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第3章 アレクを狙って

第668話 王様を救い出せ!毒魔虫の大群!

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アレク達は、大量にいたエルフの兵士達に薬を飲ませて毒魔虫駆除をしていた。

「私達が、説得を試みますので、アレク様方は先に王の下へ向かってください」

ヤンとジアが、この場に残ってエルフ達を説得すると言う。

「ん~?では、お願いします。もし、言うことを一切聞かずに危害を加えられそうになったら、すぐに逃げてください」

一瞬、あのエルフ達が言うことを聞くように思えないと考えたが、ヤンとジアがやる気になっているなら、やらせてあげようと思ったのだ。

「はい!無理だと判断したら離脱します」

「私も、頑張るから。こんなわがままな種族と同じとかイヤ」

ジアは、ここへ来る前とは人が変わったかのように、エルフの身勝手さを嘆くのだ。

「ジアは、本当に変わったね。では、二人ともよろしくお願いします。それと、もし言うことを聞かずに、こっちに来るなら、これで知らせてください。通信の魔道具です」

アレクは、二人を信用できると通信の魔道具を渡した。

「こんな小型の通信魔道具があるのですね。やはり、貴方方は特別な人達のようです。こちらは、お返しするまで奪われないよう大切に扱わせて頂きます」

ジアとヤンは、大切に通信の魔道具を手に持って、耳にはめるとアレクにお辞儀をして礼をする。

「じゃあ、みんな行こうか」

エルフ達には、毒魔虫が寄生しないように薬を飲ませているので心配はないが、また理由のわからないことを言って暴れられる可能性があるので、アレクは早く王様に現状を伝えて帰りたいと考えている。

「アレク様、全ての住人に薬を飲ませていたら、いくら時間があっても足りません。私達で、街の住人を元に戻しますので、アレク様とナハス様は先に王城へと向かってください」

このまま一人一人元に戻して説得したとしても、言う事を聞かず日が暮れてしまうなと感じたパスクは、王様を説得した方が効率がいいと考えた。

「確かに、そうだね。じゃあ、大量の薬を渡しておくから頼んだよ。あと、あの湖は証拠になるからあのままにしといてね」

「畏まりました。こちらは、お任せください」

証拠と言っているが、もし王様も分からず屋ならば、あの湖を使って事実を突きつけるいい方法を思いついていたのだ。

「よし!パスクの案でいこう。魔物の街に早く帰ってやることもいっぱいあるし。おいしいご飯も恋しくなってきたからね」

そう言うとパスク達に薬を渡して、アレクとナハスは、空を飛んで王城へと向かう。





「あれ?おかしいなぁ。王城ならもっと兵がいると思ったんだけど」

アレクとナハスは、スムーズに城に着くことができたのだが、向かう間も着いてからも、妨害する兵士達の姿は一切なかった。

「街の入口に全ての兵を差し向けたのではないでしょうか?それに、虫からすると王などどうでもよい存在でしょうから」

ナハスの言っていることは確かで、金銭目当てや脅すような存在ではない虫からすると、王よりも戦闘ができる兵士の方が重要なのだ。

「ナハスの言う通りかも。今、城の中を探ってみたら二人しか反応がなかったよ。とりあえず、行ってみよう」

オレールの探知魔法には及ばないが、気配を確認したところ一箇所に二人が重なるように集まっている場所を発見した。

「はい!わかりました」

アレクとナハスは、城の入口を破壊して、気配に引っかかった二人がいる場所に走って向かう。
そして、部屋がある廊下に辿り着くと、毒魔虫の群れが、その部屋に進軍するように壁一面に群がっていたのだ。

「アレク様、気持ち悪いです。吐き気が......」

数え切れないほどの芋虫が壁一面に張り付いているような状況なので、苦手な人からするとナハスの状態は当たり前なのだ。

「ナハスは、ここで待ってて。俺が、解決してくるから」

「ア、アレク様、うっ......私には無理なようです。申し訳ございません」

アレクは、大量にいる毒魔虫を踏み潰しながら部屋に向かって歩き出す。その様子を見ていたナハスは、吐き気を催して顔を背けるのだ。

「うわぁ!グロ過ぎる......早くどうにかしないとだね」

アレクが、部屋を覗くと部屋の片隅に群がる毒魔虫がいた。しかも、結界を張っているのか、円状に毒魔虫が張り付いて気持ち悪いとしか表現のできない状態になっているのだった。
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