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第3章 アレクを狙って
第627話 天才幼児と天才少年・少女の秘密の夜会!
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ノアとカレンと大樹は、大人達の目を盗んで三人でよく遊んでいた。
そして、今日は夜な夜な部屋に何かをしようと集まったのだ。
「たいじゅ、なにしてあそぶ?」
ノアとカレンと大樹は、部屋の一室に集まって三人で円を作って話している。
「ノアにぃしゃまとカレンねぇしゃまは、空を飛べるでしゅか?」
大樹は、赤ちゃんながらにして突拍子もないことを口にする。だが、ノアもカレンも全く驚いた表情をしない。それに、赤ちゃんが話していることに対しても全く触れることがないのだ。
「とべな~い」
「うん!私も、飛べないよ」
ノアもカレンも首を振ってできないと否定する。
「空を飛びたくないでしゅか?ナハスが気持ちよさそうに飛んでたんでしゅ」
大樹は、ナハスが出かける時に空を飛んで行くのを見て目を自分も飛びたいと考えたのだ。
「え!?もしかして、たいじゅちゃんはお空を飛べるの?」
カレンが、驚いた表情をして尋ねる。ノアも、興奮しながら騒いでいるのだ。
「うん!ナハスとは違うかもでしゅが、風魔法を使って飛ぶでしゅよ。やってみるでしゅか?」
大樹の話を聞いて興奮した二人は「やるやる」とすぐに返事をする。
「でも、風魔法の適正がないとだめなんでしゅ。まずは、風魔法が使えるか試すでしゅよ。二人とも指をこうやって立てるでしゅ」
どこで、こんな知識を身に着けたのかは分からないが、大樹の魔法教室が幕を開ける。
そして、大樹は人差し指を立てて、集中すると人差し指に小さな風の渦のような物が出来上がるのだ。
「こうかな?え!?たいじゅちゃん、なにそれ?ぐるぐる回ってるよ~」
「すご~い!どうやるのかおしえて~」
ノアとカレンは、大樹の魔法を見て目をキラキラさせながら喜ぶ。
「ん~とでしゅねぇ。指先に風が纏わりつくように想像させながら回転させるんでしゅ!」
大樹の説明からわかるように、大樹は天才肌で感覚でものを掴む人種のようだ。
このような説明で、普通の人ができるわけがないのだが、ノアとカレンが興奮したような声を上げるのだ。
「できたの~たいじゅちゃんは、教え方がうまいね」
「うわぁぁぁ!僕もできたよぉぉ」
どうやら、大樹だけではなく、この二人も化け物だったのだ。
あっさりと、大樹の簡単な説明だけで魔法も習ったことのない二人が感覚だけで成功させたのである。
「早いでしゅ!ノアにぃしゃまとカレンねぇしゃまは、魔力量が多いんでしゅね。深呼吸して僕みたいに小さく回転するようにコントロールするでしゅよ」
大樹は、こんな簡単に二人が習得すると思っていなかったので興奮する。しかし、オッドアイの二人は、生まれつき魔力量が多いのでコントロールが難しく人差し指に集約された風魔法が、凄い勢いで回転して濃密な魔力を帯びているのだ。
「ふぅ~、たいじゅちゃん、これでどう?」
「ふぅ~、小さくするのむずかしい。できてるかなぁ?」
カレンとノアは、魔法を出した時よりもコントロールの方が難しいようで、ぐぬぬと言いながら真剣な顔をする。
「いい感じでしゅ。飛ぶ時は、コントロールが重要でしゅからね!それと、ここからが本番でしゅ!風魔法を足に纏わせるようにするでしゅよ。ほら、少しずつ浮くでしゅ」
赤ん坊なのに何故立ち上がっているのかは、大樹だからとしか言いようがないが、立ち上がった大樹は、足に風魔法を魔法を纏わせて、少し浮き上がるのだ。
「すごい!すごい!僕たちもやろう」
「うん!ノアより先に浮いてみせるんだから」
ノアとカレンは、真剣な表情で額に汗を流しながら、「小さく小さく」と呟いて足に集中する。
すると、あっさり二人同時に浮き上がるのだ。
「やったやった!できたよぉぉ」
「やったぁぁ!でも、ノアと同時は悔しい~」
ノアは、「えへへ」と笑うと、カレンは「次も勝負しよ」と笑顔で返す。
「そろそろ、ナハスが探し始めるでしゅから部屋に戻るでしゅよ!明日も、この時間に集合でしゅ」
