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第3章 アレクを狙って

第682話 アレク達を監視する正体不明の謎の二人組!

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アレク達が、世界樹のある場所に向かってから、暫くして顔にターバンを巻き付け、グレーに近い服を着た人物が、あとを追うように移動し始めた。

「もう少しで計画が達成する時に、いらん邪魔が入った。あいつらは、ほんとになんなんだ」

この人物は、何やら良からぬ計画を立てていたようで、アレク達の行動一つ一つが邪魔で仕方ないらしい。

「まぁ、いい!あいつらが、油断した隙に世界樹の種だけでも奪い取ってやる。トリー、全てが終わったら、精霊を全て食っていいからな」

「ニッシッシ、次は失敗しちゃだめだからね。アクセル、精霊もだけど、あの邪魔したやつらも食わせてよ?」

アクセルは、世界樹の何かが目当てだったようだが、アレクに計画を阻止されて、種だけでも回収しようとしている。そして、トリーという4.5歳くらいの子供が、いきなり姿を現して、すべてを喰らい尽くすと豪語する。

「仕方ないだろ。あんなデタラメな魔法を出されちゃ失敗する。食ってもいいが、世界樹の種で本当にパワーアップ出来るんだな?」

アレクは、本気で魔法を放ってはいないが、普通の人から見れば、手に終えない魔法を放っているのだ。

「世界樹か実なら、神にも匹敵するけど......ん~あの人間を倒すくらいなら種でも十分かな。むしろ種の方が、吸収は楽だね」

トリーは、世界樹や実や種から、力を得る手段を知っているようだ。その強大な力を得るために、アクセルはエルフの国に、あのような悲惨な事件を引き起こした。

「それなら安心だ。もし、力を手に入れたら、好きなだけ思う存分に食わしてやる!俺は、この世界を。トリーは......」

「シー!それ以上言ったらだめ。誰が見てるかわからないからね。それよりも、あいつらの気配が消えたよ。ん?あれ?四つ気配が復活した」

トリーは、アクセルの唇に人差し指を添えて、それ以上は言っては駄目だと言う。
そして、アレク達が世界樹の入り口に入ったことを察知する。

「あ!ごめんな。ん!?今、四人だけが、復活したって言ったか?」

アクセルは、トリーに注意されて、ハッとなり、すぐに謝る。
そして、何を思ったのか、世界樹の入り口に戻されたのが、四人と聞いて驚いた顔と悩ましい顔が入り混じったような表情をする。

「うん。四人が復活したよ。どうしたの?」

「昔、知ったことなんだが、エルフであの中に入れたのは、王とライザーの野郎だけだったんだ。だが、今の話からして、あの集団の中に三人も入れたやつがいるって考えると、嫌な予感がしてな」

王とライザーを知っているということは、アクセルは昔、二人と関わりがある人物のようだ。
そして、今までエルフの中でも、二人しか選ばれなかったところに、パッときたアレク達が簡単に入ることが出来て驚きと、あの中で何か特別な力でも与えられるのではないかと不安になる。

「へぇ~、でも僕には神の力が半分あるからね。どれだけ魔力があったところで、無駄だよ。もし、アクセルが危なくなったら助けてあげる」

トリーは、神の力があるという発言をする。この子供は、いったい何者で、何が目的なのだろうか。

「よくそれを言うが、俺に一度も力を見せたことないよな?本当に神の力なんてあるのか?」

アクセルは、疑いの眼差しで、トリーを見ると、トリーは頬を膨らませて怒った表情をする。

「あるよ!失礼だなぁ。もぉ~!無闇矢鱈に使ったら、見つかっちゃうから駄目なの。はい!この話は終わり。そんなことより、出てきた四人を観察しに行くよ」

話し方は流暢なのたが、こういった怒った表情や感情をあらわにする際は、子供のような仕草をする。
そして、トリーはナハス達がいる場所に向かって移動を始めるのだが、また姿を消す。

「まぁ、危うくなったら、トリー頼みになるから神の力がほんとであることを信じるか」

アクセルは、そういうと木々を伝って見つからないように、ナハス達がいる入り口へと向かうのだった。
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