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第3章 アレクを狙って
第604話 前編)王城に集まる貴族と陛下!
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アレクと薬学神が、聖王国の問題を片付けている頃、王都では街の復興や貴族達が、城に集められて、今回起こった事件について陛下から伝えられていた。
「皆の者!忙しい中、よくぞ集まってくれた!事前に通達が行っているとは思うが、悲しき事件が起こってしまったのだ......それには、王妃であるエリザベス!王子であるルイスとカルロも関わっていた......」
陛下は、今回の悲惨な出来事と王家の人間が絡んでいたことを話していると、色々な感情や記憶が蘇ってしまい、思わず言葉が詰まる。
しかし、王としては情けない姿を見せるわけにはいかないので、深呼吸をしてすぐに平静を保つのだ。
「皆の者!王として、王家の者が裏切ったこと誠に申し訳なかった」
陛下は、立ち上がって深々と頭を下げる。その姿を見て、集まった貴族全員が驚いた顔をする。
そして、貴族達は陛下に頭を上げるよう言おうとしたのだが、遮るようにとある貴族が発言をするのだ。
「あぁ、なんと嘆かわしい!国の手本となる王家の者が関わっているとは、由々しき事態ですなぁ!陛下は、どう責任を取られるおつもりですかな?」
貴族派の列にいた男が、大きな声でわざとらしい演技をしながら、ここぞとばかりに陛下を問い詰める。
「陛下に向かって、なんという口の利き方!今すぐに、発言を撤回しなさい」
王族派の貴族が、先程の発言を聞いて、凄い剣幕で怒り始める。
「その通りだ!今すぐに前言撤回をしろ!」
「前言撤回だと!?今回の犯人が王家から三人もでているのですぞ!この事実がある以上、責任を取るのが筋ではないのですかな?」
他の王族派の貴族も怒り始めると、それに反発するように貴族派の男が反論をする。
その後も、王族派と貴族派の貴族達が言い合いとなって掴み掛かる者まで出てしまう。
「黙らんか!陛下の御前だぞ!みっともない姿を見せて、それでもお前らは貴族なのか!」
マルティル辺境伯は、玉座の間の壁がへこむくらいの強さで殴り、大声を上げて言い争いを止める。マルティル辺境伯の大声と壁を殴った音で、貴族達は黙り、シーンと静まりかえるのだ。
「陛下、みっともない姿をお見せして申し訳ございません!あまりにも、見るに耐えない者ばかりでしたので、つい大声を張り上げてしまいました!壁を破壊した罪は、この謁見が終わり次第、償わさせてもらいます」
マルティル辺境伯は、ハキハキと陛下に思いを伝えたあとに、深々と頭を下げる。
それを見た陛下は、大笑いをして手を何度も叩くのだ。
「マルティルよ、罪については不問とする!よくぞ、言い争いを止めてくれた!それから、指摘された通り、王家の者が関わっていたのは事実!余は、責任を取って挂冠する」
陛下は、言い争いをしていた貴族を叱責する言葉を述べず、至って冷静に話し始めて、最後には王を退くと言う。
その発言を聞いた貴族達は、皆驚きの顔をする。
しかし、貴族派の連中は内心ほくそ笑むのだ。
「この国には、陛下が必要なのです!本当に挂冠されるおつもりですか!?」
主に王族派の貴族達が、陛下が辞めることに対して口を揃えて反発する。
その様子を暫く眺めたあと、陛下が静かに口を開くのだ。
「必要だと言ってくれるとは、余は嬉しい!しかし、決めたことなのだ!そして、次期王にはレオを据えたいと思っておる!」
それを聞いた貴族達は、当然の如くざわつき始める。
特に、貴族派からすると、レオが王になるようなことになれば、今までと何も変わらず恩恵を受けられないからだ。
「陛下、お言葉ですが、レオ第三王子は、まだ成人を迎えられたばかりですぞ!若すぎるのではないですかな?それに、今回の事件に王家が関わっていた以上、国民から反発が大きいと思われます!どうか、お考え直し下さい」
先程も、反発した意見を出した貴族派の男が、またしても陛下に意見をする。
「ヴァンドーム侯爵よ、お主の言うことはわかった!だが、話は最後まで聞くものであるぞ!アントンよ、あれの用意はできておるか?」
「ハッ!一部の証拠は集まっております!残りは、今日または明日中には集まるでしょう」
