チート薬学で成り上がり！ 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました！

第3章 アレクを狙って

第623話 カリーネのアドバイスと悩むアレク！

アレクは、ヨゼフから言われた通りに、カリーネを探していると、中庭でナハスと大樹と一緒に遊ぶカリーネを見つけた。

「お母さん、今ちょっと話せるかな？」

「アレクちゃん......わかったわ！私の部屋に行きましょうか！ナハスちゃん、大樹ちゃんをよろしく頼むわね！息子の悩みを聞いてくるわ」

カリーネは、アレクの表情と声色だけで何かあったのだと察して、すぐに二人っきりになれるように提案するのだ。

「はい！大樹様と遊んでいますので、ごゆっくりしてきてください！では、大樹様魔法で遊びましょうか」

ナハスも二人の邪魔をしないように機転を利かせる。それにしても、0歳児と魔法で遊ぶとはどういうことなのだろうとアレクは思うが、今はヘルミーナのことが優先なので、カリーネと部屋に向かうのだ。

「お母さん、なんで俺が悩んでるってわかったの？」

カリーネの部屋に向かう廊下で、何故なのかを尋ねる。

「私は、あなたの母親よ！アレクちゃんの顔を見たら一発でわかるわ！私に、相談をしてくるってことは、ヘルミーナちゃんのことか、他の女性の件かしらね？」

「アハハ、お母さんには全てお見通しかぁ！ヘルミーナのことだよ！部屋に着いたら話すね」

アレクは、やっぱり母親には勝てないなと肌で感じてしまう。

「フフッ、浮気じゃなくてよかったわ！じゃあ、部屋でゆっくり聞きましょうね」

カリーネは、笑っているが、もし浮気だったならどんな怖い罰が待っていたのだろうとアレクは感じてしまう。
そうこうしているうちに、カリーネの部屋にたどり着いて、二人は対面で椅子に座るのだ。

「ヘルミーナちゃんと何があったのかしら？」

「えっと、王国にいない間の話しをしていて聖女様を助けた話しをしたんだけど、急に聖女様は可愛かったって尋ねられて、それに答えたら怒って部屋を出て行ってしまったんだよ......」

アレクは、カリーネにヘルミーナとの出来事を話す。カリーネは、少し考えたあと口を開く。

「アレクちゃん、詳しく話してくれるかしら？例えば、なんて返答をしたのかとかね！今の話だと見えるものも見えないわ」

カリーネからすると、アレクの話してくれた内容はかなり端的に端折られていると感じた。

「可愛いって言ったあとに肌が人間離れした白さって答えて、何故か責められたけど、わけがわからず、なんで怒ってるのか聞きました」

アレクは、あの時話したまんまではないが、事実をカリーネに伝える。

「アレクちゃんもあの人と同じで女心がわかってないわね！そういう時は、可愛いかったけどヘルミーナほどじゃなかったとかヘルミーナのことを考えてたから可愛いとか考えられなかったよとか嘘でも言わなきゃ駄目よ」

「え？聖女様のことを聞かれただけなのに......女心って難しいよぉぉ！」

カリーネから言われた言葉を聞いて、アレクからしたら意味がわからなかった。本当にどういうことなのだろうかと思ってしまうのだ。

「言葉に全ての本心が隠されているとは限らないのよ！難しいとは思うけど、読み取ってあげないといけない時があるの！女は時に面倒くさい生き物になるの！」

「難しいけど、夫婦円満でいたいなら理解しないといけないってことだよね！それで、ヘルミーナに謝ろうと思うんだけど、なんて謝ればいいかな？」

カリーネの言わんとしていることは理解できたのだが、本番でうまくヘルミーナの気持ちを読み取れるかと言われたら、また別の話なので、アレクは今後が大変だと思うのだ。

「素直に、ごめんなさいをしてから、気持ちを理解してあげられなかったことを謝りなさい！それから、自分の気持ちを伝えるのよ！私も、ついていくから、今から行くわよ」

「え！？もう行くの？まだ心の準備が......」

アレクは、カリーネに引っ張られながらヘルミーナの下に向かうのだった。