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第3章 アレクを狙って

第689話 事件の真相とエルフからの信用!

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アレクは、トリーが連れさらわれた以上、ここにいても仕方ないので、オレール達がいる平屋に戻ってきた。

「みんな、お待たせ。ちょっと、面倒なことが起きて長引いちゃったよ」

アレクは、アクセルを連行しようとしているとこに帰ってきた。

「お帰りなさい。こちらは、捕まえた者がエルフだったので、城に連れて行き尋問しようと思っています」

オレールは、アレクがトリーを連れていないことと、アレクの言葉で予期せぬ事態があったのだと予想できたのだが、アクセルがいるので、何があったのかは聞かないようにした。

「早々に捕まえてくれてありがとうね。でも、まさか本当にエルフだとは思わなかったよ。あ!そうそう、仲間は死んだからね。助けがくるとは思わない方がいいよ」

アレクは、希望を持たせるような甘い考えをなくすために、半分嘘ではあるが、アクセルの退路を断つ言葉を言う。だが、アクセルは顔を上げようともせず、だんまりを決め込む。

「先程から、このように黙ったままでいます。初めは、威勢がよかったのですが、急に黙り込んでしまって」

「ごちゃごちゃ言わずに、早く城に連れて行け!どうせ俺は死ぬんだろ?」

オレールが、アレクに伝えていると、急に焦ったようにアクセルが話し始める。

「う~ん?今ここで、自白薬を飲ませちゃって。なんだか、嫌な予感がするんだよね」

アレクの勘ではあるが、アクセルを城に連れて行くと大変なことになりそうだという気がして、この場で自白させることにした。

「はい。私も、アレクくんと同じで、何故か引っかかるところがありました。では、早速飲ませましょうか」

自白薬を取り出して、アクセルの顔に近付けようとすると、暴れて飲むのを拒否する。

「やめろ!城に連れて行け!じゃないと、ここにいるエルフ達が......」

「黙ろうか。そのまま自白薬を飲みなさい」

アレクは、暴れるアクセルをスキル言霊で黙らせてから飲むように命令をする。
そして、ちょうど騒ぎを聞きつけてエルフ達もやってきたので、大勢の前で色々自白させれば一石二鳥だと考えた。

「ゆっくり飲んで、私達の質問に答えてくださいね」

アクセルは、アレクの言霊の影響で、素直に言う事を聞いて自白薬を飲み干す。

「ここへは、何をしにきたの?」

「世界樹を手に入れるためにきた」

アクセルは、虚ろな目になって、素直に全てを話し始める。

「じゃあ、湖に毒魔虫を放ってエルフを操ったのは君なんだね?」

アレクが、一番エルフに聞かせた確信をつく。ここのエルフは、アレク達に逆らうようなことはしなくなったが、その本質は力によるものであった。なので、この元凶となる真実を知ることで、力だけではなく信用も得ようとしているのだ。

「あぁ、毒魔虫を湖に放てば勝手に増えて、エルフ達を洗脳できると言われた。そして、王を操り世界樹を奪えると」

アクセルが、事実を述べると、集まったエルフ達は、まさか同族のエルフが裏切っていたことを知って驚愕の表情を浮かべる。

「この毒魔虫は、この世界に存在しない虫だけど、いったい誰から貰ったの?」

これも、アレク達がアクセルに渡して、自作自演をしていないと理解してもらうために聞く必要性がある。

「トリーという子供から貰った」

「トリーとは誰なの?知っていることを話して」

ここからは、あのトリーがいったい何者なのか、アレクが知りたいことを聞き始める。

「地獄の使者。それ以外知らない」

トリーが、自ら名乗っていることなので、それが本当なのか確証はないが、アレクは一つの手がかりを手に入れたと思う。

「じゃあ、最後に君たちの仲間は、他にいる?」

「いない」

アレクは、事前にオレールの探知で調べていたので、アクセスとトリー以外、不審人物がいないことは知っていたが、エルフを安心させるために尋ねた。

「このくらいかな。三人で、王様の下に連行してくれないかな?それから、逃げたり暴れたりしないように拘束もお願いね」

「わかりました。抜け出せないようキツく縛り上げておきますね」

オレールとナハスとレッドドラゴンは、アクセスを城まで連行していく。

「皆さん、お騒がせしました。これが、今回起きた事件の真相です。犯人が、捕まったから安心してください」

アレクが、大きな声でエルフ達に伝えると、エルフ達からさっきまではなかった大歓声と「ありがとう」という言葉が、あちこちから聞こえるのだった。
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