476 / 804
第3章 アレクを狙って
【チート薬学2巻3/20発売予定】第588話 貴族にも媚びないアサシンと青年!
しおりを挟む
「陛下、ご無事でしょうか?」
セバンは、陛下のいる牢屋の鍵を開けて、中に入って安否を確認する。
「セバンか......よくきてくれた......」
陛下は、下を向いて悲しそうな声を出しながら、返事をする。
「陛下!どこか、痛いところが?こちらをお飲みください!アレク様のお薬です!それから、すぐに足枷を外します」
「心配をかけてすまん!セバンよ、何もされてはおらんが、ただ息子がな......この事実を受け入れられんのだ」
セバンが、足枷を外していると、陛下は涙をポロポロと流し息子のことを嘆きながら話す。
「ルイス第一王子様のことですね!すでに、アントン様からお聞きしております!ですが、まずはここから抜け出す方が優先です!さぁ、行きましょう」
「そうであるな!ルイスは、余自ら裁きを下さねばならんしな!それよりも、アントンは無事なのだな?」
陛下は、ゆっくりと立ち上がる。そして、アントンが生きていることを知って、初めて安堵の表情を見せるのだ。
「はい!かなり衰弱をしておりますが、アレク様の薬を飲み、ベッドでお休み頂いております!」
セバンは、陛下を支えて立ち上がらせると、ルーヘンが姿を現した。
「こっちは、全部解放したよ!それより、敵が多数いるだろうに、どうやって逃げるんだい?」
ルーヘンは、歳を召した陛下と武器のない兵士達では、やられてしまうと考えて、どうやって逃げるのか尋ねる。
「これです!魔王様からの贈り物ですよ!では、皆様を集めて手を握ってもらってください」
セバンが見せた物は、携帯用の一度使うと壊れてしまう転移魔道具だ。
そして、セバンの合図とともに陛下を連れて魔物の街へ一度転移をするのであった。
◆
「お前ら、聞こえるか?助けに来てやったから、この階で大勢が集まれる場所はないか?」
アサシンは、二階をしらみ潰しに探そうと思っていると、運良く一部屋目で貴族達を見つけることができた。
「た、助けにきただと!?だ、だれだ?味方なら姿を見せろ」
内股でブルブルと震えた貴族のおじさんが、棒を構えながら去勢を張る。
「おっさん、敵がうようよいるのがわかんねぇのか?姿を見せたら終わりだろうが!それよか、早く大勢が集まれる場所を教えろ」
アサシンは、頭をボリボリと掻きながら、面倒くさそうに受け答えをする。
「な、なんだ!その偉そうな物言いは!私は、貴族だぞ!助けに来たなら早く連れ出さんか」
アサシンは、話のわからない貴族にイライラし始めて、気絶させて連れ出そうと考えた。しかし、この貴族の後ろにいた何者かが、振りかぶって貴族の頭に何かを振りかざす。
そして、ゴツンという音とともに貴族は倒れるのだ。
「はぁはぁはぁ、申し訳ございません!助けに来て頂いたにも関わらず偉そうなことを言ってしまいまして......広いホールがあるので、案内します」
青年が、初めて人を殴ったせいで、緊張のあまりに息を切らせる。そして、アサシンに臆することなく案内役をかってでるのだ。
「ブッハハハ、お前面白すぎるだろ!だが、頭を殴るのは、今日で最後にしろよ!死ぬかもしれないからな!じゃあ、案内を頼む」
アサシンは、一見人を殴るようには見えない青年が、何の躊躇も無く殴ったのを見て大笑いをしてしまう。
「おい!俺達は、このままなのか!?一緒に連れていけ!」
またギャーギャーと騒ぐ貴族が現れて、それに続くように周りにいた人物達も「そうだ!そうだ」と騒ぎ始める。
「まだ、偉そうなやつが残ってんだな!黙ってろ!次は、殺すからな」
「ヒッ!ヒィ~」
アサシンは、ギャーギャーと騒ぐ貴族目掛けてナイフを投げる。しかし、わざと外して貴族の顔の横を通過したナイフは壁に刺さるのである。その瞬間、貴族達は腰を抜かして怯えてしまうのだ。
「大人しくしておけよ!もし、勝手に行動したら殺す!準備が整ったら助けに戻ってやるから待ってろ」
アサシンは、そう言い残して、青年と一緒に部屋を出るのだった。
セバンは、陛下のいる牢屋の鍵を開けて、中に入って安否を確認する。
「セバンか......よくきてくれた......」
陛下は、下を向いて悲しそうな声を出しながら、返事をする。
「陛下!どこか、痛いところが?こちらをお飲みください!アレク様のお薬です!それから、すぐに足枷を外します」
「心配をかけてすまん!セバンよ、何もされてはおらんが、ただ息子がな......この事実を受け入れられんのだ」
セバンが、足枷を外していると、陛下は涙をポロポロと流し息子のことを嘆きながら話す。
「ルイス第一王子様のことですね!すでに、アントン様からお聞きしております!ですが、まずはここから抜け出す方が優先です!さぁ、行きましょう」
「そうであるな!ルイスは、余自ら裁きを下さねばならんしな!それよりも、アントンは無事なのだな?」
陛下は、ゆっくりと立ち上がる。そして、アントンが生きていることを知って、初めて安堵の表情を見せるのだ。
「はい!かなり衰弱をしておりますが、アレク様の薬を飲み、ベッドでお休み頂いております!」
セバンは、陛下を支えて立ち上がらせると、ルーヘンが姿を現した。
「こっちは、全部解放したよ!それより、敵が多数いるだろうに、どうやって逃げるんだい?」
ルーヘンは、歳を召した陛下と武器のない兵士達では、やられてしまうと考えて、どうやって逃げるのか尋ねる。
「これです!魔王様からの贈り物ですよ!では、皆様を集めて手を握ってもらってください」
セバンが見せた物は、携帯用の一度使うと壊れてしまう転移魔道具だ。
そして、セバンの合図とともに陛下を連れて魔物の街へ一度転移をするのであった。
◆
「お前ら、聞こえるか?助けに来てやったから、この階で大勢が集まれる場所はないか?」
アサシンは、二階をしらみ潰しに探そうと思っていると、運良く一部屋目で貴族達を見つけることができた。
「た、助けにきただと!?だ、だれだ?味方なら姿を見せろ」
内股でブルブルと震えた貴族のおじさんが、棒を構えながら去勢を張る。
「おっさん、敵がうようよいるのがわかんねぇのか?姿を見せたら終わりだろうが!それよか、早く大勢が集まれる場所を教えろ」
アサシンは、頭をボリボリと掻きながら、面倒くさそうに受け答えをする。
「な、なんだ!その偉そうな物言いは!私は、貴族だぞ!助けに来たなら早く連れ出さんか」
アサシンは、話のわからない貴族にイライラし始めて、気絶させて連れ出そうと考えた。しかし、この貴族の後ろにいた何者かが、振りかぶって貴族の頭に何かを振りかざす。
そして、ゴツンという音とともに貴族は倒れるのだ。
「はぁはぁはぁ、申し訳ございません!助けに来て頂いたにも関わらず偉そうなことを言ってしまいまして......広いホールがあるので、案内します」
