527 / 756
第3章 アレクを狙って
第638話 異世界と前世のミックスキャンプ道具!
しおりを挟む
少し過去に遡る。
アレクとパスクが、おやっさんの下を訪ねるとおやっさんはニヤニヤしながら仁王立ちで待っているのだ。
「おやっさん、来てほしいってことだったけどどうしたの?」
アレクは、おやっさんの部下からおやっさんが呼んでいることしか聞かされておらず、何故呼ばれたのか理由を尋ねる。
「おう!坊主きたか!パスクもようきたのぅ。着いてくるんじゃ!裏庭に行くぞい」
おやっさんは、機嫌がいいのか、ニヤニヤと笑みが混ざったような顔をして、るんるん気分で裏庭に案内する。アレクとパスクは、なんだろうといった感じで、二人は顔を見合わせて首を傾げながらあとをついて行くのだ。
「坊主、これを見せたかったんじゃ!何かわかるか?」
裏庭に行くと、アレクが前世に見慣れた物達が数多く並んでいた。
「うわぁぁぁ!遂に完成したの!?凄い!」
アレクは、いつの間にかおやっさんに対して敬語ではなく砕けた感じで話すようになっていた。これは、おやっさんからの要望で「畏まるな」と言われたからである。
そして、以前からお願いしていたキャンプ道具一式をおやっさんが遂に完成させて披露してきたのだ。
「これは何でしょうか?椅子のような物やテーブルのような物はわかるのですが。それ以外はよくわかりません」
パスクは、既存で存在する物から推測できる物はわかるのだが、折り畳まれた何かや鉄の箱に足が付いたような物は理解ができないのだ。
「パスク、これは外に遊びに行く時とかに使う必需品なんだよ。おやっさん、早速説明をお願い」
「任せるんじゃ!パスクもきっと驚くこと間違いなしじゃぞ」
ワクワクした顔で、目の前のキャンプ道具を見るアレクと、ニヤニヤしながら自信満々な顔で答えるおやっさんに、パスクは何を見せられるのだと疑問に思うのだ。
「まずは、折りたたみ椅子じゃ。ここを引っ張りながら持ち上げると簡単に小さくできるんじゃ!更に、アダマンタイト製かつキングデーモンスパイダーの糸で作っておるから誰が座ろうと壊れる心配はないわい」
椅子のフレームと足にはアダマンタイトが使われており、背もたれと座る部分は、スパイダー系の魔物の頂点であるキングデーモンスパイダーの糸が使われているとのことだ。
「おやっさん、完璧だよ!よく折りたたむことができたね。流石だよ」
「色々試行錯誤を繰り返したわい!じゃが、今回の仕事は、今後の武器や街作りや色んなものに役立つじゃろう。ええ仕事じゃった!次は、これじゃわい」
アレクは、見事に前世の折りたたみ椅子が再現されていることに興奮を覚える。そして、おやっさんは細かい技術が詰まった今回の仕事は、更にドワーフ達の技術向上に繋がったと言う。
その様子を眺めていたパスクは、確かに凄いとは思うのだが、ただの椅子で興奮しすぎだろうと思う。それよりも、椅子一つにアダマンタイトやキングデーモンスパイダーの糸が使われている方が、驚きだろうと思うのだ。
「うわぁぁぁ!まさかワンタッチテント!?」
「そうじゃ!広げててっぺんの糸を引っ張れば、すぐ完成じゃわい。更に、魔道具を埋め込み、風を避けと防御結界が発動するようになっておるんじゃ」
ワンタッチテントのデメリットである風と衝撃の弱さを完全克服させた完璧な物をおやっさんは作ってしまったのだ。
「まだまだじゃ!頼まれておったタープテントとバーベキューコンロと炭と調理器具とランタンとマットじゃな」
おやっさんは、次々とアレクに頼まれていたキャンプ道具一式を披露していく。
流石に、全てが出される頃には、パスクもキャンプ道具の素晴らしさを理解したのか、興奮した様子になる。
「アレク様、はじめはよくわかりませんでしたが、素晴らしい物ですね!安価にできるなら、冒険者が重宝するでしょう。それに、国が欲すると思います。これは、慎重に扱いましょう」
「確かに、言われて気付いたけどそうだね。でも、最初は俺達のために使おうよ!一般化するのは、そのあとかな」
アレクは、自分達が楽しくキャンプをするために作ろうと思っていただけなのだが、パスクはすでに商品化の目処を立てているようであり、世に出すための計画を頭で考えているのであった。
アレクとパスクが、おやっさんの下を訪ねるとおやっさんはニヤニヤしながら仁王立ちで待っているのだ。
「おやっさん、来てほしいってことだったけどどうしたの?」
