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第3章 アレクを狙って

第646話 帰宅と滅多にない親子の冗談!?

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アレク達は、無事にストレンの街にあるヨゼフの屋敷に着くと、いつものようにセバンとナタリーが屋敷の前でお出迎えをしてくれていた。

「皆様、おかえりなさいませ。どうやら、楽しい時間をお過ごしになられたようですね」

セバンは、全員無事に帰宅したことを喜ぶ。ナタリーも同じように「おかえりなさいませ」とお辞儀をして出迎える。
すると、アレク達も全員で「ただいま~」と元気よく挨拶を返すのだ。

「色々なことがあって、楽しかったよ。魔物の進化やクラーケンの出現や新しい事業の可能性やらね。その件で、父上と話したいから予定を聞いてもらえないかな?」

アレクは、魔物の街の件も気になるので、いち早く話をまとめようと考えている。

「またまた、内容の濃いお話が聞けそうですね。畏まりました。本日旦那様に来客もございませんので、ご予定をお窺いして参ります。ナタリー、皆様にお風呂の用意をしてあげてください」

「はい!いつでも入れるよう準備は整っておりますので、皆様をご案内致しますね」

セバンは、頭を下げて、すぐさまヨゼフに確認を取りに行く。
ナタリーは、ここへきた当時に比べたら先読みするほどのメイド成長しているようである。
そして、ナタリーを先頭に、汚れた体を綺麗にするため、全員風呂場に向かうのだった。





セバンから、ヨゼフがすぐに話の場を設けてくれると連絡があり、一足先に風呂から上がってヨゼフの部屋へと向かう。

「アレクです。入ってもよろしいですか?」

「入りなさい」

ノックをして入室の許可を求めると、あっさりと許可があり、アレクは部屋に入る。

「レオとカレンの面倒をありがとのぅ。でじゃ、何やらまた悪巧みを考えておると聞いてのぅ。どういう話じゃ?」

ヨゼフは、わざとからかうようにアレクに聞く。

「大樹もレオとカレンのことを兄弟って思うほど仲がいいし、面倒なんて思ってないよ。それより、悪巧みとか言わないでよ。街を盛り上げるための悪巧みなんだからさ」

アレクも、ヨゼフに便乗するように悪巧みという言葉を使って遊び始める。
貴族同士とはいえ、家族だからこそ許される会話だろう。

「やはり悪巧みじゃったか!お主も悪よのぅ。ワシとアレクの儲けはどのくらい出るんじゃ?フッハハハ」

「旦那様、アレク様、二人して悪政を振りまく貴族のような顔をしないでください!それに、悪いことに慣れていないので、二人とも着地点を見つけられていないでしょ?」

ヨゼフは、呆れたような顔をしてアレクとヨゼフの冗談話の間に割って入る。

「セバンの言う通りじゃ。真似てみたが、その先何を話せばいいか、もうわからんかったからのぅ。よいタイミングで止めてくれたわい」

「俺も、お父さんに乗ってやってみたけど、あれ以上続いたら無言の空気を流すとこだった。セバン、タイミング完璧だったよ」

アレクもヨゼフも、悪のノリを始めたはいいが、慣れていないせいでグダグダになりかけていたのだ。

「親子の団らんは仲睦まじくよろしいのですが、一刀両断できる奥様がいる時にお願い致します!ではそろそろ、本当の話し合いをしてくださいね」

セバンも、うまく止めることができたように見えるが、やはりスバっと辛辣にも切り込むことのできるカリーネが一番の適役だと言うのだ。

「カリーネの前で、こんな話はできんわい!あとあと責められるのはワシじゃからな。アレク、冗談はここまでにして、そろそろ本題に入ろうかのぅ」

カリーネの前で言えば、「アレクちゃんに悪影響でしょ」と過保護なカリーネが出てきそうな予感がしたヨゼフは、絶対に言えないと思うのだった。
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