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第3章 アレクを狙って

第699話 エルフの国からの帰還と厄介事!?

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アレク達は、エルフの国と別れを告げようとしていた。
そして、王とライザーとヤンとジアと多くのエルフが見送りに来てくれていた。

「本当に、もう行ってしまわれるのだな。良き友と別れるのは寂しくなる......」

王は、悲しそうな顔でアレク達を見つめる。
ジアに至っては、今にも泣き出しそうになっている。

「同胞そして、一番大切な娘を助けて頂きありがとうございました。それから、アレク様達がいない間に、貧弱になったこいつらを叩き直しておきます」

ライザーは、槍の柄を握って、地面に穂とは逆の方を地面に叩きつけて刺す。
すると、後ろに控えていた兵士達が「ヒィ~」と言って怯えている。
それほどまでに、ライザーの訓練は厳しいのだろう。

「あなた方に助けてもらっていなければ、野垂れ死にして、父上に会うことはできませんでした。本当に、ありがとうございます」

ヤンは、満面の笑みでアレク達に対して、頭を下げる。

「国を......救っでぐれでありがどう。本当にありがどう」

ジアは、顔がぐちゃぐちゃになるほど、泣き崩れてお礼を言葉を繰り返す。
そして、ジアは当分の間、父親との時間を過ごすために、エルフの国に滞在するそうだ。

「来た当初は、色んな意味でどうなるかと思いましたが、王様とライザーさんが、まともで助かりました。それから、皆さんも考え方が少しずつ変わってくれてよかったですよ」

アレクは、王やライザーも、他のエルフ同様に腐っていたのなら、元凶を排除して、すぐさま帰っていただろうなと思う。

「それを、言われてしまうとな......皆も反省しとるから許してくれ」

王は、苦笑いを浮かべて痛いとこを突かないでくれと懇願する。
アレクは、許してはいるのだが、去ったあとに、また前のように戻らないように釘を刺す意味で言った。

「わかりました。皆さんを信じます。それから、ジア!本当に、精神的に成長したと思うよ。あと、まだまだ魔法も上達できるだろうから、次来た時は、成長した姿を見せてね」

アレクは、しつこく言うのも嫌いなので、笑顔で信じてると答える。
そして、エルフの中では若いジアに対して、アレクの見る限りまだまだ成長の余地が無限にあるので、エールを送る。

「うん。次会った時は、驚かせるから」

ジアは、涙を拭って、アレクのエールに応えるように、満面の笑みで返事をする。

「では、俺達は帰ります。王様、あの件は任せましたよ」

あの件とは、長命水の効力を、同族に伝えるか伝えないかを王に委ねたことについてだ。

「ライザーと協議して、どうするか慎重に判断するつもりでおる」

「それなら安心です。では、皆さん近々戻ってきますので、また会いましょう」

アレク達が、手を振って別れの挨拶をすると、エルフ達も笑顔で手を振りながら「さようなら~ありがとう」と言うのだった。





アレク達は、エルフの国から転移をして魔物の街に戻ってきた。
暫くすると、ファビロが門からこちらにやってきた。

「おかえりなさいませ!ノックス様より、アレク様達が帰られたことを知らされて、参りました。帰宅したばかりで申し訳ございませんが、至急屋敷までお願いします。お客様が、訪ねてこられています」

アレクは、帰って来て早々に休む暇もなく対応しなければならなくなる。

「え!?とりあえずヘルミーナと大樹に会いたかったんだけど......後日に出来ない相手だったってことだよね?」

妻と子に会って、家族団欒の時間を過ごそうと思っていたアレクは、落胆の色を見せる。
しかし、アレクがいないとわかっていながら帰らないのと、追い返さなかったことを踏まえるとかなり重要な案件なんだろうと予想した。

「はい!大変申し訳ございませんが、かなり重要かと思います。一応、ノックス様とデストロイ様と豪牙様とマンテ爺様が監視しております。ノックス様いわく危険人物とのことです」

ノックスが、戦いを挑まずに監視をして、危険人物だということは、街に被害が及ぶと考えた結果だろうとアレクは思った。

「え?街の最強格四人で監視?はぁ~、また厄介事か......ファビロ、案内を頼めるかな?」

「はい!畏まりました」

今までで一番厄介事の予感をヒシヒシと感じながらアレクは、ファビロのあとをついて行くのだった。
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