アレクは、おやっさんの部下からおやっさんが呼んでいることしか聞かされておらず、何故呼ばれたのか理由を尋ねる。
「おう!坊主きたか!パスクもようきたのぅ。着いてくるんじゃ!裏庭に行くぞい」
おやっさんは、機嫌がいいのか、ニヤニヤと笑みが混ざったような顔をして、るんるん気分で裏庭に案内する。アレクとパスクは、なんだろうといった感じで、二人は顔を見合わせて首を傾げながらあとをついて行くのだ。
「坊主、これを見せたかったんじゃ!何かわかるか?」
裏庭に行くと、アレクが前世に見慣れた物達が数多く並んでいた。
「うわぁぁぁ!遂に完成したの!?凄い!」
アレクは、いつの間にかおやっさんに対して敬語ではなく砕けた感じで話すようになっていた。これは、おやっさんからの要望で「畏まるな」と言われたからである。
そして、以前からお願いしていたキャンプ道具一式をおやっさんが遂に完成させて披露してきたのだ。
「これは何でしょうか?椅子のような物やテーブルのような物はわかるのですが。それ以外はよくわかりません」
パスクは、既存で存在する物から推測できる物はわかるのだが、折り畳まれた何かや鉄の箱に足が付いたような物は理解ができないのだ。
「パスク、これは外に遊びに行く時とかに使う必需品なんだよ。おやっさん、早速説明をお願い」
「任せるんじゃ!パスクもきっと驚くこと間違いなしじゃぞ」
ワクワクした顔で、目の前のキャンプ道具を見るアレクと、ニヤニヤしながら自信満々な顔で答えるおやっさんに、パスクは何を見せられるのだと疑問に思うのだ。
「まずは、折りたたみ椅子じゃ。ここを引っ張りながら持ち上げると簡単に小さくできるんじゃ!更に、アダマンタイト製かつキングデーモンスパイダーの糸で作っておるから誰が座ろうと壊れる心配はないわい」
椅子のフレームと足にはアダマンタイトが使われており、背もたれと座る部分は、スパイダー系の魔物の頂点であるキングデーモンスパイダーの糸が使われているとのことだ。
「おやっさん、完璧だよ!よく折りたたむことができたね。流石だよ」
「色々試行錯誤を繰り返したわい!じゃが、今回の仕事は、今後の武器や街作りや色んなものに役立つじゃろう。ええ仕事じゃった!次は、これじゃわい」
アレクは、見事に前世の折りたたみ椅子が再現されていることに興奮を覚える。そして、おやっさんは細かい技術が詰まった今回の仕事は、更にドワーフ達の技術向上に繋がったと言う。
その様子を眺めていたパスクは、確かに凄いとは思うのだが、ただの椅子で興奮しすぎだろうと思う。それよりも、椅子一つにアダマンタイトやキングデーモンスパイダーの糸が使われている方が、驚きだろうと思うのだ。
「うわぁぁぁ!まさかワンタッチテント!?」
「そうじゃ!広げててっぺんの糸を引っ張れば、すぐ完成じゃわい。更に、魔道具を埋め込み、風を避けと防御結界が発動するようになっておるんじゃ」
ワンタッチテントのデメリットである風と衝撃の弱さを完全克服させた完璧な物をおやっさんは作ってしまったのだ。
「まだまだじゃ!頼まれておったタープテントとバーベキューコンロと炭と調理器具とランタンとマットじゃな」
おやっさんは、次々とアレクに頼まれていたキャンプ道具一式を披露していく。
流石に、全てが出される頃には、パスクもキャンプ道具の素晴らしさを理解したのか、興奮した様子になる。
「アレク様、はじめはよくわかりませんでしたが、素晴らしい物ですね!安価にできるなら、冒険者が重宝するでしょう。それに、国が欲すると思います。これは、慎重に扱いましょう」
「確かに、言われて気付いたけどそうだね。でも、最初は俺達のために使おうよ!一般化するのは、そのあとかな」
アレクは、自分達が楽しくキャンプをするために作ろうと思っていただけなのだが、パスクはすでに商品化の目処を立てているようであり、世に出すための計画を頭で考えているのであった。
240
お気に入りに追加
6,084
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
スキルが農業と豊穣だったので追放されました~辺境伯令嬢はおひとり様を満喫しています~
白雪の雫
ファンタジー
「アールマティ、当主の名において穀潰しのお前を追放する!」
