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第3章 アレクを狙って
【チート薬学2巻3/20発売予定】第592話 次々に捕まる者と出番のない者!
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城門近くから爆音が鳴り響いたので、元第一騎士団と元第二騎士団と金で雇った有名な殺し屋達が急いで向かった。
「なんだこれは......バケモノ......」
元第一騎士団団長は、大量の仲間達が荷物のように積み上げられて倒れている状況に、言葉にならないと言った声を漏らす。
他にいた騎士団や流石の殺し屋ですら、言葉を失ってしまうのだ。
「ん?また来たのか......ってこいつらも加担してたのかよ」
ノックスは、騎士団の顔を見て、ヤレヤレといった様子で見る。
「あいつらを、知ってんのか?」
デストロイは、大量に積み上がった死体の頂点に立ちながらノックスに尋ねる。
「あぁ、元々騎士団にいたやつらだ!無能でお払い箱になったがな!それより、死体の上から早く下りてこい!」
「また有象無象か!チッ!いちいちうっせぇな!わぁたよ」
デストロイは、強いやつと戦えないフラストレーションでイライラしながら、敵の死体から飛び降りる。
「なぁ、あいつら俺がやっていいか?」
デストロイは、この溜まったフラストレーションを全て敵にぶつけようとしているのだ。
「好きにしていいぞ!俺達は、先に行ってるからな!豪牙行くぞ」
「ノックス悪いが、俺は先に帰る!もうこれ以上のやつはいないだろうし、魔物の街の警備の方が重要だろ?」
ノックスは、豪牙を連れて向かおうとするが、豪牙もデストロイと同じでつまらなさを感じていた。
それならば、街を守る方が重要だと言うのだ。
「確かにそうだな!じゃあ、街は頼んだ!俺は、一階の人質でも助けに行くかな」
ノックスと豪牙が、そんなやり取りをしている間も、デストロイは「オラァァァ、くたばりやがれ!」や「本気でこい!クズ野郎ども」などと汚い言葉を発しながら、次々と敵を蹴散らしていく。
しかも、悲しいことに元騎士団達は、真っ先にやられて、これと言って出番がないのであった。
◆
「ルイス、やっと貴方が王となるのね!母として鼻が高いわ!」
「母上、ありがとうございます!私は、この年まで何も任されることがありませんでした......やっと、やっと、私の時代が来ると思うと、歓喜に打ちひしがれております」
ルイスとエリザベスは、二人で優雅にティータイムをしていた。
ルイスの下へ、危険が迫っているとユンベルン宰相が知らせにやってきたのだが、「どうにかしろ!」と命令を下すのみで具体的なことは何も言わない。ルイスは、今まで危険とは皆無の人生を送ってきたので、そこまでの危機感はなく、どうにかなるだろうくらいに思っているのだ。
「そうね!本当によく耐えたわ!私が、あの人に進言しても、一切聞く耳を持たなかったのよね!馬鹿な人だわ!それよりも、カルロはこないのかしら?」
エリザベスは、陛下の名前すら呼ぼうとはしない。
しかも、ルイスと同じで危険とは無縁で好き勝手に生きてきたので、危機感が全く無いのだ。
「カルロは、部屋に籠もっていますね!何やら調べたい物があるらしいです!今は、好きにやらせておきましょう!私が、王になればカルロに頼ることが多くなりますから」
「フフフ、ルイスは本当に優しい子ね!カルロも、見習って親孝行してほしいものだわ!私より調べ物なんて!」
ルイスもエリザベスも、馬鹿なのか?思考回路が、ズレてしまっているのは、先程からの発言から見て明白である。
そんなことを二人が話していると、ドアが爆発音と共に吹き飛ぶ。
「キャ、キャァァァァ!」
エリザベスは、悲鳴を上げる。そして、ルイスは驚きのあまりに声も出ず、その場で固まってしまったのだ。
「やっと見つけましたよ!まさか、こんなところで優雅にお茶を飲んでいるとは思いませんでしたからね」
姿を現したのは、珍しく服に返り血を浴びたオレールであった。
「誰よ、貴方は!?」
「お、おい!誰かいないのか!この者を捕えろ!」
二人は、返り血を浴びたオレールに怯えながらも、虚勢を張って大声で叫ぶ。
「兵は全て倒しました!そんな大声で呼んだところで、もう誰も来ませんよ!大人しく捕まってください」
「そ、そんなわけがあるはずないだろ!あれだけの兵がいるのだ!お前一人に何ができる!ユンベルンはいないのか?」
ルイスは、いまだにこの状況を理解しておらず、立ち上がって気丈な振る舞いを見せる。
「ユンベルン元辺境伯も他の加担した貴族も捕まえました!先程、陛下も救出したと知らせが来ていますし、もう貴方方は終わりです」
オレールは、二人に無情な宣告を告げる。エリザベスは、目を大きく見開いて驚いた表情をするのだが、ルイスは怒りの表情とともに体を震わせる。
「クソ、クソ、クソ!こんなことがあってたまるかぁぁぁ!ぐへぇ」
ルイスは、怒りの感情のままにオレールへと殴りかかった。
しかし、戦いとは無縁であり、訓練時も周りからよいしょされて育ったルイスの拳は無情にも、あっさり躱されてしまう。
そして、オレールが珍しく殴り飛ばしたのだ。
