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第3章 アレクを狙って

第672話 親子の感動の再会!

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早速アレク達は、エルフ達を湖まで連れて行く。すると、湖に向かう途中の道でヤンとジアと合流した。

「アレク様、申し訳......」

ヤンは、エルフ達を説得出来なかったことに謝罪しようとしたが、アレクの横には父親である王がいたので、驚いて言葉が詰まってしまう。
そして、ヤンの横にいたジアも同じようにライザーを見て目を見開いて驚いているのだ。

「息子よ、元気で何よりだ。余は、もう怒っておらん。生きていることがわかっただけで満足である」

王とヤンの間に何があったのかはわからないが、ヤンがエルフの国を良い形で出て行ったのではないことが窺える。

「父上、またお会い出来るとは思ってもいませんでした。あの時は、私も若くわがままを押し通して出て行きましたが、深く反省しております。本当にごめんなさい」

ヤンは、父親から嫌厭されていると思ったが、そうではなく優しい言葉で再会を喜んでくれた。そんな、心の広い父に対して、ヤンは素直にならなくてはと本心を話して謝罪する。

「ジ、ジア......本当にジアなのか?」

ヤンと父親が再会を分かち合っている頃、ジアとライザーも父と子の再会を果たしていた。
ライザーは、成長したジアを見て涙を浮かべながら本当に娘なのかと尋ねる。まだこの場に娘がいることが、半信半疑なのだ。

「お父様、ジアです。勝手に出て行ってごめんなさい。でも、人間の世界でいっぱい学んだ。こんなに人間の言葉話せるようになった」

ジアは、幼かったので人間の言葉を学ぶ前にエルフの国を旅立っていた。
だが、今は人間の言葉を話せるようになったことや他にもいっぱい学んだことをライザーに伝えたかったみたいだ。
ちなみに、はじめに話した敬語は、エルフ語で話している。

「ハハ、紛れもなく我が娘だ。そのどこか感性が違うというか抜けた感じが、母親譲りだな。ジア、久々に抱かせはくれないか?」

久々の再会で、初めての一言とは思えない発言をしていたが、ライザーからすると、昔からそういう感じだったようで、逆に娘である証明になったようだ。
そして、ジアは何も言うことなく、ライザーに駆け寄って抱き着き、ライザーもジアを優しく抱きしめる。

「本当に無事でよかった。暫くこのままでいさせてくれ」

「はい!お父様」

ジアとライザーは、多くは語らず再会の喜びを味わっている。
一方、ヤンと王は、軽く抱擁しただけで、すぐ離れて会話をしていた。

「よく同胞のために戻ってきてくれた。外の世界はどうであるか?その顔を見るに、もう戻る気はなさそうであるが......」

「流石に、一大事とあらば助けにきますよ。外の世界ですか、向こうに妻と息子もおりますし楽しく暮らしています。そうですね。戻る気はありませんが、父上がお許し頂けるのであれば、妻と息子を連れて遊びにきたいと思います」

ヤンは、まさかの妻子持ちであった。そして、無理矢理エルフの国を飛び出したのもそうだが、妻が人間で子がハーフエルフであるため、妻子を連れてエルフの国に訪れることが出来なかったのだ。

「まさか、結婚しておったとはな!これは、吉報吉報。すぐにでも連れてきなさい。今回の件で、外とも関わりを持たなくてはとおったのでな。それに、孫に会いたい」

アレクとの関わりから、いつまでも閉鎖的なことをしていては、衰退してしまうと感じた王は、これを機に少しずつ外の世界を見ていこうと思った。
そして、自分の孫がいることがわかり、好々爺の顔になるのだ。

「はい!妻と息子に連れてきたいと思います。父上、本当にありがとう」

ヤンは、すぐにでも妻子を連れて会わせたいと思う。
そして、最後に親不孝な息子を許し、受け入れてくれたことに感謝するのだった。
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