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第3章 アレクを狙って

第701話 地獄の大王とのご対面!厄介な事か!?

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パスク達が、応接室までついてくると言ったのだが、かなりの警戒をしている人物なので、何かあった時に、すぐ逃げられるよう街のみんなとヘルミーナと大樹をお願いした。
そしてアレクは、訪ねてきたお客さんの下へと向かう。

「ファビロ、ここまででいいよ。かなりキツイでしょ?」

応接室に近づくにつれて、デストロイとマンテ爺の殺気が強く発せられているのを感じた。

「あ、ありがとうございます。はぁはぁ、では、申し訳ございませんが、私もパスク様に合流して......待機しておきます」

ファビロは、普通の人間なので、世界最強が4人も集まった場所からの殺気を受けて、足がガクガクになり冷や汗を流す。

「うん。パスクと一緒なら危なくなっても逃げ切れると思うから。あとは、以前決めた避難誘導通りにしてね」

魔物の街が、危うくなった際に、一時避難の場所を決めていた。
そして、敵わない相手だった場合は、逃げられる者は無理に応戦しようとはせずに、自分の命を優先にするよう決めていた。

「はい。わかりました」

そう言ってファビロは、少しフラつきながらパスクの下に向かう。

「ふぅ~、気合を入れていこうかな」

アレクは、どんな脅威が待ち受けているかわからないので、気合いを入れるために、頬をパチンと両手で叩く。





「みんなお待たせ。今から入るから、攻撃だけはしないでね」

殺気立つ仲間がいるので、一言入れてから入室する。

「悪いな。二人には言ったんだが、どうも匂いが気になるらしくてな」

応接室に入ると、何故二人が殺気立っているのかを、ノックスが説明する。

「そう言う......って、マンテ爺!?その姿どうしたの?」

アレクが、返事をしようすると、視界にマンテ爺の人化した姿が目に入る。一瞬、人違いかと思ったのだが、魔力がマンテ爺のものであったため、見間違いではないと確信した。

「そうじゃった。アレクには、この姿を見せておらんかったわい。あとで、説明してやるのでのぅ。まずは、目の前におる邪悪な悪魔をどうにかするんじゃ」

アレクの驚く表情を見て、一瞬優しい顔になるマンテ爺だったが、すぐに厳しい顔になって、来訪者を睨みつける。

「あ!そうだったね。お客様が、来てくれてるんでした。お客様、お待たせして申し訳ございません。久しぶりに会ったので、再会に感動してしまいまして」

アレクは、みんなとの再会に夢中になってしまい、来訪者の存在を忘れてしまっていた。

「構わない。急に訪問したのは我だからな。我は、地獄の大王ヴィドインだ。よろしく頼む」

ヴァンドームからアレクに会うように言われて、足早に訪れた。
そして、ノックスとマンテ爺とデストロイと豪牙の強さを見て、その主であるアレクが、どれ程までに強いのかと興味が湧いて居座った。

「お気遣い恐れ入ります。私は、アレクと申します。それで、何故地獄の大王様が、下界ましてや一辺境伯の下を訪れたのですか?」

アレクからすると、ヴィドインに一度も会ったこともなく、地獄に関係する人とも会った記憶がなかったので、何故か気になってしまう。

「エルフの国で、スーツの男に会ったのを覚えてるかな?君が、倒した少年を連れて行った人物なのだが」

「はい!覚えています。最後に、精霊神の羽を渡すと言って去って行きました。正直、計り知れない強さだったので、深追いをやめた相手です。その人物が関係していると?」

アレクは、言葉では慎重に伝えているが、内心地獄が関係したことに驚く。更には、マンテ爺達が、かなり警戒する相手に、どのような要求または厄介事を持ち込まれるのか気になってしまう。

「君と話した人は、前大王だ。正直、戦闘にならなくてよかったと思う。そして、約束通り、精霊神の羽を持ってきた。それから、我と取り引きをお願いしたい。決して悪い話ではないと思う。聞いてもらえるか?」

「前大王様!?それは、強いわけですね。それから、これが精霊神の羽ですか?この羽に関係しそうではありますが、とりあえず話を聞かせてください。それから、取り引きをするか判断します」

ヴィドインは、焦らすことなく、精霊神の羽を差し出した。
アレクは、あっさり渡されたことに拍子抜けしてしまうが、取り引きという言葉を聞いて気を引き締める。
地獄からの取り引きということで、絶対に厄介な取り引きになるだろうと思ったからだ。
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