「はぁ、もう観念してください!一応お伝えしておきますが、陛下から一切の温情は与えぬとのことですので、心しておいてください」
これを聞いたエリザベスは、何も言葉を発せず、首をガクンと下げて嘆き悲しむのだった。
「なんだこれは......バケモノ......」
元第一騎士団団長は、大量の仲間達が荷物のように積み上げられて倒れている状況に、言葉にならないと言った声を漏らす。
他にいた騎士団や流石の殺し屋ですら、言葉を失ってしまうのだ。
「ん?また来たのか......ってこいつらも加担してたのかよ」
ノックスは、騎士団の顔を見て、ヤレヤレといった様子で見る。
「あいつらを、知ってんのか?」
デストロイは、大量に積み上がった死体の頂点に立ちながらノックスに尋ねる。
「あぁ、元々騎士団にいたやつらだ!無能でお払い箱になったがな!それより、死体の上から早く下りてこい!」
「また有象無象か!チッ!いちいちうっせぇな!わぁたよ」
デストロイは、強いやつと戦えないフラストレーションでイライラしながら、敵の死体から飛び降りる。
「なぁ、あいつら俺がやっていいか?」
デストロイは、この溜まったフラストレーションを全て敵にぶつけようとしているのだ。
「好きにしていいぞ!俺達は、先に行ってるからな!豪牙行くぞ」
「ノックス悪いが、俺は先に帰る!もうこれ以上のやつはいないだろうし、魔物の街の警備の方が重要だろ?」
ノックスは、豪牙を連れて向かおうとするが、豪牙もデストロイと同じでつまらなさを感じていた。
それならば、街を守る方が重要だと言うのだ。
「確かにそうだな!じゃあ、街は頼んだ!俺は、一階の人質でも助けに行くかな」
ノックスと豪牙が、そんなやり取りをしている間も、デストロイは「オラァァァ、くたばりやがれ!」や「本気でこい!クズ野郎ども」などと汚い言葉を発しながら、次々と敵を蹴散らしていく。
しかも、悲しいことに元騎士団達は、真っ先にやられて、これと言って出番がないのであった。
◆
「ルイス、やっと貴方が王となるのね!母として鼻が高いわ!」
「母上、ありがとうございます!私は、この年まで何も任されることがありませんでした......やっと、やっと、私の時代が来ると思うと、歓喜に打ちひしがれております」
ルイスとエリザベスは、二人で優雅にティータイムをしていた。
ルイスの下へ、危険が迫っているとユンベルン宰相が知らせにやってきたのだが、「どうにかしろ!」と命令を下すのみで具体的なことは何も言わない。ルイスは、今まで危険とは皆無の人生を送ってきたので、そこまでの危機感はなく、どうにかなるだろうくらいに思っているのだ。
「そうね!本当によく耐えたわ!私が、あの人に進言しても、一切聞く耳を持たなかったのよね!馬鹿な人だわ!それよりも、カルロはこないのかしら?」
エリザベスは、陛下の名前すら呼ぼうとはしない。
しかも、ルイスと同じで危険とは無縁で好き勝手に生きてきたので、危機感が全く無いのだ。
「カルロは、部屋に籠もっていますね!何やら調べたい物があるらしいです!今は、好きにやらせておきましょう!私が、王になればカルロに頼ることが多くなりますから」
「フフフ、ルイスは本当に優しい子ね!カルロも、見習って親孝行してほしいものだわ!私より調べ物なんて!」
ルイスもエリザベスも、馬鹿なのか?思考回路が、ズレてしまっているのは、先程からの発言から見て明白である。
そんなことを二人が話していると、ドアが爆発音と共に吹き飛ぶ。
「キャ、キャァァァァ!」
エリザベスは、悲鳴を上げる。そして、ルイスは驚きのあまりに声も出ず、その場で固まってしまったのだ。
「やっと見つけましたよ!まさか、こんなところで優雅にお茶を飲んでいるとは思いませんでしたからね」
姿を現したのは、珍しく服に返り血を浴びたオレールであった。
「誰よ、貴方は!?」
「お、おい!誰かいないのか!この者を捕えろ!」
二人は、返り血を浴びたオレールに怯えながらも、虚勢を張って大声で叫ぶ。
「兵は全て倒しました!そんな大声で呼んだところで、もう誰も来ませんよ!大人しく捕まってください」
「そ、そんなわけがあるはずないだろ!あれだけの兵がいるのだ!お前一人に何ができる!ユンベルンはいないのか?」
ルイスは、いまだにこの状況を理解しておらず、立ち上がって気丈な振る舞いを見せる。
「ユンベルン元辺境伯も他の加担した貴族も捕まえました!先程、陛下も救出したと知らせが来ていますし、もう貴方方は終わりです」
オレールは、二人に無情な宣告を告げる。エリザベスは、目を大きく見開いて驚いた表情をするのだが、ルイスは怒りの表情とともに体を震わせる。
「クソ、クソ、クソ!こんなことがあってたまるかぁぁぁ!ぐへぇ」
ルイスは、怒りの感情のままにオレールへと殴りかかった。
しかし、戦いとは無縁であり、訓練時も周りからよいしょされて育ったルイスの拳は無情にも、あっさり躱されてしまう。
そして、オレールが珍しく殴り飛ばしたのだ。
「はぁ、もう観念してください!一応お伝えしておきますが、陛下から一切の温情は与えぬとのことですので、心しておいてください」
これを聞いたエリザベスは、何も言葉を発せず、首をガクンと下げて嘆き悲しむのだった。
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