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第3章 アレクを狙って
第676話 エルフの国の危機に、精霊王様動く!
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辺り一面に緑が広がり、鹿やうさぎや馬などの動物が駆け回る自然豊かな場所を歩く精霊神の姿があった。
「この場所も、獣神のお陰で、もう少しは保てそうね」
精霊神は、ゆっくりと歩きながら、森の中にある祠に向かう。
そして、到着すると祠には何重もの結界が張られており、容易には破壊されそうにないことが伺わされる。
「早く、羽を取り戻さないと、いつかこの場所も消滅しちゃうわね」
精霊神は、祠に獣神から受け取った精霊石を供えて、祠を出る。すると、祠から光柱ができて、キラキラと煌めいた神力が辺り一面に降り注いで、草花や木々や動物達が生き生きと力強くなるのだ。
「ふぅ、これで暫くは大丈夫そうだけど......あと1回使ったら精霊石の神力なくなっちゃう......」
獣神からもらった神力が満タンではなかったにしろ精霊石には、かなりの神力が貯まっていたにも関わらず、精霊神の神界を維持するには厳しいようだ。
「え!?どういうこと?精霊の力が一気に弱まってるわ」
一難去ってまた一難とでも言おうか、せっかく神界の力が回復したにも関わらず、次はエルフの国の精霊の力が一気に弱まったのだ。
「キュピちゃんいる?」
「うん!いるよ。エルフの国の精霊のこと?」
精霊神が、名前を呼ぶと、可愛い三角帽子を被った中性的な顔立ちの少年とも少女ともとれる精霊が現れた。
「そうなの。急に、精霊達の力がなくなったのだけど何故かわかる?」
キュピは、後ろを振り返って両手を空中に向かって上げる。すると、モニターのような物が現れて薄っすら徐々に映し出される。
「な、なに!?どうなってるのよ!これは、何!?」
モニターに映し出されたのは、毒魔虫が大量に王とライザーに群がっている瞬間だった。あまりの悍ましい光景に、流石の精霊神も気持ち悪すぎて引いてしまうのだ。
「え!?虫が死んだわ!人間?なんで、エルフの国に人間......えぇぇぇ、あの人間物凄い神力......本当にどういうこと!?」
あれだけいた大量の毒魔虫が、急に死んだと思いきや、神力を内に秘めたアレクがモニターに映って、精霊神はパニックになる。
「精霊神様~、神力があるなら神との繋がりがある人間てことだよね?なら安心だと思う。それより、弱った精霊をどうにかしなきゃ」
精霊神よりもキュピの方が冷静であり、人間や神力がどうこうよりも弱っている精霊を先にどうにかすべきだと言う。
「そうだったわね。キュピちゃん、ありがとう。う~ん?でも、仕方ないわ!精霊のためだもの。キュピちゃん、少し大変になるけど助けてくれる?」
「うん!精霊神様が、私を生み出してくれたんだから好きに命令してくれたらいいよ」
可愛い子供であるキュピに負担を背負わすのは申し訳ないと思う精霊神に対して、キュピは全然気にしておらず、むしろ力になりたいと思っている。
「じゃあ、時が来たらお願いね。今から精霊達を助けるために祠に行くわよ」
精霊神は、そう言って再度キュピと一緒に祠に向かう。
そして、祠に着くと、金色の聖杯のような物を取り出して精霊石が置かれた横に置く。すると、聖杯が淡い金色に光り、杯に水がいっぱいになるまで溜まるのだ。
「精霊神様見て!凄いことになってる」
「ん?なに......は、はぁぁぁぁ!?いやいやいやいや」
精霊神とキュピが見たものは、アレクが湖に向かって大魔法を放っている瞬間だった。それを見た精霊神は、何故あんな魔法を湖に撃ち込んでいるのかわからず、叫び声を上げるのだ。
「ずっと見てたけど、あの湖に虫が住み着いてるみたい。だから、破壊するんだって言ってた」
キュピは、エルフの国が気になって、ずっと観察をしていた。
「それにしてもやり過ぎなような......まぁ、でもギリギリ足りる?いや......」
「精霊神様、干渉して創造神様に見つかったら大変だよ?大丈夫なの?」
精霊神は、聖杯見ながらブツブツと独り言を話しているが、キュピは今から行おうとしていることが、見つかった場合、精霊神が罰を受けてしまうことを心配している。
「それなら大丈夫よ。あっ!手が滑っちゃったわ」
精霊神は、急にわざとらしく手を滑らせたふりをして聖杯を落とす。すると、聖杯はひとりでに地面をコロコロと転がって行くのだ。何故かわからないが、杯の水は溢れない。
「精霊神様、あまりにも無理があると思うんだけど......」
あれだけ精霊神寄りだったキュピが呆れながら言う。何故なら誰が見ても、わざとだとわかる行動だからだ。
「しーらない。もし見つかったら逃げるわ。だって、私神力ないし、どうせ半人前扱いだもん。それなら、干渉して投獄された方がましよ」
精霊神は、拗ねたような口調で話しながら、半分自暴自棄になっているような感じにもなるのだ。
「あちゃ~、こうなった精霊神様は、昔から止められないから諦めるしかない。あ!精霊神様、神具が落ちたよ」
「フフッ、これでエルフの国は救われたけど、これからが大変ね。逃げる準備でもしましょうか」