ノアとカレンは、すぐに頷いて大樹と一緒に、そろりそろりと自室に戻る。
これからも、若き天才達の秘密の夜は続くのである。
そして、今日は夜な夜な部屋に何かをしようと集まったのだ。
「たいじゅ、なにしてあそぶ?」
ノアとカレンと大樹は、部屋の一室に集まって三人で円を作って話している。
「ノアにぃしゃまとカレンねぇしゃまは、空を飛べるでしゅか?」
大樹は、赤ちゃんながらにして突拍子もないことを口にする。だが、ノアもカレンも全く驚いた表情をしない。それに、赤ちゃんが話していることに対しても全く触れることがないのだ。
「とべな~い」
「うん!私も、飛べないよ」
ノアもカレンも首を振ってできないと否定する。
「空を飛びたくないでしゅか?ナハスが気持ちよさそうに飛んでたんでしゅ」
大樹は、ナハスが出かける時に空を飛んで行くのを見て目を自分も飛びたいと考えたのだ。
「え!?もしかして、たいじゅちゃんはお空を飛べるの?」
カレンが、驚いた表情をして尋ねる。ノアも、興奮しながら騒いでいるのだ。
「うん!ナハスとは違うかもでしゅが、風魔法を使って飛ぶでしゅよ。やってみるでしゅか?」
大樹の話を聞いて興奮した二人は「やるやる」とすぐに返事をする。
「でも、風魔法の適正がないとだめなんでしゅ。まずは、風魔法が使えるか試すでしゅよ。二人とも指をこうやって立てるでしゅ」
どこで、こんな知識を身に着けたのかは分からないが、大樹の魔法教室が幕を開ける。
そして、大樹は人差し指を立てて、集中すると人差し指に小さな風の渦のような物が出来上がるのだ。
「こうかな?え!?たいじゅちゃん、なにそれ?ぐるぐる回ってるよ~」
「すご~い!どうやるのかおしえて~」
ノアとカレンは、大樹の魔法を見て目をキラキラさせながら喜ぶ。
「ん~とでしゅねぇ。指先に風が纏わりつくように想像させながら回転させるんでしゅ!」
大樹の説明からわかるように、大樹は天才肌で感覚でものを掴む人種のようだ。
このような説明で、普通の人ができるわけがないのだが、ノアとカレンが興奮したような声を上げるのだ。
「できたの~たいじゅちゃんは、教え方がうまいね」
「うわぁぁぁ!僕もできたよぉぉ」
どうやら、大樹だけではなく、この二人も化け物だったのだ。
あっさりと、大樹の簡単な説明だけで魔法も習ったことのない二人が感覚だけで成功させたのである。
「早いでしゅ!ノアにぃしゃまとカレンねぇしゃまは、魔力量が多いんでしゅね。深呼吸して僕みたいに小さく回転するようにコントロールするでしゅよ」
大樹は、こんな簡単に二人が習得すると思っていなかったので興奮する。しかし、オッドアイの二人は、生まれつき魔力量が多いのでコントロールが難しく人差し指に集約された風魔法が、凄い勢いで回転して濃密な魔力を帯びているのだ。
「ふぅ~、たいじゅちゃん、これでどう?」
「ふぅ~、小さくするのむずかしい。できてるかなぁ?」
カレンとノアは、魔法を出した時よりもコントロールの方が難しいようで、ぐぬぬと言いながら真剣な顔をする。
「いい感じでしゅ。飛ぶ時は、コントロールが重要でしゅからね!それと、ここからが本番でしゅ!風魔法を足に纏わせるようにするでしゅよ。ほら、少しずつ浮くでしゅ」
赤ん坊なのに何故立ち上がっているのかは、大樹だからとしか言いようがないが、立ち上がった大樹は、足に風魔法を魔法を纏わせて、少し浮き上がるのだ。
「すごい!すごい!僕たちもやろう」
「うん!ノアより先に浮いてみせるんだから」
ノアとカレンは、真剣な表情で額に汗を流しながら、「小さく小さく」と呟いて足に集中する。
すると、あっさり二人同時に浮き上がるのだ。
「やったやった!できたよぉぉ」
「やったぁぁ!でも、ノアと同時は悔しい~」
ノアは、「えへへ」と笑うと、カレンは「次も勝負しよ」と笑顔で返す。
「そろそろ、ナハスが探し始めるでしゅから部屋に戻るでしゅよ!明日も、この時間に集合でしゅ」
ノアとカレンは、すぐに頷いて大樹と一緒に、そろりそろりと自室に戻る。
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