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第3章 アレクを狙って
【チート薬学2巻3/20発売】第599話 薬学神の厳しい言葉とアレクの決断!
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アレクと薬学神は、聖王国の門の前に降り立った。
辺りは、どんよりした黒紫の霧が立ち込めていて視界ははっきりしない。だが、門の前に人影のようなものが見えるのだ。
「生きてる者に、疑似神力薬を振りかけて、元に戻ったら瘴気遮断薬と呪い遮断薬を飲ませろ!先に言っておくが、全員は救えないぞ!だからといって、気に病むな!いいか?」
アレクは、まだ割り切ることができない人間だと薬学神は知っているので、先に伝えて自暴自棄にならないようにするのだ。
「は、はい!なるべく考えないようにしようと思います」
「なるべくだと!?無になって割り切れ!無理なら帰れ!足元を掬われるだけだ!そんなやつは必要ない」
アレクが、言い終わるか言い終わらないかくらいで、薬学神は間髪入れずに厳しい言葉を投げかける。
これもすべてアレクのためであり、一分一秒も無駄にできない状況に加えて、迷いが生まれた瞬間、敵に命を狙われる恐れがあるからだ。
「薬学神様、ごめんなさい!今だけは、心を鬼にして、この任務をやり遂げます」
アレクは、薬学神とほんわかした旅で、少し気持ちが緩んでいたが、薬学神の言葉で気を引き締め直すのだ。
「絶対に気を抜くな!いつ敵が襲ってきてもおかしくないからな!周囲には気をつけろ」
薬学神は、厳しい言葉を言うが、全てアレクのことを思っての発言であり、アレクもわかっているので、頷いて真剣な顔をする。
「あの二人は、私に任せろ!」
薬学神は、門の前にいる二つの人影に向かって、なんの躊躇もなく歩き出す。
そして、薬学神は人影に液体をかけるのだが、そのまま二つの人影は前のめりに倒れるのだ。
「薬学神様、どうなり......って、これはいったいなんですか?」
アレクは、薬学神のいるところに駆け寄って声をかけたあとに、地面に倒れている人物を見る。すると、そこにいた二人の人物は、ドロドロに溶けて真っ黒な液体が流れ出ていたのだ。
「完全に瘴気と呪いに支配された姿だ!復活するやつは、疑似神力薬をかければ元の人の姿になるが、手遅れのやつはこうなる!」
「この方法だと、時間がかかって、救える命が手遅れになるかもしれません!何か一瞬で見分ける方法はないのですか?全員を対応していたら絶対に間に合いません」
アレクは、一人一人に薬を振りかけて対処していたら、時間がいくらあっても足りないと思うのだ。
「あるが、自らの手で元は聖王国の国民だった人間を殺められるのか?どうだ?覚悟はあるか?」
薬学神も、手っ取り早く終わる方法を取りたかったのだが、アレク自らの手で殺すことを躊躇するだろうと考えて、わざと効率の悪い方法を選んだ。
アレクは、その言葉を聞いて、「それは......」と躊躇うことを一瞬口にした。
しかし、少し下を向いたあと、薬学神の目を真っ直ぐ見て、決意した表情で伝える。
「......決心しました!苦しんでいるのなら、早く楽にしてあげたいのでやります!もう迷いはありません」
「ならやってみろ!目が真っ黒なやつは、アウトだ!青いやつは、まだ可能性がある。確実なのは、白いやつだから白いやつから治療しろ!いいな?」
薬学神は、アレクの決意を感じて、見分け方を教える。
「はい!わかりました!」
「よし!ならついてこい」
薬学神を先頭にアレクは後を追うように、聖王国へと入っていく。
そして、中に入ると、国民であっただろう人物達が、アレク達を見つけるなり瘴気を放ちながら近付いてくるのだ。
「うぅ~、あぁぁぁぁ」
見る影もなくなった国民達が、唸り声を上げてアレクと薬学神に迫る。
「ごめんなさい!安らかに眠ってください」
アレクは、目が黒いのを確認した後、謝りながら剣を鞘から抜いて、首を刎ね飛ばす。
薬学神は、アレクと違って一切の躊躇もせず、一瞬で何体も葬りながら、疑似神力薬をかけて治療までしているのだ。
「アレク!さっさとやれ!無駄口を叩くな」
「は、はい!ごめんなさい」
