チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!

芽狐@書籍発売中

文字の大きさ
上 下
566 / 803
第3章 アレクを狙って

第677話 エルフの国の平和と王様からのお礼!

しおりを挟む
アレク達の前に突如として現れた神具が放つ光が、辺り一面へ一瞬にして広がる。
そして、光が止み目を覆っていたアレク達やエルフが目を開けると、目の前に広がる景色に驚きの声をあげてしまうのだ。

「え!?どういうこと?全部が元通りだなんて......」

アレクが、破壊したはずの湖は、元通りになっており、更には魚も飛び跳ねる程の澄んだ水になっている。
後ろにいたエルフ達は、この現状をすぐには理解することが出来ず、ただその場で呆けているのだ。

「ライザーよ、余は夢でも見ておったのだろうか?先程まで、荒れ地であった場所が、元の姿に戻っておる」

「私も、夢かと思いましたが、アレク殿もいますし、疲れ切っていたはずの精霊達が戻り始めています」

王は、あり得ない出来事に嫌な夢でも見させられていたのではないかと思ってしまう。

「確かに、余の精霊も戻っているな。ん!?なんと!それは誠か!?うむ!わかった。余の胸の中に秘め、墓場まで持って行こう」

キュピから王の精霊だけに、精霊神の慈悲によるものだということが伝えられた。だが、公言することは禁止とされている。何故なら、信仰心が更に増して騒ぎとなれば創造神に見つかってしまうからだ。

「皆の者、しかと聞くがよい!今回、アレク様達が我々のことを助けてくれたことは精霊様から聞いたな。まだ疑っていた者も、精霊様の言葉なら信じたであろう。今一度、感謝し礼をするのだ」

キュピから各精霊達に、アレク達へ感謝するようにエルフへ伝えてほしいと伝言された。そして、エルフ達はアレク達が助けてくれたこと、更には神力がある者達だということまで伝えられたのだ。
そのことにより、今まで偉そうにしていたエルフ達全員が、両膝を突いて祈りのポーズまでし始めた。

「王様、今までの態度からはあり得ない光景が広がっているんですが......さっきの言葉以外にも精霊から何か言われましたか?」

アレクは、神力を備えた神にも等しい存在だとエルフに伝わっていることを知らないので、態度の変わりように驚いてしまう。
そして、王とライザーとヤンとジアも、片膝を突いてアレク達に頭を下げる。

「精霊様から皆に一連の騒動の説明があり、アレク様とオレール様とパスク様が、神力を備えた存在であることを教えられました。我々は、本当に感謝しております」

王は、今までになく丁寧にアレク達にお礼を述べる。そして、長年寄り添っていたせいか、慣れてしまい精霊のことを同列扱いにしていたが、今回のことで気付かされたことが山程あり、精霊にを付けるようになったのだ。

「王様、ライザーさん、ヤンさん、ジア、顔を上げて立ってください。それに、敬われる存在ではないので、今まで通り接してください。あ!そこにいるエルフさん達は、十分反省してくださいね」

この四人に関しては、初めから協力的であり、今更態度を変えられると気持ち悪いと思ってしまう。
しかし、他のエルフに対しては、少し反省をしてほしいと思うので簡単に許すようなことはしない。

「アレク殿、優しさに感謝する。そして、1年間は精霊様のいない生活をすることにし、そこにいるエルフ達には、再教育をすることを誓おう。それから、お礼になるかわからんが、世界樹の種を渡そうと思う。受け取ってくれるか?」

王は、エルフの腐りきった性根を1から叩き直すことにした。そして、ここまで世話になったお礼として、決して部外者が見ることすらできない世界樹の種を渡してくれるというのだ。

「エルフの今後については、エルフの間で決めてくれたらいいので口出しする気はありません。世界樹の種ですか?本当にいいのですか?」

「是非、お渡ししたい。うむ。そうだ。一度世界樹を見てみるのはどうだろうか?感謝と歓迎の宴も是非させてほしいのでな」

アレクは、前世の知識から世界樹がどれだけ貴重で珍しいものかを何となくだが想像することができた。

「はい!見てみたいです。お願いします」

王の粋な計らいを無下にはしたくないアレクは、早く帰りたい気持ちはあったのだが、お言葉に甘えることにした。
あと、エルフ達はというと、アレクと王の許しが出ていないので、いまだに祈りを捧げるポーズをしたまま放置されているのであった。
しおりを挟む
感想 2,179