マッスル王国のストロング辺境伯家は【軍神】【武神】【戦神】【剣聖】【剣豪】といった戦闘に関するスキルを神より授かるからなのか、代々優れた軍人・武人を輩出してきた家柄だ。
そんな家に産まれたからなのか、ストロング家の者は【力こそ正義】と言わんばかりに見事なまでに脳筋思考の持ち主だった。
だが、この世には例外というものがある。
ストロング家の次女であるアールマティだ。
実はアールマティ、日本人として生きていた前世の記憶を持っているのだが、その事を話せば病院に送られてしまうという恐怖があるからなのか誰にも打ち明けていない。
そんなアールマティが授かったスキルは【農業】と【豊穣】
戦いに役に立たないスキルという事で、アールマティは父からストロング家追放を宣告されたのだ。
「仰せのままに」
父の言葉に頭を下げた後、屋敷を出て行こうとしているアールマティを母と兄弟姉妹、そして家令と使用人達までもが嘲笑いながら罵っている。
「食糧と食料って人間の生命活動に置いて一番大事なことなのに・・・」
脳筋に何を言っても無駄だと子供の頃から悟っていたアールマティは他国へと亡命する。
アールマティが森の奥でおひとり様を満喫している頃
ストロング領は大飢饉となっていた。
農業系のゲームをやっていた時に思い付いた話です。
主人公のスキルはゲームがベースになっているので、作物が実るのに時間を要しないし、追放された後は現代的な暮らしをしているという実にご都合主義です。
短い話という理由で色々深く考えた話ではないからツッコミどころ満載です。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。
克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位
魔力∞を魔力0と勘違いされて追放されました
紗南
ファンタジー
異世界に神の加護をもらって転生した。5歳で前世の記憶を取り戻して洗礼をしたら魔力が∞と記載されてた。異世界にはない記号のためか魔力0と判断され公爵家を追放される。
国2つ跨いだところで冒険者登録して成り上がっていくお話です
更新は1週間に1度くらいのペースになります。
何度か確認はしてますが誤字脱字があるかと思います。
自己満足作品ですので技量は全くありません。その辺り覚悟してお読みくださいm(*_ _)m
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!
八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。
『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。
魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。
しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も…
そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。
しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。
…はたして主人公の運命やいかに…
魔力無しだと追放されたので、今後一切かかわりたくありません。魔力回復薬が欲しい?知りませんけど
富士とまと
ファンタジー
一緒に異世界に召喚された従妹は魔力が高く、私は魔力がゼロだそうだ。
「私は聖女になるかも、姉さんバイバイ」とイケメンを侍らせた従妹に手を振られ、私は王都を追放された。
魔力はないけれど、霊感は日本にいたころから強かったんだよね。そのおかげで「英霊」だとか「精霊」だとかに盲愛されています。
――いや、あの、精霊の指輪とかいらないんですけど、は、外れない?!
――ってか、イケメン幽霊が号泣って、私が悪いの?
私を追放した王都の人たちが困っている?従妹が大変な目にあってる?魔力ゼロを低級民と馬鹿にしてきた人たちが助けを求めているようですが……。
今更、魔力ゼロの人間にしか作れない特級魔力回復薬が欲しいとか言われてもね、こちらはあなたたちから何も欲しいわけじゃないのですけど。
重複投稿ですが、改稿してます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。