聖杯らしき神具は、見事に神界から下界へと落ちていった。
そして、精霊神はこれから待ち受ける困難に備えてどうしようかと思うのだった。
「この場所も、獣神のお陰で、もう少しは保てそうね」
精霊神は、ゆっくりと歩きながら、森の中にある祠に向かう。
そして、到着すると祠には何重もの結界が張られており、容易には破壊されそうにないことが伺わされる。
「早く、羽を取り戻さないと、いつかこの場所も消滅しちゃうわね」
精霊神は、祠に獣神から受け取った精霊石を供えて、祠を出る。すると、祠から光柱ができて、キラキラと煌めいた神力が辺り一面に降り注いで、草花や木々や動物達が生き生きと力強くなるのだ。
「ふぅ、これで暫くは大丈夫そうだけど......あと1回使ったら精霊石の神力なくなっちゃう......」
獣神からもらった神力が満タンではなかったにしろ精霊石には、かなりの神力が貯まっていたにも関わらず、精霊神の神界を維持するには厳しいようだ。
「え!?どういうこと?精霊の力が一気に弱まってるわ」
一難去ってまた一難とでも言おうか、せっかく神界の力が回復したにも関わらず、次はエルフの国の精霊の力が一気に弱まったのだ。
「キュピちゃんいる?」
「うん!いるよ。エルフの国の精霊のこと?」
精霊神が、名前を呼ぶと、可愛い三角帽子を被った中性的な顔立ちの少年とも少女ともとれる精霊が現れた。
「そうなの。急に、精霊達の力がなくなったのだけど何故かわかる?」
キュピは、後ろを振り返って両手を空中に向かって上げる。すると、モニターのような物が現れて薄っすら徐々に映し出される。
「な、なに!?どうなってるのよ!これは、何!?」
モニターに映し出されたのは、毒魔虫が大量に王とライザーに群がっている瞬間だった。あまりの悍ましい光景に、流石の精霊神も気持ち悪すぎて引いてしまうのだ。
「え!?虫が死んだわ!人間?なんで、エルフの国に人間......えぇぇぇ、あの人間物凄い神力......本当にどういうこと!?」
あれだけいた大量の毒魔虫が、急に死んだと思いきや、神力を内に秘めたアレクがモニターに映って、精霊神はパニックになる。
「精霊神様~、神力があるなら神との繋がりがある人間てことだよね?なら安心だと思う。それより、弱った精霊をどうにかしなきゃ」
精霊神よりもキュピの方が冷静であり、人間や神力がどうこうよりも弱っている精霊を先にどうにかすべきだと言う。
「そうだったわね。キュピちゃん、ありがとう。う~ん?でも、仕方ないわ!精霊のためだもの。キュピちゃん、少し大変になるけど助けてくれる?」
「うん!精霊神様が、私を生み出してくれたんだから好きに命令してくれたらいいよ」
可愛い子供であるキュピに負担を背負わすのは申し訳ないと思う精霊神に対して、キュピは全然気にしておらず、むしろ力になりたいと思っている。
「じゃあ、時が来たらお願いね。今から精霊達を助けるために祠に行くわよ」
精霊神は、そう言って再度キュピと一緒に祠に向かう。
そして、祠に着くと、金色の聖杯のような物を取り出して精霊石が置かれた横に置く。すると、聖杯が淡い金色に光り、杯に水がいっぱいになるまで溜まるのだ。
「精霊神様見て!凄いことになってる」
「ん?なに......は、はぁぁぁぁ!?いやいやいやいや」
精霊神とキュピが見たものは、アレクが湖に向かって大魔法を放っている瞬間だった。それを見た精霊神は、何故あんな魔法を湖に撃ち込んでいるのかわからず、叫び声を上げるのだ。
「ずっと見てたけど、あの湖に虫が住み着いてるみたい。だから、破壊するんだって言ってた」
キュピは、エルフの国が気になって、ずっと観察をしていた。
「それにしてもやり過ぎなような......まぁ、でもギリギリ足りる?いや......」
「精霊神様、干渉して創造神様に見つかったら大変だよ?大丈夫なの?」
精霊神は、聖杯見ながらブツブツと独り言を話しているが、キュピは今から行おうとしていることが、見つかった場合、精霊神が罰を受けてしまうことを心配している。
「それなら大丈夫よ。あっ!手が滑っちゃったわ」
精霊神は、急にわざとらしく手を滑らせたふりをして聖杯を落とす。すると、聖杯はひとりでに地面をコロコロと転がって行くのだ。何故かわからないが、杯の水は溢れない。
「精霊神様、あまりにも無理があると思うんだけど......」
あれだけ精霊神寄りだったキュピが呆れながら言う。何故なら誰が見ても、わざとだとわかる行動だからだ。
「しーらない。もし見つかったら逃げるわ。だって、私神力ないし、どうせ半人前扱いだもん。それなら、干渉して投獄された方がましよ」
精霊神は、拗ねたような口調で話しながら、半分自暴自棄になっているような感じにもなるのだ。
「あちゃ~、こうなった精霊神様は、昔から止められないから諦めるしかない。あ!精霊神様、神具が落ちたよ」
「フフッ、これでエルフの国は救われたけど、これからが大変ね。逃げる準備でもしましょうか」
聖杯らしき神具は、見事に神界から下界へと落ちていった。
そして、精霊神はこれから待ち受ける困難に備えてどうしようかと思うのだった。
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