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第3章 アレクを狙って

昨日更新分 第620話 家族との再会!

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アレクは、転移をしてストレンの街を訪れる。すぐにヘルミーナと会いたいという気持ちがあったので、屋敷の門近くに転移した。

「お久しぶりです!お元気そうですね」

アレクは、顔見知りの門番二人に声をかける。すると、門番二人は驚いた表情をして、一人は屋敷の中へ入って行くのだ。

「アレク様!ご無沙汰しております!旦那様より、アレク様が来られましたら、すぐに知らせるようにと言われておりますので、じきにこちらへ来られると思います」

先程、屋敷の中へと入っていった門番は、事前にヨゼフからアレクが来た際は、すぐに呼ぶようにと命令を受けていたようだ。
そして、暫く待っていると、四人が姿を現して、その中の一人がアレクと目が合った瞬間駆け出して抱きついてくる。

「アレク、ずっと待っていたのよ......」

ヘルミーナは、泣きながらアレクの胸に飛び込む。アレクは、泣きじゃくるヘルミーナを優しく抱きしめるのだ。

「ヘルミーナ、ごめんね!いっぱい心配かけちゃったよね?」

「当たり前よ!どれだけ心配したと思ってるの!死んだかもと思った時は......わぁぁぁぁん」

ヘルミーナは、語気を強めてアレクに話すが、それも次第に弱くなって子供のように大泣きをしてアレクにしがみつく。

「ごめんね!すぐに会いたかったんだけど、どうしても......って全て言い訳になるよね!本当にごめんなさい」

アレクは、ヘルミーナを優しく抱きしめながら謝る。ヘルミーナは、先程よりも強くしがみついて大泣きをするのだ。
そして、暫く泣きじゃくったあと、ヘルミーナは強く握りしめた手を緩めて少し離れる。

「アレク、困らせてごめんなさい!本当に心配だったから......恥ずかしい」

ヘルミーナは、少し我に返ると、色んな人の前で子供のように泣きじゃくる姿に恥ずかしさを感じるのだ。

「アハハ、恥ずかしがるヘルミーナもかわいいよ!あとで何があったか色々と話すからね」

アレクは、久々に会ったヘルミーナの恥ずかしがる姿を見て、内心凄くかわいいなと思ってしまう。

「もう、アレクったら!色々聞かせてね!それから、改めておかえりなさい」

「ヘルミーナ、ただいま」

アレクとヘルミーナは、お互い見つめ合いながら笑顔で挨拶を交わす。
すると、二人の再会を眺めていた三人が、アレク達に近づいてくる。

「ご主人様......」

ナハスは、アレクとヘルミーナとの再会を邪魔しないようにと我慢していたが、アレクに近付くと感情が一気に爆発して涙が溢れ出すのだ。
ヘルミーナは、気を使ってナハスが抱きかかえている大樹を受け取って抱っこする。

「ナハスにも心配かけちゃったね!繋がりが感じられなくなって焦ったよね!本当に、ごめんなってナハス!?」

アレクが話し終わる前に、ナハスはアレクに抱きつく。
アレクは、ナハスが泣いていることにも驚いたのだが、まさか抱きついてくるとは思ってもいなかったので、更に驚くのだ。

「ご主人様ぁぁぁ!本当に心配したのですからね!もう会えないと思ったら、胸が張り裂けそうになりました」

ナハスは、今まで見たことのない情けない顔で泣きながらアレクの胸に顔を埋める。

「ごめんなさい!ナハスが、ここまで心配してくれてたなんて嬉しいよ!俺も、ナハスにまた会えてよかったと思ってるよ」

アレクは、ナハスの頭を撫でて再会出来たことを喜ぶ。しかし、なかなか泣き止まないナハスに少し困惑した表情を浮かべるのだ。

「アレク、ナハスはずっと心配しながらも、私と大樹の面倒を見てくれてたの!今だけは、抱きしめて安心させてあげてくれないかしら?」

ヘルミーナは、今回の一件でナハスとより親密になり、本当の家族のような感情が芽生え始めていたのだ。だからこそ、アレクに安心させるようにお願いしたのである。

「ナハスがいてくれて、本当によかったと思ってる!ありがとう!そして、遅くなったけどただいま、ナハス!」

ナハスは、アレクのただいまを聞いて、小さな声ではあるが、「おかえりなさいませ」と呟くのだ。

「感動の再会中申し訳ございません!旦那様が中でお待ちになっております!こちらへお越しください」

「あ!ごめんなさい」

セバンは、感動の再会を邪魔するのは忍びなかったのだが、このままではずっと続きそうだと感じて一声かける。
アレクは、ヨゼフを待たせていることを思い出して、急いで屋敷に入ろうとする。

「アレク様、おかえりなさいませ!ご無事で何よりでした」

セバンは、アレクとすれ違いざまに小さな声で伝える。アレクは、「ただいま!セバン」と笑顔で返事をして屋敷に入るのだった。
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