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第3章 アレクを狙って

【2巻書籍化!発売決定】え!?主要キャラ勢揃い!?

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「編集者さん、それは、本当ですか!?2巻が、発売される?しかも、サンプルを送ったのですか?ありがとうございます!すぐに、アレク様にお伝えしてきます」

パスクは、編集者からの連絡を受けると、すぐにアレクの下に走って知らせに行く。

「アレク様!アレク様!何をしているんですか!?映らない水晶を眺めている暇なんてありませんよ」

パスクは、書斎に行くと、アレクに詰め寄って肩を掴んで、これでもかと揺らす。
アレクは、パスクらしくない行動に目が点になってグワングワンとただ揺らされる人形みたいになっているのだ。

「パスク、落ち着いて!何があったの?また、師匠がなんかやらかした?闘技場を破壊したとか!?」

アレクは、(爆発音とか聞こえてないけどなぁ)とか思いつつも、ノックスのことだから、神力を使った新たな技で音もなく吹き飛ばしたのかと考えていた。

「ち、違います!チート薬学の2巻の発売が決定したんですよ!それも、近日中なんです!」

パスクは、またアレクをグワングワンと揺らして大変さを伝える。

「え!?えぇぇぇ!!2巻発売!?芽狐からは何も聞いてないよ?いつ発売なの?」

アレクは、目をこれでもかと見開いて驚きの表情を見せる。

「やはりそうでしたか!芽狐様は、いつも私達をあらゆる危険に追いやりますからね!また、いつもの悪ふざけですよ。発売は、3月の中旬らしいです」

「はぁ......近々だね。本当に、芽狐はなんでいつもこんなサプライズをしてくるんだよ!絶対俺のこと嫌いだよ......きっと」

芽狐は、ただ単純にアレク達を驚かせたかったのもあるのだが、同じ日本人として転生したアレクのことを羨ましく思って意地悪をしている。器の小さな男なのである。

「アレク様、いつか芽狐様をギャフンと言わせましょう!私は、なんでも協力します!あっ!そう言えば、編集者様がサンプルを届けたと言っていましたよ」

パスクは、聡明神の知識を使って、芽狐をいつか、あっと驚くような罠にハメてやろうと考える。

「うん!いつか、芽狐の下に全員で乗り込んでやろう!決定!それと、さっきファビロが、小包を持ってきたよ。まさか、2巻のサンプルだとは思わなかったよ!早速、開けて見ようか」

「はい!早速!」

アレクは、綺麗に包装されている小包を開けて、二人で中身を覗く。すると、中には自分達のイラストが描かれた綺麗な単行本が何冊も入っていたのだ。

「おぉぉぉ......凄い」

「うわぁぁぁ!これは......」

あまりのカッコよさと、かわいいイラストに、二人共言葉を失ってしまう。

「これって、あの時だよね?なんか見られてる気がしたけど、こういうことだったんだね」

「アレク様、アレク様!私もいますよ!それに、オレールさんもノックスさんもいますよ!懐かしいです!あの時に着ていた服ですよ!」

なんと、今回の2巻には、アレクは勿論のことパスクやオレールやノックスまで描かれているのだ。しかも、みんなそれぞれ違ったカッコよさがあり、ついつい見惚れてしまう。

「本当に、懐かしいね!あっ!そうだ!師匠とオレールさんにも見せに行こうよ!絶対に、喜ぶよ」

「はい!行きましょう」

アレクとパスクは、本を持って闘技場に向かう。





「師匠~、オレールさ~ん!2巻の発売が決まりましたよ~」

相変わらず、師匠とオレールとデストロイと豪牙とマンテ爺は、模擬戦をしている。そして、レッドドラゴンは巻き込まれたのか?仰向けで気絶しているのだ。

「ん?アレク坊か!」

「2巻が、発売とはめでたいですね!今回は、どんな懐かしい過去が書かれているのでしょうか!楽しみです」

ノックスとオレールは、戦いの手を止めて、アレクに近付いてくる。
アレクは、二人に本を渡して見てもらうことにした。

「おっ!今回は、俺達が表紙か!確か、マンテ爺と出会った頃だよな」

「そうですね。このあとくらいにマンテ爺と出会ってますね!それにしても、自分達が表紙を飾るとは感慨深いものがありますよ!本当に、ひとりひとり楽しそうな表情で描かれていて、汐張さんには感謝ですね」

