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第3章 アレクを狙って

第615話 魔物の街へ帰還と魔物達の成長!

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ヘルミーナと大樹に会いに行こうと思ったアレクだったが、どこにいるかわからないので、一度魔物の街に行くことにした。

「二人とも久しぶり~!元気にしてた?」

アレクは、魔物の街の入り口にいる門番二人に声をかける。

「え!?あ、あ、あ、あ、森の長様ぁぁぁぁぁ」

「森の長様......本当に森の長様ですか!?」

オークは、アレクを見た瞬間泣き崩れる。ミノタウロスは、目をパチクリさせて2度見して本物なのか疑うのだ。

「ただいま!本当に待たせてごめんね!色々あったけど、こうしてまた二人に会えてよかったよ」

アレクは、もっと喜びをあらわにしたいのだが、なんだか照れくさくなり平静を装う。

「俺ずっとずっと心配で、次会った時には普通に話せるようになろうとミノタウロスから話し方を学んでいたのです」

オークは、アレクに成長した姿を見せたいと密かに言葉を学んで、見違えたように流暢な会話をするようになったのだ。

「うわぁぁ!凄い!凄いよ!もう完璧だよ!本当に頑張ったんだね」

進化していない魔物が、ここまで流暢に話せることに驚いたのと、かなりの努力をしたのだろうと素直に感心してしまうのだ。

「グスングスン......褒めてもらえた......よがっだぁぁぁ」

オークは、その場で嬉しさのあまり大泣きしてしまうのだ。

「森の長様に褒めてもらって、本当によかったな!森の長様、こいつ本当に昼夜問わず頑張ってましたよ!しかも、こいつの努力を見たやつらが、感化されて勉強するようになったんです」

なんとオークの弛まぬ努力を目の当たりにした魔物達が、何かに目覚めたかのように勉強を始めたようなのだ。

「え!?それは、本当に凄いよ!自分だけじゃなくて周りにまで良い影響を与えられるなんて、普通できないからね!う~ん?もし嫌じゃないなら、子供達の教育係にしても良さそうだよね!努力が出来て、周りを巻き込めるなら先生とか向いてそうだし」

アレクは、努力できる才能や諦めず打ち込める才能を潰すのは勿体ないなと考えて、教員としてやってもらうのはどうだろうかと考える。

「それは、こいつにとってもいいことだと思います!なぁ~、よかったなぁ!頑張れよ」

「ミノタウロス、待って待って!こういうのは本人の意思が大事なんだよ!オーク、どうするかゆっくり考えたらでいいからね!門番を続けたいなら続けてもいい!先生になるならなるで、また勉強をしないといけない!決まったら教えてね」

アレクは、森の長が言ったからやりたいとかではなく、本人がやりたいかどうかで動いてほしいと考えている。
今は、良くも悪くもアレク主導になっているので、少しは本人の意思を大切にしてもらいたいのだ。

「グスングスン、は、はい!わかりました!嬉しい話なのですが、ミノタウロスといる時間も楽しいので、ゆっくり考えます」

オークは、アレクからの言葉がなければ、即断即決をしていただろうが、本人の意思が大事だという言葉を聞いて、色んな人に相談をしてから決めようと思うのである。

「うん!ゆっくりでいいからね!ミノタウロスも、やりたいことがあるなら言ってくれたら最大限の譲歩はするからね!全てが全て期待には添えないかもだけど」

「いえ!私は、今のままで満足しています!でも欲を言えば、リーダーみたいなことをしてみたいと思ったことはありますが.......」

ミノタウロスは、今ではないがいつかは、ノックスやデストロイのように軍を率いてみたいという夢があったのだ。

「おっ!ミノタウロスも、しっかりした夢があるんだね!今すぐは無理だけど、細かく部隊を分けて各部隊にリーダーを据えるつもりだったから決まったら連絡するよ」

「あ、ありがとうございます!」

アレクの中で、◯◯部隊◯◯部隊と何かに特化したい部隊で作るもよし、ただ単に部隊数を分けて行動しやすくするもよしと大まかな考えではあるが、パスク達に相談して決めようと前々から思っていた。
そこに、ミノタウロスをリーダーとして活躍してもらおうと考えた。

そして、アレクは門番の二人と別れを告げて門を潜って中に入るのであった。
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