち上がる。
「はぁ~、わかりましたよ。師匠と俺が残ります。ヴァンドームは、悪いけど王都をお願いね。オレールも、残りたいだろうけど北をお願いできないかな?」
こうなってしまったノックスに言う事を聞かせることはできないとわかっているアレクは、どうにでもなれといった勢いで人選を変更してしまう。
「流石、アレク坊!話が分かるな。なら俺は、迎え撃つ準備をしてくる」
ノックスは、自分の納得のいく返事が聞けたので、早々に会議室を出ていく。
「何か過去にあったんだろうな。俺は、契約通りに遂行させてもらうから誰が相手だろうと構わない」
ヴァンドームは、王都の敵をさっさと殺して、魔物の街に応援に戻れば、何も問題はないと思っているので、人選が変更したところで何も思わない。
「私も、ルシファーを倒したかったですが、創造神様が選んだということは意味があるのでしょう。思うところがないと言えば嘘になりますが、北に行かせて頂きます」
オレールは、悔しかっただろうが、個人よりも世界を優先した。
アレクは、オレールの決断に「ありがとうございます」と言い、頭を下げるのだった。
「パスク、師匠、デストロイ、マンテ爺は、王都に向かってください。それと、豪牙は最終段階に到達した?」
アレクは、前回のような神力を身に着けていない者を戦場に送る気はなかった。
しかし、豪牙に至っては鬼人の王が授けた奥義が最終段階に到達していれば、戦力になると判断した。
「保って1分でしょうか。まだ体が追い付かず1分を過ぎると、多分崩壊すると思います」
ノックスとデストロイとの修行で豪牙は大幅に力を上げることに成功したが、始祖である鬼人の王の強靭な肉体ほど強くはなく耐えきれない。
「じゃあ、豪牙は俺と一緒に魔物の街に残って。豪牙にとって有効な薬はあるけど.....でも、この薬を使うと最悪死ぬかもしれないから、極力使ってほしくないんだよ」
この戦いを最終決戦にしたいと考えているアレクは、戦闘において最強の切り札となる薬を作っていた。
「死ですか......それほどまでの代償があるということは、効果も凄いということですよね?」
「全て......5分間全ての力を使えるようになる。人生において絶頂期と更に増大する力、そして無限回復して溢れ出す魔力と神力に加えてダイヤモンドよりも硬い肉体になるよ。その名も起死回生薬ね」
アレクが、今までに作ってきた薬を全て集約した薬である。
しかし、それだけの物なので、計り知れない副作用になっている。
「構いません。何もしないで死ぬよりは、最高の状態を味わってから死にたいです」
アレクは、もしものために作ったが、本心では仲間に使ってほしいとは思っていない。
「作った俺が言うのはおかしいけど、本当は使ってほしくない。でも、そんなこと言ってる場合じゃないよね。本当に、どうしようもなくなったらにしてほしい。このケースに、入ってる錠剤を噛み砕いたら効果が発揮されるからね」
アレクは、豪牙の言葉を聞いて決心がついたのか、両手で豪牙の手を包みながら握ってお願いするように薬を渡す。
「アレク坊、またとんでもない薬を作ったな。俺達の分はないのか?」
「え?師匠達も使うんですか?危険を冒さなくても十分倒せると思うのですが......」
ノックスとパスクとデストロイとマンテ爺は、神力をみにつけており、更に磨きをかけているので、薬に頼る必要はないと考えていた。
「俺は、ルシファーを殺すとあの日誓った!豪牙と同じく死ぬなら刺し違えてもいいからな。それに、このまま勝てるほど甘くないとわかっている。だから、全員に薬を渡せ!お前らもいいな?」
ノックスが、周りを見渡しながら話すと、全員頷く。どうやら、皆薬を使うつもりのようだ。
「それから、俺もここに残るからな!アレク坊の口ぶりからして、ここにルシファーが来るんだろ?」
「え?残るですか!?正直、創造神様はどちらにルシファーが来るかは話されていません。ただ、人選を決められただけです。それと、オレールだけは北へ別行動するように言われました」
ノックスは、最愛の人と仲間を殺したルシファーを自らの手で葬りたいと思っていた。しかし、このままでは叶わぬ夢になってしまうので、人選を変更するようアレクに進言した。
アレクは、渋々薬をみんなに配る。
「創造神様の未来を見る力か。だが、俺には関係ない。この日をどれだけ待ったか。弟子のお願いだとしても俺は、ここに残ってルシファーを殺す。今、お前ら全員を相手にすることになってもな」
ノックスは、覚悟を決めた目つきで全員を睨みつけながら、底が見えないほどの力が体から溢れ出る。
アレクは、「ふぅ~」と一息ついたあとに立ち上がる。
「はぁ~、わかりましたよ。師匠と俺が残ります。ヴァンドームは、悪いけど王都をお願いね。オレールも、残りたいだろうけど北をお願いできないかな?」
こうなってしまったノックスに言う事を聞かせることはできないとわかっているアレクは、どうにでもなれといった勢いで人選を変更してしまう。
「流石、アレク坊!話が分かるな。なら俺は、迎え撃つ準備をしてくる」
ノックスは、自分の納得のいく返事が聞けたので、早々に会議室を出ていく。
「何か過去にあったんだろうな。俺は、契約通りに遂行させてもらうから誰が相手だろうと構わない」
ヴァンドームは、王都の敵をさっさと殺して、魔物の街に応援に戻れば、何も問題はないと思っているので、人選が変更したところで何も思わない。
「私も、ルシファーを倒したかったですが、創造神様が選んだということは意味があるのでしょう。思うところがないと言えば嘘になりますが、北に行かせて頂きます」
オレールは、悔しかっただろうが、個人よりも世界を優先した。
アレクは、オレールの決断に「ありがとうございます」と言い、頭を下げるのだった。
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