チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!

芽狐@書籍発売中

文字の大きさ
上 下
557 / 820
第3章 アレクを狙って

第668話 王様を救い出せ!毒魔虫の大群!

しおりを挟む
アレク達は、大量にいたエルフの兵士達に薬を飲ませて毒魔虫駆除をしていた。

「私達が、説得を試みますので、アレク様方は先に王の下へ向かってください」

ヤンとジアが、この場に残ってエルフ達を説得すると言う。

「ん~?では、お願いします。もし、言うことを一切聞かずに危害を加えられそうになったら、すぐに逃げてください」

一瞬、あのエルフ達が言うことを聞くように思えないと考えたが、ヤンとジアがやる気になっているなら、やらせてあげようと思ったのだ。

「はい!無理だと判断したら離脱します」

「私も、頑張るから。こんなわがままな種族と同じとかイヤ」

ジアは、ここへ来る前とは人が変わったかのように、エルフの身勝手さを嘆くのだ。

「ジアは、本当に変わったね。では、二人ともよろしくお願いします。それと、もし言うことを聞かずに、こっちに来るなら、これで知らせてください。通信の魔道具です」

アレクは、二人を信用できると通信の魔道具を渡した。

「こんな小型の通信魔道具があるのですね。やはり、貴方方は特別な人達のようです。こちらは、お返しするまで奪われないよう大切に扱わせて頂きます」

ジアとヤンは、大切に通信の魔道具を手に持って、耳にはめるとアレクにお辞儀をして礼をする。

「じゃあ、みんな行こうか」

エルフ達には、毒魔虫が寄生しないように薬を飲ませているので心配はないが、また理由のわからないことを言って暴れられる可能性があるので、アレクは早く王様に現状を伝えて帰りたいと考えている。

「アレク様、全ての住人に薬を飲ませていたら、いくら時間があっても足りません。私達で、街の住人を元に戻しますので、アレク様とナハス様は先に王城へと向かってください」

このまま一人一人元に戻して説得したとしても、言う事を聞かず日が暮れてしまうなと感じたパスクは、王様を説得した方が効率がいいと考えた。

「確かに、そうだね。じゃあ、大量の薬を渡しておくから頼んだよ。あと、あの湖は証拠になるからあのままにしといてね」

「畏まりました。こちらは、お任せください」

証拠と言っているが、もし王様も分からず屋ならば、あの湖を使って事実を突きつけるいい方法を思いついていたのだ。

「よし!パスクの案でいこう。魔物の街に早く帰ってやることもいっぱいあるし。おいしいご飯も恋しくなってきたからね」

そう言うとパスク達に薬を渡して、アレクとナハスは、空を飛んで王城へと向かう。





「あれ?おかしいなぁ。王城ならもっと兵がいると思ったんだけど」

アレクとナハスは、スムーズに城に着くことができたのだが、向かう間も着いてからも、妨害する兵士達の姿は一切なかった。

「街の入口に全ての兵を差し向けたのではないでしょうか?それに、虫からすると王などどうでもよい存在でしょうから」

ナハスの言っていることは確かで、金銭目当てや脅すような存在ではない虫からすると、王よりも戦闘ができる兵士の方が重要なのだ。

「ナハスの言う通りかも。今、城の中を探ってみたら二人しか反応がなかったよ。とりあえず、行ってみよう」

オレールの探知魔法には及ばないが、気配を確認したところ一箇所に二人が重なるように集まっている場所を発見した。

「はい!わかりました」

アレクとナハスは、城の入口を破壊して、気配に引っかかった二人がいる場所に走って向かう。
そして、部屋がある廊下に辿り着くと、毒魔虫の群れが、その部屋に進軍するように壁一面に群がっていたのだ。