ここへ来て、静観を続けていた陛下が、何やら動き始める。そして、このあと心の中でニヤついていた貴族派達が真っ青に顔を染め上げるのだ。
「皆の者!忙しい中、よくぞ集まってくれた!事前に通達が行っているとは思うが、悲しき事件が起こってしまったのだ......それには、王妃であるエリザベス!王子であるルイスとカルロも関わっていた......」
陛下は、今回の悲惨な出来事と王家の人間が絡んでいたことを話していると、色々な感情や記憶が蘇ってしまい、思わず言葉が詰まる。
しかし、王としては情けない姿を見せるわけにはいかないので、深呼吸をしてすぐに平静を保つのだ。
「皆の者!王として、王家の者が裏切ったこと誠に申し訳なかった」
陛下は、立ち上がって深々と頭を下げる。その姿を見て、集まった貴族全員が驚いた顔をする。
そして、貴族達は陛下に頭を上げるよう言おうとしたのだが、遮るようにとある貴族が発言をするのだ。
「あぁ、なんと嘆かわしい!国の手本となる王家の者が関わっているとは、由々しき事態ですなぁ!陛下は、どう責任を取られるおつもりですかな?」
貴族派の列にいた男が、大きな声でわざとらしい演技をしながら、ここぞとばかりに陛下を問い詰める。
「陛下に向かって、なんという口の利き方!今すぐに、発言を撤回しなさい」
王族派の貴族が、先程の発言を聞いて、凄い剣幕で怒り始める。
「その通りだ!今すぐに前言撤回をしろ!」
「前言撤回だと!?今回の犯人が王家から三人もでているのですぞ!この事実がある以上、責任を取るのが筋ではないのですかな?」
他の王族派の貴族も怒り始めると、それに反発するように貴族派の男が反論をする。
その後も、王族派と貴族派の貴族達が言い合いとなって掴み掛かる者まで出てしまう。
「黙らんか!陛下の御前だぞ!みっともない姿を見せて、それでもお前らは貴族なのか!」
マルティル辺境伯は、玉座の間の壁がへこむくらいの強さで殴り、大声を上げて言い争いを止める。マルティル辺境伯の大声と壁を殴った音で、貴族達は黙り、シーンと静まりかえるのだ。
「陛下、みっともない姿をお見せして申し訳ございません!あまりにも、見るに耐えない者ばかりでしたので、つい大声を張り上げてしまいました!壁を破壊した罪は、この謁見が終わり次第、償わさせてもらいます」
マルティル辺境伯は、ハキハキと陛下に思いを伝えたあとに、深々と頭を下げる。
それを見た陛下は、大笑いをして手を何度も叩くのだ。
「マルティルよ、罪については不問とする!よくぞ、言い争いを止めてくれた!それから、指摘された通り、王家の者が関わっていたのは事実!余は、責任を取って挂冠する」
陛下は、言い争いをしていた貴族を叱責する言葉を述べず、至って冷静に話し始めて、最後には王を退くと言う。
その発言を聞いた貴族達は、皆驚きの顔をする。
しかし、貴族派の連中は内心ほくそ笑むのだ。
「この国には、陛下が必要なのです!本当に挂冠されるおつもりですか!?」
主に王族派の貴族達が、陛下が辞めることに対して口を揃えて反発する。
その様子を暫く眺めたあと、陛下が静かに口を開くのだ。
「必要だと言ってくれるとは、余は嬉しい!しかし、決めたことなのだ!そして、次期王にはレオを据えたいと思っておる!」
それを聞いた貴族達は、当然の如くざわつき始める。
特に、貴族派からすると、レオが王になるようなことになれば、今までと何も変わらず恩恵を受けられないからだ。
「陛下、お言葉ですが、レオ第三王子は、まだ成人を迎えられたばかりですぞ!若すぎるのではないですかな?それに、今回の事件に王家が関わっていた以上、国民から反発が大きいと思われます!どうか、お考え直し下さい」
先程も、反発した意見を出した貴族派の男が、またしても陛下に意見をする。
「ヴァンドーム侯爵よ、お主の言うことはわかった!だが、話は最後まで聞くものであるぞ!アントンよ、あれの用意はできておるか?」
「ハッ!一部の証拠は集まっております!残りは、今日または明日中には集まるでしょう」
ここへ来て、静観を続けていた陛下が、何やら動き始める。そして、このあと心の中でニヤついていた貴族派達が真っ青に顔を染め上げるのだ。
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