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第3章 アレクを狙って

【チート薬学2巻3/20発売予定】第591話 家族の再会と謎の人物!

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「レイリシア王妃様、レオ王子様、着きましたよ!目を開けてください」

二人は、転移をすることが、初めてだったので、恐怖で目を瞑ってしまう。
そして、優しくオレールに声をかけられた二人は、ゆっくりと目を開けるのだ。

「え?魔物の街に着いたのですか?」

「あら?普通の部屋ねぇ?」

二人は、目を開けて辺りを見渡したのだが、なんの変哲もない普通のベッドとテーブルと椅子が置かれただけの部屋だったのだ。

「申し訳ございません!城内にいた貴族も救う予定でして、間者が紛れ込んでいる可能性もありますので、暫くの間、こちらでお待ち頂いてもよろしいでしょうか?」

救い出した中に、刺客が紛れ込んでいる可能性は極めて少ないと感じているものの、可能性がゼロでないので、最大の注意を払うことにした。

「そうねぇ。エリザベス第一王妃ですら、今回の一件に絡んでいるようだから、当然だわぁ!そうだわぁ!もし可能ならエリーゼに会いたいわねぇ」

オレールは、エリザベス第一王妃がこの件に絡んでいるという事実を知って、余計に警戒を強める必要があるなと感じる。

「エリザベス第一王妃様も、首謀者の一員だと!?これは、どこに間者を潜り込ませているかわかりませんね!それからエリーゼ様は、すぐにお呼び致しますのでお待ち下さい」

オレールは、通信の魔道具を使ってパスクに、エリーゼを連れてくることとエリザベス第一王妃も首謀者の一員の可能性が高いので、周りに悟られないようにしてほしいと伝えた。

「もう少しで、エリーゼ様がこちらにお越しになりますのでお待ち下さい」

オレールが、二人にそう告げてから、ものの数分でドアがノックされて、パスクとエリーゼがやってくる。

「エリーゼ王女殿下をお連れ致しました。失礼致します」

パスクが、ノックしたあとに、そう告げて部屋のドアを開ける。

「エリーゼ!」

「お姉様!」

レイリシアとレオは、立ち上がってエリーゼの下へと、急いで駆け寄る。
すると、エリーゼは二人が無事だと知り、涙を流しながら駆け寄り抱き着くのだ。

「お母様!レオ!ご無事でよかったですね!本当に、本当によかったです......王城が占拠されたと聞いた時は......」

エリーゼは、二人が生きていたことに安堵すると同時に、色んな感情が溢れ出してしまって言葉にならなくなってしまう。

三人が、感動の再会を味わっているところで、オレールはパスクに、この三人を絶対に守ることと現状陛下以外には会わせてはならないことを伝えて、再度王城に向かうのだった。





「一回目で、レイリシア王妃様と会えたからよかったものの、これは気を引き締める必要がありますね!」

オレールは、姿を消して王城へ再度潜入を試みる。しかし、エリザベス王妃が事件に関わっていることを知って、誰が犯人で誰が人質なのか検討がつかなくなり、細心の注意を払って見分けなければと思うのだ。

「話を聞きたいんだがいいか?」

オレールが、次に探知した場所へ歩みを進めようとした時、後ろから急に声をかけられる。
そして、探知の魔法を使っているにも関わらず、声をかけられるまで一切気付かなかったのだ。

「フフッ、これは厄介ですね!まさか、背後を取られるとは......それに、姿を消しているにも関わらず見つかるとは思いませんでした」

「黙っていろ!俺に質問をするなよ!お前に、答えることは何も無い!振り向いたら殺す!そのままでいろ!いいな?」

オレールは、言われた通り振り向かず、見つかっているので、魔法を解いて姿を現すのだ。

「わかりました!何を聞きたいのですか?」

神力を使えば、あっさりと倒せるだろうと考えたのだが、第六感が神力を使うなと警告する。そのため、直感を信じて素直に従うことにした。

「お前の他に、ここに二人飛び抜けた力がいるな?それに、最近神の気配を感じた!何か知っているか?」

後ろにいる人物から、思いもよらない言葉が投げかけられる。

「確かに、外にいる二人は人間を超えていますね!神の力ですか?よくわかりませんが、関係ありませんよ!」

「そうか!なら良いが、共和国にはくるな!お前達が来た場合、抹殺する!俺の大事な弟子がいるからな!厄災を運ぶなよ」

そう言うと、後ろの人物の気配がなくなる。

「ふぅ~、なんだったのでしょうか?今回の件に、関係はなさそうでしたが、何故か関わらない方が良さそうですね!はぁ~、気を取り直して、すぐに解決させましょうか」

オレールは、後ろにいた人物からは何も感じることができなかった。まさに、無と言っていい存在だったのだ。
そのため、どう対処すればいいかわからず、更には第六感が絶対に関わるなと警告を発していたので、今後共和国の話が出た時は、行かないように警告しようと思うのだった。
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