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第3章 アレクを狙って

第653話 エルフの国に出発!レッドドラゴン歓喜!

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今回エルフの国に向かうメンバーと見送る魔物達が大勢集まった。
そして、大樹を抱えたヘルミーナとアレクが別れの挨拶を交わす。

「アレクのことだから、何を言っても無茶をするのはわかってるわ。だから、何も言わない。ただ、無事に帰ってきて」

ヘルミーナは、アレクと結婚してから、多くの出来事に直面して、精神的に強くなったのだ。

「うん。大切なヘルミーナと大樹がいるからね。すぐに帰ってくるよ。それに、万全な準備と頭がいいパスクとオレールがいるから万が一でも安心だよ。あと、ナハスの代わりにアサシンを護衛につけたからね」

ヘルミーナと大樹の護衛として、影に潜むことができるアサシンを起用した。

「安心して待ってるわね。心配するだけ損だってわかったの。それと、アサシンさんがついてくれるなら安心できるわ」

アサシンは、影から現れて「お任せください」と言って、また姿を消す。

「パパ、僕も行きたかったでしゅ!冒険羨ましいでしゅ」

「大樹にはまだ早いかな。でも、大きくなったら一緒に冒険しようね」

アレクは、大樹の頭を撫でて言い聞かせる。
そして、言葉の通り、大樹が成長したら一緒に冒険者活動をしたいなと思っているのだ。

「う~、仕方ないでしゅ。早く大きくなりたいでしゅ」

「アレク坊、安心しろ!大樹に基礎を叩き込んでおく。もしかしたら、アレク坊以上の才能かもしれないからな」

エルフの国へ行っている間に、ノックスが大樹に基礎を叩き込むという。
それを聞いた大樹は、「やったでしゅ」と手を上げて喜ぶ。

「師匠、まだ赤ん坊ですから程々にしてくださいね。あと絶対にエクストラポーションを常備してください!」

ノックスは、加減を見誤ることがあるので、アレクは心配でならないのだ。

「安心しろ!赤ん坊に無理をさせるわけないだろ。俺が、そんな鬼畜最低野郎に見えるか?」

「いや、流石に鬼畜最低野郎とは思ってませんよ。そうですね。師匠を信じますからね。お願いします」

強い相手を見つけるとやり過ぎることがあるノックスを心配している。何故なら、大樹がそこら辺にいる冒険者以上の実力を持っているからだ。

「おう!任せとけ。じゃあ、さっさと行って来い!」

ノックスは、言い終えると拳を前に突き出す。アレクは、それに呼応するように拳を突き出して軽くコツンと当てるのだ。

「アレク様、そろそろ参りましょう」

レッドドラゴンに、今回行くメンバーが乗ったのを確認して、アレクに出発を知らせる。

「うん!行こうか。じゃあ、みんな行ってくるね。ヘルミーナ、大樹おいで」

「アレクの帰りを大樹と一緒に待ってるわね」

アレクとヘルミーナは、最後に抱き合って別れの挨拶をする。大樹も、小さな手でアレクの頬を触っていってらっしゃいと見送るのだ。

「ご主人様、では出発しますので、しっかり掴まっていてください」

全員レッドドラゴンに乗ると、レッドドラゴンが振り落とされないように指示してくる。
アレクは、言われた通りに左手で掴みながら、「いってらっしゃーい」と手を振る住人に手を振り返すのだった。





「アレク様、事前にご報告した通り、このまま順調にいけば、2日で着く予定です」

本来ならば、休憩を挟みながらの移動になるのだが、休憩を挟むとレッドドラゴンのスピードでも4日もかかる距離だと判明した。
なので、アレクは不眠不休薬と速度上昇薬を作ってレッドドラゴンに飲ませて、休憩を挟むことなく飛べるようにしたのだ。

「レッドドラゴンを無理させて申し訳ないけど、まさか真反対に位置するとは思っていなかったからね。レッドドラゴン、ごめんね」

「お気になさらないでください!ご主人様のご命令とあらば、煉獄の炎の中へでも飛び込む所存でございます」

アレクが、申し訳なさそうにするが、大好きなアレクからお願いされたことが嬉しく、一切嫌だと感じないレッドドラゴン。

「そんな熱そうな炎があったら逃げてね。でも、ありがとうね。しんどくなったらいつでも言ってくれていいから」

アレクは、労いながらレッドドラゴンの背中を擦る。

「ご主人様が、私を労って更に背中を!ご主人様ぁぁぁぁ!いきまーす」

レッドドラゴンは、大好きなアレクに優しくされた喜びで気合いが入り、更にスピードを上げて飛ぶのだった。
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