罪のない人を殺したことで、申し訳なさそうな顔をするアレクを叱りつける薬学神。それを、聞いたアレクは、薬学神の鬼の形相があまりにも恐怖で背中をピーンッと伸ばして反射的に謝ってしまうのだった。
辺りは、どんよりした黒紫の霧が立ち込めていて視界ははっきりしない。だが、門の前に人影のようなものが見えるのだ。
「生きてる者に、疑似神力薬を振りかけて、元に戻ったら瘴気遮断薬と呪い遮断薬を飲ませろ!先に言っておくが、全員は救えないぞ!だからといって、気に病むな!いいか?」
アレクは、まだ割り切ることができない人間だと薬学神は知っているので、先に伝えて自暴自棄にならないようにするのだ。
「は、はい!なるべく考えないようにしようと思います」
「なるべくだと!?無になって割り切れ!無理なら帰れ!足元を掬われるだけだ!そんなやつは必要ない」
アレクが、言い終わるか言い終わらないかくらいで、薬学神は間髪入れずに厳しい言葉を投げかける。
これもすべてアレクのためであり、一分一秒も無駄にできない状況に加えて、迷いが生まれた瞬間、敵に命を狙われる恐れがあるからだ。
「薬学神様、ごめんなさい!今だけは、心を鬼にして、この任務をやり遂げます」
アレクは、薬学神とほんわかした旅で、少し気持ちが緩んでいたが、薬学神の言葉で気を引き締め直すのだ。
「絶対に気を抜くな!いつ敵が襲ってきてもおかしくないからな!周囲には気をつけろ」
薬学神は、厳しい言葉を言うが、全てアレクのことを思っての発言であり、アレクもわかっているので、頷いて真剣な顔をする。
「あの二人は、私に任せろ!」
薬学神は、門の前にいる二つの人影に向かって、なんの躊躇もなく歩き出す。
そして、薬学神は人影に液体をかけるのだが、そのまま二つの人影は前のめりに倒れるのだ。
「薬学神様、どうなり......って、これはいったいなんですか?」
アレクは、薬学神のいるところに駆け寄って声をかけたあとに、地面に倒れている人物を見る。すると、そこにいた二人の人物は、ドロドロに溶けて真っ黒な液体が流れ出ていたのだ。
「完全に瘴気と呪いに支配された姿だ!復活するやつは、疑似神力薬をかければ元の人の姿になるが、手遅れのやつはこうなる!」
「この方法だと、時間がかかって、救える命が手遅れになるかもしれません!何か一瞬で見分ける方法はないのですか?全員を対応していたら絶対に間に合いません」
アレクは、一人一人に薬を振りかけて対処していたら、時間がいくらあっても足りないと思うのだ。
「あるが、自らの手で元は聖王国の国民だった人間を殺められるのか?どうだ?覚悟はあるか?」
薬学神も、手っ取り早く終わる方法を取りたかったのだが、アレク自らの手で殺すことを躊躇するだろうと考えて、わざと効率の悪い方法を選んだ。
アレクは、その言葉を聞いて、「それは......」と躊躇うことを一瞬口にした。
しかし、少し下を向いたあと、薬学神の目を真っ直ぐ見て、決意した表情で伝える。
「......決心しました!苦しんでいるのなら、早く楽にしてあげたいのでやります!もう迷いはありません」
「ならやってみろ!目が真っ黒なやつは、アウトだ!青いやつは、まだ可能性がある。確実なのは、白いやつだから白いやつから治療しろ!いいな?」
薬学神は、アレクの決意を感じて、見分け方を教える。
「はい!わかりました!」
「よし!ならついてこい」
薬学神を先頭にアレクは後を追うように、聖王国へと入っていく。
そして、中に入ると、国民であっただろう人物達が、アレク達を見つけるなり瘴気を放ちながら近付いてくるのだ。
「うぅ~、あぁぁぁぁ」
見る影もなくなった国民達が、唸り声を上げてアレクと薬学神に迫る。
「ごめんなさい!安らかに眠ってください」
アレクは、目が黒いのを確認した後、謝りながら剣を鞘から抜いて、首を刎ね飛ばす。
薬学神は、アレクと違って一切の躊躇もせず、一瞬で何体も葬りながら、疑似神力薬をかけて治療までしているのだ。
「アレク!さっさとやれ!無駄口を叩くな」
「は、はい!ごめんなさい」
罪のない人を殺したことで、申し訳なさそうな顔をするアレクを叱りつける薬学神。それを、聞いたアレクは、薬学神の鬼の形相があまりにも恐怖で背中をピーンッと伸ばして反射的に謝ってしまうのだった。
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