オレールは、イラストレーターである汐張神奈さんを気に入っていて、いつか描いてもらいたいと思っていた。そして、今回表紙を飾ることができて喜んでいるのだ。

「おい!俺が描かれてないぞ!どういうことだ?」

横から覗くデストロイは、どこにも自分がいないことに腹を立てる。

「俺もいない!悲しいな」

「森の長様、私もいません!悲しいです......」

豪牙もいないことに悲しんで、レッドドラゴンもいつの間にか立ち上がって、涙を浮かべながら悲しんでいる。

「ワシは、おるのぅ!表紙ではないがのぅ!ワシの勝ちじゃな」

マンテ爺は、自分を発見して三人に対して、マウントを取り始める。
デストロイもレッドドラゴンも豪牙も、ぐぬぬと悔しい表情を浮かべてマンテ爺を羨ましそうに見るのだ。

「もう、マンテ爺意地悪しないの!デストロイとレッドドラゴンと豪牙は、読者様にお願いをしよう!今後、続刊が出続けたら、いつか表紙を飾れるかもしれないよ!でも、そのためには、読者様の力を借りる必要があるんだ」

今回も、1巻を購入して応援してくれた数多くの読者様がいたからこそ、2巻が発売されることとなった。だからこそ、アレクは最大限のお礼とさらなる応援をしてもらおうと願っているのである。

「フンッ、俺は出たいとか思ってないからな!お前らが見たいなら応援しろ!あ痛!何しやがる」

「デストロイは、黙ってろ!ねぇ~森の長様、デストロイがいたら、読者様に悪影響です!すぐに、消しちゃってください」

読者に向かって、横柄な態度を取るデストロイに対して、レッドドラゴンは頭を叩いて怒る。
そして、デストロイとレッドドラゴンは、鼻と鼻を擦り付けるほど近付いていがみ合うのだ。

「二人共、読者様が見てる前でみっともないよ!まず、デストロイはごめんなさいしようか!レッドドラゴンは、乙女がそんな怖いこと言っちゃだめ!」

アレクは、プンスカしながら、デストロイとレッドドラゴンを叱る。二人は、叱られたせいで、バツの悪い表情をしてしまうのだ。

「森の長様、ごめんなさい!でも、森の長様から乙女と言われて、照れちゃいます」

レッドドラゴンは、顔を赤らめてモジモジする。アレクは、これはだめだなと、こめかみを押さえる。

「チッ!俺を応援しろよ!あ痛!ぐぎぎ、クソッ!ど、読者、悪かった!応援してくれ」

デストロイは、アレクに頭を叩かれて、顔を赤くしながら、読者に対して頭を下げるのだ。

「俺も、応援してほしい!必ず、鬼人の王の力を超えてやるからな」

豪牙も、読者に応援を求めて、頭を下げるのである。

「みんな、よくできました!俺からも、読者様に一言!1巻をいっぱい買ってくれてありがとうございます!2巻も買ってくれると嬉しいです!ヨウスとの兄弟対決もあり、見所いっぱいになっています!是非、見て下さいね」

アレクが、感謝と応援を求める言葉を言うと、ノックス、オレール、パスク、マンテ爺、豪牙、デストロイ、レッドドラゴン、マンテ爺も、頭を下げるのだった。





「みんな、喜んでたね!まさか、デストロイも期待してるとは思わなかったよ」

アレクとパスクは、闘技場を離れて屋敷に戻り、談笑している。

「そうですね!プライドの高い、デストロイが頭を下げるとは思いませんでした。それより、芽狐様から言われたあれを伝えなくていいのですか?」

「あ!そうだったね!読者のみんな!芽狐が、3月4日22時に、Xのスペースで初の生ラジオ放送をするらしいんだよ!」

芽狐は、アレクへ一番大事な2巻の話は伝えずに、おまけのスペースの話だけを宣伝させようとしていた。

「なんか、あるゲストを迎えて、作家になった経緯とかを話すみたいだよ!よかったら、読者様は聞きに行ってあげてね。生意気にも、芽狐で検索してフォローもとか言ってるんだよね。偉そうだよね?」

アレクは、芽狐に対して、素直になれない自分がいて、何か一言言わないと気が済まないようだ。だが、兄弟のような優しさも見え隠れするのである。

「生意気って......アレク様と芽狐様は、似た者同士ですからね。でも、なんだかんだ言いながらも、アレク様もスペース聞くんでしょ?」

パスクは、ニヤニヤしながら、アレクを見て、素直になればいいのにと思うのである。

「そりゃね!変なこと言わないか監視しないと!あとは、読者様とも会いたいしね」

パスクは、恥ずかしがって頬を赤く染めるアレクを見て、ついつい笑ってしまうのだった。
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