「アレク様、気持ち悪いです。吐き気が......」

数え切れないほどの芋虫が壁一面に張り付いているような状況なので、苦手な人からするとナハスの状態は当たり前なのだ。

「ナハスは、ここで待ってて。俺が、解決してくるから」

「ア、アレク様、うっ......私には無理なようです。申し訳ございません」

アレクは、大量にいる毒魔虫を踏み潰しながら部屋に向かって歩き出す。その様子を見ていたナハスは、吐き気を催して顔を背けるのだ。

「うわぁ!グロ過ぎる......早くどうにかしないとだね」

アレクが、部屋を覗くと部屋の片隅に群がる毒魔虫がいた。しかも、結界を張っているのか、円状に毒魔虫が張り付いて気持ち悪いとしか表現のできない状態になっているのだった。
しおりを挟む
感想 2,193

あなたにおすすめの小説

伯爵令嬢の秘密の知識

シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。

ウルティメイド〜クビになった『元』究極メイドは、素材があれば何でも作れるクラフト系スキルで商売をして生計を立てていく〜

西館亮太
ファンタジー
「お前は今日でクビだ。」 主に突然そう宣告された究極と称されるメイドの『アミナ』。 生まれてこの方、主人の世話しかした事の無かった彼女はクビを言い渡された後、自分を陥れたメイドに魔物の巣食う島に転送されてしまう。 その大陸は、街の外に出れば魔物に襲われる危険性を伴う非常に危険な土地だった。 だがそのまま死ぬ訳にもいかず、彼女は己の必要のないスキルだと思い込んでいた、素材と知識とイメージがあればどんな物でも作れる『究極創造』を使い、『物作り屋』として冒険者や街の住人相手に商売することにした。 しかし街に到着するなり、外の世界を知らない彼女のコミュ障が露呈したり、意外と知らない事もあったりと、悩みながら自身は究極なんかでは無かったと自覚する。 そこから始まる、依頼者達とのいざこざや、素材収集の中で起こる騒動に彼女は次々と巻き込まれていく事になる。 これは、彼女が本当の究極になるまでのお話である。 ※かなり冗長です。 説明口調も多いのでそれを加味した上でお楽しみ頂けたら幸いです

子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!

八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。 『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。 魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。 しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も… そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。 しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。 …はたして主人公の運命やいかに…

「不細工なお前とは婚約破棄したい」と言ってみたら、秒で破棄されました。

桜乃
ファンタジー
ロイ王子の婚約者は、不細工と言われているテレーゼ・ハイウォール公爵令嬢。彼女からの愛を確かめたくて、思ってもいない事を言ってしまう。 「不細工なお前とは婚約破棄したい」 この一言が重要な言葉だなんて思いもよらずに。 ※約4000文字のショートショートです。11/21に完結いたします。 ※1回の投稿文字数は少な目です。 ※前半と後半はストーリーの雰囲気が変わります。 表紙は「かんたん表紙メーカー2」にて作成いたしました。 ❇❇❇❇❇❇❇❇❇ 2024年10月追記 お読みいただき、ありがとうございます。 こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。 1ページの文字数は少な目です。 約4500文字程度の番外編です。 バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`) ロイ王子の側近です。(←言っちゃう作者 笑) ※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。

魔力∞を魔力0と勘違いされて追放されました

紗南
ファンタジー
異世界に神の加護をもらって転生した。5歳で前世の記憶を取り戻して洗礼をしたら魔力が∞と記載されてた。異世界にはない記号のためか魔力0と判断され公爵家を追放される。 国2つ跨いだところで冒険者登録して成り上がっていくお話です 更新は1週間に1度くらいのペースになります。 何度か確認はしてますが誤字脱字があるかと思います。 自己満足作品ですので技量は全くありません。その辺り覚悟してお読みくださいm(*_ _)m

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました

taki210
ファンタジー
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件 『穢らわしい娼婦の子供』 『ロクに魔法も使えない出来損ない』 『皇帝になれない無能皇子』 皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。 だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。 毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき…… 『なんだあの威力の魔法は…?』 『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』 『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』 『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』 そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。