あなたにおすすめの小説

最弱引き出しの逆襲 ― クラス転移したのはいいけど裏切られたけど実は最強だった件

ワールド
ファンタジー
俺、晴人は普通の高校生。だけど、ある日突然、クラス全員と一緒に異世界に飛ばされた。 そこで、みんなは凄い能力を手に入れた。炎を操ったり、風を呼んだり。でも、俺だけが"引き出し"なんていう、見た目にも無様な能力を授かった。戦いになんの役にも立たない。当然、俺はクラスの笑い者になった。 だけど、この"引き出し"、実はただの引き出しではなかった。この中に物を入れると、時間が経つにつれて、その物が成長する。最初は、その可能性に気づかなかった。 でも、いつしか、この能力がどれほどの力を秘めているのかを知ることになる。 クラスメイトたちからは裏切られ、孤立無援。でも、俺の"引き出し"が、みんなが見落としていた大きな脅威に立ち向かう唯一の鍵だったんだ。知恵と工夫で困難を乗り越えて、俺は最弱から最強へと変貌する。 工夫次第で幾らでも強くなれる引き出し能力で俺は成りあがっていこう。

召喚をされて期待したのだけど、聖女ではありませんでした。ただの巻き込まれって……

にのまえ
ファンタジー
別名で書いていたものを手直ししたものです。 召喚されて、聖女だと期待したのだけど……だだの巻き込まれでした。

憧れのテイマーになれたけど、何で神獣ばっかりなの⁉

陣ノ内猫子
ファンタジー
 神様の使い魔を助けて死んでしまった主人公。  お詫びにと、ずっとなりたいと思っていたテイマーとなって、憧れの異世界へ行けることに。  チートな力と装備を神様からもらって、助けた使い魔を連れ、いざ異世界へGO! ーーーーーーーーー  これはボクっ子女子が織りなす、チートな冒険物語です。  ご都合主義、あるかもしれません。  一話一話が短いです。  週一回を目標に投稿したと思います。  面白い、続きが読みたいと思って頂けたら幸いです。  誤字脱字があれば教えてください。すぐに修正します。  感想を頂けると嬉しいです。(返事ができないこともあるかもしれません)  

ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら

七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中! ※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります! 気付いたら異世界に転生していた主人公。 赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。 「ポーションが不味すぎる」 必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」 と考え、試行錯誤をしていく…

転生したら使用人の扱いでした~冷たい家族に背を向け、魔法で未来を切り拓く~

沙羅杏樹
恋愛
前世の記憶がある16歳のエリーナ・レイヴンは、貴族の家に生まれながら、家族から冷遇され使用人同然の扱いを受けて育った。しかし、彼女の中には誰も知らない秘密が眠っていた。 ある日、森で迷い、穴に落ちてしまったエリーナは、王国騎士団所属のリュシアンに救われる。彼の助けを得て、エリーナは持って生まれた魔法の才能を開花させていく。 魔法学院への入学を果たしたエリーナだが、そこで待っていたのは、クラスメイトたちの冷たい視線だった。しかし、エリーナは決して諦めない。友人たちとの絆を深め、自らの力を信じ、着実に成長していく。 そんな中、エリーナの出生の秘密が明らかになる。その事実を知った時、エリーナの中に眠っていた真の力が目覚める。 果たしてエリーナは、リュシアンや仲間たちと共に、迫り来る脅威から王国を守り抜くことができるのか。そして、自らの出生の謎を解き明かし、本当の幸せを掴むことができるのか。 転生要素は薄いかもしれません。 最後まで執筆済み。完結は保障します。 前に書いた小説を加筆修正しながらアップしています。見落としがないようにしていますが、修正されてない箇所があるかもしれません。 長編+戦闘描写を書いたのが初めてだったため、修正がおいつきません⋯⋯拙すぎてやばいところが多々あります⋯⋯。 カクヨム様にも投稿しています。

転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。 〜あれ?ここは何処?〜 転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。

悪役令息に転生したけど、静かな老後を送りたい!

えながゆうき
ファンタジー
 妹がやっていた乙女ゲームの世界に転生し、自分がゲームの中の悪役令息であり、魔王フラグ持ちであることに気がついたシリウス。しかし、乙女ゲームに興味がなかった事が仇となり、断片的にしかゲームの内容が分からない!わずかな記憶を頼りに魔王フラグをへし折って、静かな老後を送りたい!  剣と魔法のファンタジー世界で、精一杯、悪足搔きさせていただきます!

辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~

雪月夜狐
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。 他作品の詳細はこちら: 『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】 『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】 『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。