青年が、初めて人を殴ったせいで、緊張のあまりに息を切らせる。そして、アサシンに臆することなく案内役をかってでるのだ。
「ブッハハハ、お前面白すぎるだろ!だが、頭を殴るのは、今日で最後にしろよ!死ぬかもしれないからな!じゃあ、案内を頼む」
アサシンは、一見人を殴るようには見えない青年が、何の躊躇も無く殴ったのを見て大笑いをしてしまう。
「おい!俺達は、このままなのか!?一緒に連れていけ!」
またギャーギャーと騒ぐ貴族が現れて、それに続くように周りにいた人物達も「そうだ!そうだ」と騒ぎ始める。
「まだ、偉そうなやつが残ってんだな!黙ってろ!次は、殺すからな」
「ヒッ!ヒィ~」
アサシンは、ギャーギャーと騒ぐ貴族目掛けてナイフを投げる。しかし、わざと外して貴族の顔の横を通過したナイフは壁に刺さるのである。その瞬間、貴族達は腰を抜かして怯えてしまうのだ。
「大人しくしておけよ!もし、勝手に行動したら殺す!準備が整ったら助けに戻ってやるから待ってろ」
アサシンは、そう言い残して、青年と一緒に部屋を出るのだった。
118
お気に入りに追加
6,165
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~
雪月夜狐
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
他作品の詳細はこちら:
『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】
冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました
taki210
ファンタジー
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件
『穢らわしい娼婦の子供』
『ロクに魔法も使えない出来損ない』
『皇帝になれない無能皇子』
皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。
だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。
毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき……
『なんだあの威力の魔法は…?』
『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』
『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』
『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』
そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
聖女の私が追放されたらお父さんも一緒についてきちゃいました。
重田いの
ファンタジー
聖女である私が追放されたらお父さんも一緒についてきちゃいました。
あのお、私はともかくお父さんがいなくなるのは国としてマズイと思うのですが……。
よくある聖女追放ものです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
転生したら使用人の扱いでした~冷たい家族に背を向け、魔法で未来を切り拓く~
沙羅杏樹
恋愛
前世の記憶がある16歳のエリーナ・レイヴンは、貴族の家に生まれながら、家族から冷遇され使用人同然の扱いを受けて育った。しかし、彼女の中には誰も知らない秘密が眠っていた。
ある日、森で迷い、穴に落ちてしまったエリーナは、王国騎士団所属のリュシアンに救われる。彼の助けを得て、エリーナは持って生まれた魔法の才能を開花させていく。
魔法学院への入学を果たしたエリーナだが、そこで待っていたのは、クラスメイトたちの冷たい視線だった。しかし、エリーナは決して諦めない。友人たちとの絆を深め、自らの力を信じ、着実に成長していく。
そんな中、エリーナの出生の秘密が明らかになる。その事実を知った時、エリーナの中に眠っていた真の力が目覚める。
果たしてエリーナは、リュシアンや仲間たちと共に、迫り来る脅威から王国を守り抜くことができるのか。そして、自らの出生の謎を解き明かし、本当の幸せを掴むことができるのか。
転生要素は薄いかもしれません。
最後まで執筆済み。完結は保障します。
前に書いた小説を加筆修正しながらアップしています。見落としがないようにしていますが、修正されてない箇所があるかもしれません。
長編+戦闘描写を書いたのが初めてだったため、修正がおいつきません⋯⋯拙すぎてやばいところが多々あります⋯⋯。
カクヨム様にも投稿しています。
愛されない皇妃~最強の母になります!~
椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』
やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。
夫も子どもも――そして、皇妃の地位。
最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。
けれど、そこからが問題だ。
皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。
そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど……
皇帝一家を倒した大魔女。
大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!?
※表紙は作成者様からお借りしてます。
※他サイト様に掲載しております。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら
七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中!
※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります!
気付いたら異世界に転生していた主人公。
赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。
「ポーションが不味すぎる」
必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」
と考え、試行錯誤をしていく…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。